第203回 木製バットを握った野手陣の実力は?強肩捕手、逸材遊撃手たちを考察!【前編】2019年04月11日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   
【目次】
[1]4人の捕手の特徴を分析/攻守でバランスが取れていた武岡、韮澤
[2]森、熊田、紅林、内山の4ショートを徹底分析!

 4月5日から行われた高校日本代表は座学、紅白戦、実戦形式の練習があり、非常に内容の濃いものであった。全国トップレベルの選手が切磋琢磨する姿は見ていて面白いものがあった。選手を分析するものからすれば、これ以上ない機会をいただき、感謝を申し上げたい。今回は参加選手のパフォーマンスを実際に考察していきたいと思う。今回は野手のパフォーマンスについて紹介していきたい。

投手陣への考察はこちら!
佐々木、及川の実力は?研修合宿に参加した投手14名を徹底考察!【東日本編】
奥川、西はどのような投球を見せたのか?研修合宿に参加した投手14名を徹底考察!【西日本編】

4人の捕手の特徴を分析



左から渡部雅也(日大山形)、東妻純平(智辯和歌山)、山瀬慎之介(星稜)、藤田健斗(中京学院大中京)

 渡部 雅也日大山形):捕手/3年/183/84/右/右
 参加した4捕手の中で最も大型な捕手。打撃のメカニズムを見ると、レベルスイングを心がけており、下半身主導で動いているので、時間をかけていけば、4選手の中で最も長打が期待できるスイングだ。また、スローイングタイムは1.9秒台を計測した強肩も魅力だ。打てる捕手としてさらに存在感を発揮したい。

 山瀬 慎之助星稜):捕手/3年/177/82/右/右
 何といっても魅力は1.8秒台の強肩。課題の打撃は外野へ深いフライもあり、少しずつ強さを見せている。投手とコミュニケーションを取りながら持ち味を発揮していた。

 藤田 健斗中京学院大中京):捕手/3年/173/73/右/右
 佐々木 朗希のボールを受け取り、一躍、時の人となった藤田。そこで名前を覚えた方に藤田について紹介すると、昨秋の東海大会4強に導いた好捕手で、フットワークの良さと1.8秒~1.9秒台の強肩が光る好捕手。打撃はインサイドアウトのスイングでボールを捉えるアベレージヒッター型。ただ木製バットで打てることを考えると、もう少し打撃に強さが欲しい。

 東妻 純平智辯和歌山):捕手/3年/174/75/右/右
 ほかの3人の捕手に負けじと1.8秒台の強肩を見せつけた東妻。ただ肝心の打撃では苦しんだ。金属バットではホームランを量産する東妻だが、まだ木製バットで長打を打てるフォームをつかみ切れていない様子。いわゆる手打ち気味になっていて、体の回転が弱く、スイングが弱い。普段から木製バットでの練習をしているようだが、対投手と対戦して、いかにして強いスイングができるかにこだわってほしい。またセカンド、外野だったり、いろいろなところを守って学び取ろうとする志は良し。木製バットでも強肩強打の捕手へ成長することを期待したい。

攻守でバランスが取れていた武岡、韮澤




左:武岡龍世(八戸学院光星) 右:韮沢雄也(花咲徳栄)

 武岡 龍世八戸学院光星):内野手/3年/178/76/右/左
 好遊撃手揃いで、攻守で存在感を示した。守備はステップともに軽快で、スローイングも強く、全く乱れない。機敏なクイックネス、強い体幹を生かし、どの距離でも強いボールが投げられるスナップスローと安定感は抜群。

 ほかの遊撃手に聞くと、「武岡君が一番うまかった」という評価だ。ノックでは外野の練習をしていたが、肩の強さ、安定感は素晴らしく、深い位置からでもダイレクト送球かワンバウンド送球でバックホーム、バックサードができていた。外野手の練習もすれば、相当評価が上がる選手になるのではないだろうか。

 打撃は京田 陽太(中日)に似ていてコンパクトで内回りのスイングで捉える。構え遅れがなく、145キロ前後の速球をクリーンヒットにできる技術がある。広角に安打が打てて、欠点が少ない選手だが、長打はあまり期待できない打撃フォームなので、長打を求める場合、メカニズムを考え直す必要はあるだろう。その回り道をどの時期にするのか。注目してみたい。

