今年のドラフトでマークすべき高校生投手たち!【厳選13投手リスト・前編】
10月17日に控えたドラフト2019。今年のドラフト候補と呼ばれる高校生投手は、近年稀に見るハイレベルな陣容となった。
まずは、上位候補となる6名の顔ぶれを改めて紹介したい。
ドラフト上位投手となるのはこの6名だ!
注目される佐々木朗希(大船渡)と奥川恭伸(星稜)
・佐々木朗希(大船渡・右投げ)
・奥川恭伸(星稜・右投げ)
・西純矢(創志学園・右投げ)
・鈴木 寛人(霞ヶ浦・右投げ)
・及川雅貴(横浜・左投げ)
・宮城 大弥(興南・左投げ)
まず、佐々木と奥川。この2人は、間違いなく1位指名されるだろう。最速163キロ右腕の佐々木朗希(大船渡)は素材型と呼ばれるが、高速フォークを織り交ぜた投球は完成度が高く、1年目から一軍登板の可能性は高い。
奥川恭伸(星稜)もまた、常時150キロ超の速球、縦横のスライダー、カーブ、高速フォークといずれも精度が抜群。近年、高校生でも150キロ超えの投手が多くなったが、奥川は打者の力量だけでなく、試合状況を見て、ピッチングを構成できること。これができる高校生はなかなかいない。多くのプロ野球解説者が、「怪我さえなければ即戦力」と評するのはそれができるからであり、よほどのことがなければ、一軍で投げる可能性は高い。
その2人に続くのが西純矢(創志学園)。最速154キロを誇るストレートは、好調時では奥川より上回るものがあり、夏の大会が終わってから変化球の精度が上がった。130キロ中盤のチェンジアップ、130キロ後半のフォークボールの精度も高く、完投能力もある。将来の先発ローテーション候補として人気株になる。
また、霞ヶ浦の鈴木 寛人も面白い。甲子園では初戦で、履正社打線に打たれてしまったが、好調時はフォームのバランスもよく、140キロ後半のストレートは角度があり、縦に鋭いスライダーも投げられる。
今年のナンバーワン左腕は、間違いなく、宮城大弥(興南)だろう。140キロ後半の速球、130キロ前半のスライダー、落差抜群のチェンジアップの精度も素晴らしく、天候不良や味方のエラーがあっても動じずに投げることができる精神力の強さが魅力。
及川雅貴(横浜)は夏の神奈川大会準々決勝で敗退。この1年で思うような実績を残せず、苦しんだが、トータルで見ると、良い時は140キロ後半の速球に加え、130キロ近いスライダー、110キロ前後のカーブが上手く決まる。及川の素質を開花させることができる球団に巡り合うことができれば、さらにレベルアップするだろう。
上位候補の投手に負けない!プロでブレイクする可能性を持った右投手たち
侍ジャパンU-18日本代表に選ばれた浅田将汰(有明)と前佑囲斗(津田学園)
さらに、上記の6名以外にも、今年の高校生投手にはまだ逸材がいる。プロ入りしてから、評価が逆転する可能性は十分。ここでは、ドラ1候補とはいかないまでも、出来れば上位で指名しておきたい投手陣を紹介したい。
【ピックアップリスト】
井上 広輝(日大三)
前 佑囲斗(津田学園)
岡林 勇希(菰野)
浅田将汰(有明)
横山陸人(専大松戸)
落合秀市(和歌山東)
堀田 賢慎(青森山田)
井上 広輝(日大三)は140キロ後半のストレートは威力があり、スライダー、落差が鋭いチェンジアップを投げ分け、ピッチングの完成度は高い。ラストシーズンでは井上として満足行く投球はできなかったが、順調に伸びていけば、先発ローテーション入りも期待できる逸材だ。
前 佑囲斗(津田学園)は先発型右腕として期待したい投手。指先にしっかりと力が伝わったストレートは140キロ前半でも空振りが奪え、さらにスライダーの切れもよく、先月行われたU18ワールドカップでも活躍を見せた。
岡林 勇希(菰野)は、2年冬からフォーム改造に取り組み、制球力向上に成功。さらに最速153キロのストレートと、伊藤智仁(元ヤクルト)の高速スライダーを参考にして、春の東海大会で好投した。そのピッチングは上位候補の投手と比較しても、そん色ないレベルに達しているが、最後の夏は思うような投球ができなかった。それでも、高校通算21本塁打をマークした強打、遠投120メートルの強肩、50メートル6秒前半の俊足が評価され、野手としてリストアップする球団もある。当日の指名が楽しみな選手だ。
浅田将汰(有明)は、真上から振り下ろす独特の投球フォームから投げ込む直球が魅力。常時145キロ前後の速球と130キロ前半のカットボール、120キロ後半の縦に鋭く落ちるチェンジアップを武器にする本格派右腕。
右サイドながら最速148キロのストレートを投げ込む横山陸人(専大松戸)は、この春で全国区の右サイドへ成長。高めに決まる140キロ前半のストレートは伸びがあり、スライダー、シュート、カーブを織り交ぜて詰まらせる投球は実戦的。数少ない右サイドの好投手ということで、人気株の投手になるだろう。
また、青森山田の堀田 賢慎も楽しみな剛腕だ。縦振りのフォームから繰り出す最速151キロのストレートは角度があり、変化球の精度も高い大型右腕。
落合 秀市(和歌山東)はこの春から評価急上昇中の大型右腕。右スリークォーターから投げ込む直球は140キロ中盤の速球、切れのあるスライダー、フォークの精度も高い。この夏の和歌山大会では多くのNPB球団が視察に訪れ、評価も高い投手だ。。
後編では絶対にマークしておきたい左腕カルテット、プロ志望届を提出した掘り出し物の逸材投手をまとめて紹介します。
(記事=河嶋 宗一)