第250回 野手MVP的活躍! 6年ぶり坊っちゃんスタジアムで超韋駄天・五十幡 亮汰(中央大)が提示した「打撃」という武器2019年12月05日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 11月30日(土)から12月2日(月)まで愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた「侍ジャパン大学代表強化合宿」。50選手中37選手が2020年ドラフト対象選手となる3年生が占める中、24選手の参加が予定されている来年夏のハーレムベースボールウィーク出場選手選考と同時に「スカウト目線」から見ても注目の合宿となった。

 そこで「高校野球ドットコム」では6回シリーズで3年生たちを紹介。第2回は紅白戦出場29選手中唯一3試合全てで安打を放ち、通算でも6打数4安打1打点2得点1盗塁と文句なしの「強化合宿野手MVP」的パフォーマンスを示した中央大3年・五十幡 亮汰(いそばた りょうた・外野手・右投左打・172センチ67キロ・佐野日大<栃木>)を本人・周囲の話を交えながら紹介していく。

6年ぶり坊っちゃんスタジアムでうならせた走攻守



侍ジャパン大学代表候補・五十幡 亮汰(中央大3年・外野手)の50メートル走スタート
 

 「グラウンドに入った時『こんな感じだったな』と思い出しました」
 実は五十幡 亮汰にとって坊っちゃんスタジアムは初めての場所ではない。前回、彼がここを訪れたのは2013年11月の東京神宮リトルシニア時代、侍ジャパンU-15代表の一員として藤平 尚真投手、石原 彪捕手(いずれも東北楽天ゴールデンイーグルス)や、今合宿にも参加した古川 裕大(上武大3年・捕手)、鈴木 昭汰(法政大3年・投手)と共に参戦した「アジアチャレンジマッチ」である。

 当時は全国中学校体育大会100メートル走・200メートル走覇者として注目を集める中、大会ではリードオフマンとして12打数7安打1打点。陸上選手兼任ならではの走りで大きなインパクトを残した五十幡。あれから6年、負傷選手発生による追加招集とはいえ「中学の時から侍ジャパンはあこがれの存在だったし、大学3年の時から侍ジャパン大学代表に選ばれる選手になるために自分にプレッシャーをかけてきた」心技体の準備をグラウンド上で存分に表現した。

 紅白戦3試合で6打数4安打1打点1盗塁。ここでは50メートル手動測定5秒42に代表される走力に加え「肩も強いし初日の紅白戦での三塁打はインコースのスライダーをキレイにライト線にはじき返していた」守備・打撃面でもスカウト陣から高評価を得ることに。3年秋のシーズンでは40打数12安打9盗塁の打率.300で中央大の30季ぶり25度目の東都大学リーグ1部優勝に大きく貢献した実績が確かなことを証明したのであった。

坊っちゃんで積んだステップを2020年のジャンプアップへ



初日紅白戦1回裏右翼線に適時三塁打を放つ侍ジャパン大学代表候補・五十幡 亮汰(中央大3年・外野手)

 「三塁打は崩されながら(スライダーを)拾えたことはよかった。自分の脚というところを見せた中で、守備や打撃といった部分も見せていきたい」
 初日の紅白戦を終えた時点ではあくまで殊勝な言葉を並べた五十幡。その半面「一塁手・三塁手が前に出ていたのは判っていたが、その中で足のあることを見せたかった」とセーフティーバントを試みた意図を語るなど、自分をアピールする術もすでに備えていた。

 さらに「他の選手が自分が、自分がとなっているところは大学代表候補に選ばれる選手だなと思ったので、そこは吸収してやっていきたい」学びをすぐ翌日の紅白戦で実行に移すあたりは、やはりただ者ではない。

 かくして6年前、坊っちゃんスタジアムで最初に着た侍ジャパンの道を、より高いレベルで具現化するステップを踏むことに成功した五十幡 亮汰。打撃も備えた超韋駄天が2020年に目指すべき場所は侍ジャパントップチーム入りへの必要条件となる「ドラフト上位・大卒プロ入り」へのジャンプアップである。

(記事=寺下 友徳

関連記事
投手MVP・伊藤 大海(苫小牧駒澤大3年) 気合と冷静さを兼ね備えた「火の玉ストレート」
侍ジャパン大学代表強化合宿最終日 個の能力を高め「ONE TEAM」の2020へ
侍ジャパン大学代表強化合宿第2日 2試合・14イニング紅白戦で見えた「2020侍ジャパン大学代表」

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第253回 牧 秀悟 (中央大3年・内野手)「侍ジャパン大学代表」の重圧は プロ入り果たすための準備期間【ドラフト特集コラム】
第252回 河村 説人 (星槎道都大3年・投手) 回り道を成長の道とし のびしろ開花させる超大型右腕【ドラフト特集コラム】
第251回 榮枝 裕貴(高知-立命館大3年・捕手) 安定感増した二塁送球で 大卒プロを目指す高知のいごっそう【ドラフト特集コラム】
第251回 大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター【ドラフト特集コラム】
第988回 将来はプロ入りも狙える!明治神宮大会で印象に残った9人の逸材たち【大学生総括】【大会展望・総括コラム】

プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム