【BIG5特集】佐々木朗希(大船渡)令和元年の至宝!この夏、全国と世界へ羽ばたけ
2019年度の高校生投手『BIG5』はズバリこの選手だ!
佐々木朗希(大船渡)
奥川恭伸(星稜)
西純矢(創志学園)
及川雅貴(横浜)
井上広輝(日大三)
高校野球ドットコムでは、2019年度のBIG5ピッチャーたちの大会直前の仕上がり状況や、夏に向けての歩みを5日間連続でレポート!
最終回となる第五弾は、佐々木朗希(大船渡)だ!高校日本代表研修合宿では163キロを記録し、今最も注目を浴びている高校球児であろう佐々木。その凄みを改めて考察していこう。
球速よりも完成度の高いピッチングを求めて欲しい
高校日本代表研修合宿での佐々木朗希(大船渡)
日本球界が誇る大谷翔平。大谷の枕詞として、二刀流以外では、「球界の宝」という言葉が盛んに聞かれる。それだけの希少価値が高い選手であり、実際に大谷は規格外のパフォーマンスを発揮してきた。
今年から10年、20年、その言葉が聞かれそうなのが佐々木朗希である。佐々木に対して、「令和の怪物」と聞かれるが、「令和元年の至宝」という言葉が正しいかもしれない。
というのは、昨今の報道を見ると、大船渡側は佐々木を管理し、しっかりと才能を守っていることが分かるからだ。佐々木が何キロ投げるよりも、佐々木は無事に投げることができるか。無事に夏を迎えることができるか。その視点で注目されている。
佐々木が今年登板した登板の中でフルスロットルで投球をしたのは研修合宿だろう。あの佐々木は凄まじいものがあった。ドットコムのガンでは最遅が148キロで、最速154キロ、一部のスカウトのガンでは最速163キロを計測したが、見たことがないストレートの速さだった。130キロを超えるスライダー、フォークの切れ味も高校生の域を超えていた。
ただ1つの危惧していたのは人並み外れた速球を投げるだけに故障のリスクがあること。佐々木、及川の実力は?研修合宿に参加した投手14名を徹底考察!【東日本編】ではこのように指摘した。
「佐々木の場合、並外れた速球を投げる分、負担も比例して上がってくる。165キロ、170キロという声もあるが、そこにこだわって出力を高めすぎると、故障のリスクはさらに高くなる。
佐々木は7割〜8割の出力で、完成度の高いピッチングをするべきではないか。佐々木に求めたいのは165キロではなく、程よい出力で、少ない球数で、抑える投球術を身に付けること。ファン、メディアからすれば物足りなさは感じるだろう。しかしそれが佐々木の才能を守り、強豪校相手にも抑えられる投手になるために大事なスキルといえる。
世界最速を狙うのは、しっかりと負荷を耐えうる肉体になってからでも遅くはない
高校日本代表研修合宿での佐々木朗希(大船渡)
その後の佐々木の報道を追っていくと、その通りとなっている。まず大船渡側の佐々木の肉体、骨の成長似合わせて先発をさせるのかギリギリまで悩んだり、さらに佐々木を極力登板させず、別の投手を育成したり、佐々木も出力を抑えながら登板したりと、佐々木の才能を守る姿勢が強く感じられる。
こういう報道を聞くたびに佐々木は本当に良いチームでプレーできているなと感じる。
大船渡の甲子園出場が期待されるが、本当に無理することなく、全選手の力で甲子園出場を勝ち取って欲しい。
ただ一つだけわがままを言わせてもらうと、もし世界大会に選ばれることになれば、フルスロットルの力で圧倒する佐々木を見てみたい。アジアのライバルの台湾、韓国、ライバルのアメリカ、そして要注意国のパナマの有力投手の情報を調べているが、佐々木はこの世代では世界ナンバーワンの才能を持った豪速球投手であること。
ビッグ5を始めとした今年の高校生投手は非常にレベルが高く、世界一を狙える布陣になるのではないかと期待している。その先頭を走るのが佐々木だろう。
ぜひ全国、世界の舞台で羽ばたいて、「佐々木朗希」の名前を広めてほしい。
文=河嶋宗一
~BIG5特集~
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6月15日(土)昼12時配信…奥川恭伸(星稜)高校生レベルを超越したテクニシャンピッチャー
6月16日(日)昼12時配信…佐々木朗希(大船渡)令和元年の至宝!この夏、全国と世界へ羽ばたけ