第237回 2019年のドラフトは「キセキの年」。奥川恭伸、佐々木朗希、森下暢仁の目玉投手3人の魅力とは??2019年10月15日

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 今年のドラフトの1位候補として奥川 恭伸星稜)、佐々木 朗希大船渡)、森下 暢仁(明治大)の3人の名前が挙がる。この3人の中で誰がナンバーワンか?ということが議論になるが、この3人はそれぞれが素晴らしく、甲乙つけがたいものがある。3人の魅力をお伝えしていきたい。

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3人の魅力ってなんだ?



左から森下暢仁、奥川恭伸、佐々木朗希

 まず奥川 恭伸星稜)。これまでのコラムで菅野智之(巨人)と評しているように、勝てる投手になるだろう。奥川は他の投手と比べるとステップ幅も狭く、沈み込みも小さい。昔の価値観ではあまり評価されるフォームではなかった。ただ奥川は自分のチェックポイントというのを持っていて、軸足にしっかりと体重を乗せて投げることを意識し、リリースするときに「ボールの重みを感じるリリースができるか」という独自のチェックポイントを持っている。

 常に高いレベルを求めているからこそ、たとえ調子が悪くても最低限のピッチングができる。また奥川の強みといえば、メンタルの強さだ。今、150キロ越え投手が非常に多くなったが、奥川はどんな場面でもぶれずに、ベストボールが投げられること。智辯和歌山戦では延長14回でも、150キロ台をマークした底力は素晴らしく、変化球は縦に鋭く落ちるスライダー、140キロ前半のフォークボール、横に切れるスライダーの精度は高い。ピッチングのレベル、メンタルの強さ含めて完成度の高さは今年の高校生どころか今年のドラフト候補の中でもナンバーワンだろう。

 佐々木 朗希大船渡)は、器の大きさは大谷 翔平に並ぶ投手だろう。一見、軽く投げているように見えても、球速表示を見ると、140キロ後半の速球を投げ込み、力を入れるとき、佐々木は踏み出し足の歩幅を広げて、全体重を乗せて投げるが、軽々と150キロ中盤~150キロ後半を投げ込む。見ていて明らかにエンジンが違うのだ。

 速球だけではなく、130キロ前半の高速スライダー、140キロ前後の高速フォークを器用に投げ分ける。大谷の高校時代と比較しても、ピッチングのレベルが高い。この3年間、かなり限定的な起用をしてきたため、スタミナ面で不安視する声もあるが、まだ高校生で100%を求める必要はなく、1年かけて長丁場のプロに耐えうる体力や調整力を身に着ければいいだろう。フルスロットルに入った時は千賀 滉大に迫るものはある。

 球速、変化球のレベルそのものはまるでメジャーリーガーを見ているようなポテンシャルを持つ佐々木。順調にいけば、NPBの中では頭1つ抜けた投手になっている可能性は高い。

 最後に森下 暢仁。森下の完成形を野茂英雄と評する声が多い。トルネードはしない。そしてフォークもあるわけでもない。それでも野茂に見えるのは、野茂同様、縦回転で使える投球フォームだからだろう。左足をゆったりと上げてから、その後、テークバックを取って右ひじを挙げたトップに入った時の胸の張り、真上から振り下ろす腕の振りの軌道が野茂と酷似しているのだ。投球フォームの美しさでいえば、森下が一番と答える方もいるのではないだろうか。

 そのフォームから繰り出す回転数抜群の140キロ後半のストレート、カーブ、チェンジアップ、スライダーはいずれも精度が抜群だ。4年生にかけて低めへの精度が増し、勝てるピッチングができるようになっている。

 奥川、佐々木、森下も共通しているのは、
・ストレートの平均球速は140キロ後半で、マックスは150キロを超えること・ウイニングショットを持っていることの2つだ。これほどのレベルの投手は数年に一度しかいないが、1年に3人も集まる。まさに今年は「キセキの一年」なのだ。

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(記事=河嶋 宗一

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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