 韮沢 雄也花咲徳栄):内野手/3年/177/80/右/左
 2015年から4年続けて高卒プロ入りしている花咲徳栄が誇るショートストップで、2016年、オリックス入りした岡﨑 大輔よりも上と断言できる。

 まずは木製バットでも長打を打てるメカニズムをしているということ。今年にかけて2学年上の西川 愛也(埼玉西武)に近い構えになり手元までボールを呼び込んで、インサイドアウトのスイングで広角にボールを打ち返す。左中間にも長打が打てて、ミート力もあって、長打も打てるというバランスが素晴らしい。

 守備もフットワークも軽快で、スローイングも安定している。武岡に負けない魅力はあった。

 またメンタルの強さを示すエピソードもある。2日目の午後の紅白戦で韮澤は死球を受けて、膝に受け、グラウンドを後にしたが、最終日の3日目は元気にアップに参加。永田監督は「我々が状態を確認する前からアップに入っていました。何事もなくてよかったです」と、シートノックからキレの良い動きを見せ、さらにシート打撃では左中間へ長打を放ち、三塁打を記録した。

 この経験を機に韮澤はどんな進化を見せるのか。

【次のページ】 森、熊田、紅林、内山の4ショートを徹底分析!

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第629回 静岡に新たな風を吹かせる!バッテリーを軸に一戦必勝で戦い抜く! 駿河総合(静岡)【後編】【野球部訪問】
第629回 総合学科の学校として新しい形の文武両道に挑む 駿河総合(静岡)【前編】【野球部訪問】
第1023回 そのスイングはまるで福留孝介。そして父を超えるセカンドを目指す! 黒川史陽(智辯和歌山)【前編】 【2019年インタビュー】
向上vs桐蔭学園【神奈川県 2019年夏の大会 第101回選手権記念 神奈川大会】
第12回 夏3連覇を目指す興南(沖縄)の20人の戦士たち【101回大会特集】
花咲徳栄vs正智深谷【埼玉県 2019年夏の大会 第101回選手権埼玉大会】
智辯和歌山vs和歌山南陵【和歌山県 2019年夏の大会 第101回選手権和歌山大会】
第1025回 前向きに全国制覇と日本一の捕手へ 東妻純平(智辯和歌山)【後編】 【2019年インタビュー】
第1023回 兄のリベンジを胸に名門の扉を叩いた超強肩捕手 東妻純平(智辯和歌山)【前編】 【2019年インタビュー】
第202回 【逸材レポート】佐々木朗希の初戦ピッチングを球種別に徹底分析!【ドラフト特集コラム】
第589回 令和になっても習志野とのライバル対決を制し、甲子園へ 銚子商(千葉)【後編】【野球部訪問】
第1024回 驚異的な球速アップの要因は「右手の小指」。たどり着いた剛速球右腕への道 池田陽佑(智辯和歌山)【後編】 【2019年インタビュー】
第1021回 いずれは憧れの先輩遊撃手に負けない選手へ 指導者が認める野球センスの塊・常世田翔太(銚子商) 【2019年インタビュー】
東海大相模vs星稜【2019年 練習試合(交流試合)・春】
星稜vs健大高崎【2019年 練習試合(交流試合)・春】
奥川 恭伸(星稜) 【選手名鑑】
及川 雅貴(横浜) 【選手名鑑】
熊田 任洋(東邦) 【選手名鑑】
紅林 弘太郎(駿河総合) 【選手名鑑】
佐々木 朗希(大船渡) 【選手名鑑】
宮城 大弥(興南) 【選手名鑑】
興南 【高校別データ】
駿河総合 【高校別データ】
星稜 【高校別データ】
智辯和歌山 【高校別データ】
中京学院大中京 【高校別データ】
桐蔭学園 【高校別データ】
東邦 【高校別データ】
東邦音大二 【高校別データ】
東邦大東邦 【高校別データ】
日大山形 【高校別データ】
八戸学院光星 【高校別データ】
花咲徳栄 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム