Column

10年間で11名全員がプロ入り 侍ジャパン大学代表の4番たち

2019.10.15

 10月17日に開催される2019年プロ野球ドラフト会議。今年は佐々木朗希大船渡)、奥川恭伸星稜)、森下暢仁(明大)ら、好投手が注目されているが、あまり大きく取り上げられないものの、毎年好選手をプロに送り込んでいるカテゴリーがある。

 それが、「侍ジャパン大学代表の4番」である。
 今や侍ジャパン日本代表の4番へと成長した選手から、将来が期待されるスラッガー候補まで、過去10年間のスラッガーたちを振り返る。

10年間で11名が座り、全員がプロ入り

10年間で11名全員がプロ入り 侍ジャパン大学代表の4番たち | 高校野球ドットコム
今や日本が誇るスラッガーとなった山川穂高(西武ライオンズ)

 まず、この錚々たるメンツをご覧頂きたい。

▼過去10年間の大学代表の4番打者
2009年 中田亮二中原恵司(ともに亜大) 第37回日米大学野球選手権
2010年 伊藤隼太(慶大・3年) 第5回世界大学野球選手権大会
2011年 伊藤隼太(慶大)、山川穂高(富士大・2年) 第38回日米大学野球選手権
2012年 山川穂高(富士大・3年)  東日本大震災復興支援ベースボールマッチ 大学選抜
※この年開催された「第26回ハーレムベースボールウィーク」には九州地区大学野球連盟選抜が出場
2013年 梅野隆太郎(福岡大) 第39回日米大学野球選手権
2014年 中村奨吾(早大) 第27回ハーレムベースボールウィーク
2015年 吉田正尚(青学大) 第28回ユニバーシアード競技大会
2016年 大山悠輔(白鴎大) 第40回日米大学野球選手権
2017年 楠本泰史(東北福祉大) 第41回日米大学野球選手権、第29回ユニバーシアード競技大会
2018年 頓宮裕真(亜大)、伊藤裕季也(立正大) 第42回日米大学野球選手権、第29回ハーレムベースボールウィーク

 このように、2009~2018年の10年間で大学代表の4番に座った11名全員が、プロ入りを果たしているのだ(練習試合、壮行試合は除く)。さらに、伊藤隼、中村、吉田、大山らはドラフト1位でプロ入り。山川、頓宮、伊藤裕らは2位と、上位指名でのプロ入りが多数だ。

 この中で唯一下位指名となった楠本も、大学時代に肩を痛めたことで指名順位は下がったが、1年目から一軍で56試合に出場するなど、バットで存在感を示している。

 楠本だけでなく、多くの選手が1年目から一軍の舞台で活躍し、さらに本塁打を放っている。今季入団した二人も、頓宮は28試合で3本塁打、伊藤裕は21試合で4本塁打と、スラッガーの片鱗を見せた。

 明徳義塾時代からブーちゃんの愛称で親しまれた中田は、2015年から社会人野球のJR東海に活躍の場を移し、2018年の都市対抗野球でも4番打者として出場を果たしている。ともに亜大から入団した中原は現役生活を終えているが、他の選手は全て現役で活躍中だ。

[page_break:来年は佐藤都志也、再来年は牧秀悟に期待]

来年は佐藤都志也、再来年は牧秀悟に期待

10年間で11名全員がプロ入り 侍ジャパン大学代表の4番たち | 高校野球ドットコム
ドラフト指名が予想される佐藤都志也(東洋大)

 それでは、来年以降の活躍が期待される、今年の4番を見て行こう。

▼2019年の大学代表の4番打者
佐藤都志也(東洋大)、牧秀悟(中大・3年) 第43回日米大学野球選手権

 強肩捕手でスラッガーで佐藤「としや」と言えば、人気アニメ「MAJOR」の佐藤寿也を想像する方も多いだろう。左右の違いこそあれど、寿也に負けないスケールの持ち主だ。聖光学院(福島)時代に指名漏れした悔しさをバネに、大学で成長してきた。

 さらに、U-18日本代表との壮行試合でも4番に座った牧。松本第一出身の3年生ながら、中大でも4番を張るスラッガーだ。2年までは遊撃手、今春からは二塁手を守り、プロ野球界でも貴重な「打てる二塁手」になれる可能性を秘める。今から来年のドラフトが楽しみな存在だ。

 昨年までのスラッガーたちに漏れず、佐藤も今年のドラフト上位候補に名前が挙がっている。捕手としてだけでなく、内外野を守れることから、打撃力を生かすためのコンバートもあるかもしれない。佐藤が来年、どこでプレイすることになるのか、ドラフトの行方を見守りたい。

(記事=林 龍也

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.28

中央学院が春夏通じて初4強入り、青森山田の木製バットコンビ猛打賞も届かず

2024.03.28

【センバツ準々決勝】4強決定!星稜が春初、健大高崎は12年ぶり、中央学院は春夏通じて初、報徳学園は2年連続

2024.03.28

健大高崎が「機動破壊」以来、12年ぶり4強、山梨学院は連覇の夢ならず

2024.03.28

星稜・戸田が2安打無四球完封で初4強、阿南光・吉岡はリリーフ好投も無念

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.25

異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】