第248回 2019年の神宮大会の主役に躍り出た怪腕・高橋宏斗(中京大中京)。覚醒をもたらした「千賀流フォーム」2019年11月17日

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快投を持たらした千賀流フォームと微調整の上手さ


 さて馬淵監督が話した高橋はストレートがシュート回転しないと話していたが、正確にはシュート回転をしている。中京大中京バッテリーがしたたかなのは、シュート回転するストレートを武器にしていることだ。その意図について高橋はこう説明する。
「自分はそのストレートをマイナスに捉えるのではなく、プラスに捉えようと思いました」
 そのため配球を工夫した。ストレートは右打者には内角を投げ込んで懐を抉り、左打者には外角に投げて逃げる軌道となる。そのため左打者の外角へ投げて三振を奪う場面もあった。

 変化球の精度も秀逸だ。明徳義塾の打者から多くの空振りを奪ったツーシーム。実は挟んで投げているという。つまり山崎康晃(横浜DeNA)と同じ原理だ。
 こうして多くの人々から絶賛されるピッチングを見せた高橋。そこにいたるまで確固たる投球フォームのチェックポイントがある。高橋のピッチングフォームを見ると、千賀滉大のように左足を上げた時に三塁方向を見る。これはフォームのバランスを整えるためだ。
「僕は投げ終わった時に一塁側に倒れて、バランスを崩すことがありました。原因を考えたら、ずっと本塁方向を見ていて、身体が本塁方向に倒れてしまっていました。秋季県大会からこの取り組みを始めたらバランスが良くなりました」

 しかしずっと快投を見せたわけではない。秋季東海大会準決勝の藤枝明誠戦では5失点完投、決勝の県立岐阜商戦ではリリーフしたものの4失点。東海大会の防御率は4点台となっていた。そこからどう修正したのか?
「あの2試合は全く自分の思い通りのボールを投げることができなかったと思います。フォームのバランスが崩れていて、一塁側に倒れるフォームになっていたので左足をしっかりと上げて、バランス良く投げられるよう、2週間でしっかりと調整してきました」

 そのフォーム修正の効果もあり、正捕手・印出 太一の要求である「明徳義塾打線は甘い球を逃さないので、徹底的に低めに投げる」こともできたのである。

155キロを狙う意味


 そんな高橋の最終目標は「世代ナンバーワンピッチャー」だ。そのためには「155キロ」を投げたいと思っている。
「最終的には常時148キロ~150キロを投げ、マックス155キロを投げられるようになりたいです。150キロだと投げられる投手はいるかもしれませんが、155キロはなかなか到達できない領域。だからその数字を目指しているんです」

 熱く語る高橋の姿には意思の強さを感じさせてくれた。

 これで一躍、2019年の明治神宮大会の主役となった高橋宏斗。本人、チームが新チーム時からめざしてきた「明治神宮大会初優勝」を成し遂げることができるか、注目である。

(記事=河嶋 宗一

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河嶋宗一
編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
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  • ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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