野手MVP的活躍! 6年ぶり坊っちゃんスタジアムで超韋駄天・五十幡 亮汰(中央大)が提示した「打撃」という武器
11月30日(土)から12月2日(月)まで愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた「侍ジャパン大学代表強化合宿」。50選手中37選手が2020年ドラフト対象選手となる3年生が占める中、24選手の参加が予定されている来年夏のハーレムベースボールウィーク出場選手選考と同時に「スカウト目線」から見ても注目の合宿となった。
そこで「高校野球ドットコム」では6回シリーズで3年生たちを紹介。第2回は紅白戦出場29選手中唯一3試合全てで安打を放ち、通算でも6打数4安打1打点2得点1盗塁と文句なしの「強化合宿野手MVP」的パフォーマンスを示した中央大3年・五十幡 亮汰(いそばた りょうた・外野手・右投左打・172センチ67キロ・佐野日大<栃木>)を本人・周囲の話を交えながら紹介していく。
6年ぶり坊っちゃんスタジアムでうならせた走攻守
侍ジャパン大学代表候補・五十幡 亮汰(中央大3年・外野手)の50メートル走スタート
「グラウンドに入った時『こんな感じだったな』と思い出しました」
実は五十幡 亮汰にとって坊っちゃんスタジアムは初めての場所ではない。前回、彼がここを訪れたのは2013年11月の東京神宮リトルシニア時代、侍ジャパンU-15代表の一員として藤平 尚真投手、石原 彪捕手(いずれも東北楽天ゴールデンイーグルス)や、今合宿にも参加した古川 裕大(上武大3年・捕手)、鈴木 昭汰(法政大3年・投手)と共に参戦した「アジアチャレンジマッチ」である。
当時は全国中学校体育大会100メートル走・200メートル走覇者として注目を集める中、大会ではリードオフマンとして12打数7安打1打点。陸上選手兼任ならではの走りで大きなインパクトを残した五十幡。あれから6年、負傷選手発生による追加招集とはいえ「中学の時から侍ジャパンはあこがれの存在だったし、大学3年の時から侍ジャパン大学代表に選ばれる選手になるために自分にプレッシャーをかけてきた」心技体の準備をグラウンド上で存分に表現した。
紅白戦3試合で6打数4安打1打点1盗塁。ここでは50メートル手動測定5秒42に代表される走力に加え「肩も強いし初日の紅白戦での三塁打はインコースのスライダーをキレイにライト線にはじき返していた」守備・打撃面でもスカウト陣から高評価を得ることに。3年秋のシーズンでは40打数12安打9盗塁の打率.300で中央大の30季ぶり25度目の東都大学リーグ1部優勝に大きく貢献した実績が確かなことを証明したのであった。
坊っちゃんで積んだステップを2020年のジャンプアップへ
初日紅白戦1回裏右翼線に適時三塁打を放つ侍ジャパン大学代表候補・五十幡 亮汰(中央大3年・外野手)
「三塁打は崩されながら(スライダーを)拾えたことはよかった。自分の脚というところを見せた中で、守備や打撃といった部分も見せていきたい」
初日の紅白戦を終えた時点ではあくまで殊勝な言葉を並べた五十幡。その半面「一塁手・三塁手が前に出ていたのは判っていたが、その中で足のあることを見せたかった」とセーフティーバントを試みた意図を語るなど、自分をアピールする術もすでに備えていた。
さらに「他の選手が自分が、自分がとなっているところは大学代表候補に選ばれる選手だなと思ったので、そこは吸収してやっていきたい」学びをすぐ翌日の紅白戦で実行に移すあたりは、やはりただ者ではない。
かくして6年前、坊っちゃんスタジアムで最初に着た侍ジャパンの道を、より高いレベルで具現化するステップを踏むことに成功した五十幡 亮汰。打撃も備えた超韋駄天が2020年に目指すべき場所は侍ジャパントップチーム入りへの必要条件となる「ドラフト上位・大卒プロ入り」へのジャンプアップである。
(記事=寺下 友徳)
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