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高卒選手に最もチャレンジしているのはヤクルト・楽天?!過去10年の高卒1位競合選手から見るドラフト

2019.09.18

 いよいよあと1ヵ月と迫ってきたプロ野球ドラフト会議。今年は奥川恭伸星稜)や佐々木朗希大船渡)らに何球団が競合するかが注目されているが、ここで過去の高卒ドラフト1位選手への競合を振り返りたい。

過去10年間で競合した高卒ドラ1選手たち

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過去10年で最多の7球団指名を受けた清宮幸太郎

2009年

花巻東菊池雄星 6球団(西武・阪神・ヤクルト・楽天・中日・日本ハム)

2010年

履正社山田哲人 2球団(ヤクルト・オリックス)※外れ1位

2011年

東海大甲府高橋周平 3球団(中日・オリックス・ヤクルト)
英明松本竜也 2球団(巨人・横浜)※外れ1位

2012年

大阪桐蔭藤浪晋太郎 4球団(阪神・オリックス・ロッテ・ヤクルト
東福岡森雄大 2球団(楽天・広島)

2013年

桐光学園松井裕樹 5球団(楽天・ソフトバンク・日本ハム・DeNA・中日)

2014年

済美安樂智大 2球団(楽天・ヤクルト)

2015年

県岐阜商・高橋純平 3球団(ソフトバンク・中日・日本ハム)
仙台育英平沢大河 2球団(ロッテ・楽天)
東海大相模小笠原慎之介 2球団(中日・日本ハム)※外れ1位

2016年

高卒1位競合なし
横浜藤平尚真履正社寺島成輝作新学院今井達也らが単独指名。

2017年

早稲田実業清宮幸太郎 7球団(日本ハム・楽天・ヤクルト・ロッテ・ソフトバンク・巨人・阪神)
広陵中村奨成 2球団(広島・中日)
九州学院村上宗隆 3球団(ヤクルト・楽天・巨人)※外れ1位
履正社安田尚憲 3球団(ロッテ・ソフトバンク・阪神)※外れ1位

2018年

報徳学園小園海斗 4球団(広島・ソフトバンク・DeNA・オリックス)
大阪桐蔭根尾昂 4球団(中日・ヤクルト・巨人・日本ハム)
大阪桐蔭藤原恭大 3球団(ロッテ・阪神・楽天)

 この10年間の傾向として、投手中心に毎年1,2名の競合がアベレージと言えそうだ。しかし、2015年の平沢を皮切りに、2017年の4名、2018年の3名は全て野手となっている。これは単純に高卒野手にハイレベルな選手がいたということもあるが、各球団がスター候補の野手を獲得したいという思惑もあるだろう。

 2010年(早大・斎藤佑樹大石達也など、1巡目入札は全12球団が大卒投手)や、2016年(創価大・田中正義に5球団、外れ1位で桜美林大・佐々木千隼に5球団)などのように、大卒投手に人気が集中した年は、高校生への競合は少なくなっている。

 今年の高卒に目を当てると、投手では奥川、佐々木を始め、U-18で評価を挙げた創志学園西純矢興南宮城大弥らが食い込んでくる可能性もある。奥川、佐々木に何球団が競合するのかが大きな注目となっているが、果たして。

 野手では東邦石川昂弥が一躍1位候補に名乗りを挙げた形だ。近年のトレンドにもなりつつある高卒野手でもあるだけに、数球団が競合してもおかしくない状況だ。

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各球団の競合回数

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高卒選手獲得へ果敢に挑戦する楽天からドラフト1位指名をした辰己涼介

 また補足だが、各球団の競合回数を下記に示す。

8回

ヤクルト
楽天

7回

中日

6回

日本ハム

5回

ロッテ
ソフトバンク
阪神

4回

巨人
オリックス

3回

DeNA(横浜時代含む)
広島

1回

西武

 この10年間でヤクルト、楽天は8回の競合を経験しており、最も高卒選手に対してチャレンジしている球団と言えるかもしれない。逆に西武は1回と最も少ないが、その1回で菊池雄星を引き当て、2016年には今井の単独指名に成功している。

 この数字のみで各球団のドラフト戦略を詳細に語ることはできないが、今年の高卒選手たちに対し、競合覚悟で指名に踏み切る球団はどこなのか、予想してみてはいかがだろうか。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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