今回のドラフトから惜しくも漏れてしまった選手たち



米倉貫太(埼玉栄)

 10月25日に都内で開催された「2018年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。育成枠を含めて12球団で計104名されたが、有力選手も指名漏れとなっている。右投手では米倉 貫太(埼玉栄)、左投手では矢澤 宏太(藤嶺藤沢)が筆頭だろう。米倉はダルビッシュ 有投手を育てた若生監督の下で、大きく育った選手だった。しかし最後の夏で4回戦敗退。夏でアピールできなかったことが指名漏れの要因になったかもしれない。それでも潜在能力、フォームの土台の良さは高く評価された選手。想像以上にプロの評価はシビアだった。高卒プロ志向の選手は最後の夏でどれだけアピールできるかというのはとても大事だといえる。

 米倉はどういう進路をたどるのか。インタビュー取材でピッチング練習を見た時はスピンがかかったストレートは多大な可能性を感じさせた。次は社会人チームに進む予定の米倉。そのチームの投手コーチを取材したことがあるが、指摘は辛らつだが、指導は確かな方なので、ぜひ大化けしてほしい。米倉は指導者に恵まれている選手である。

 矢澤は躍動感あふれる投球フォームから140キロ中盤の速球、スライダーを武器にする本格派左腕。ただ、矢澤の場合、好不調の波は激しく、最後の夏も大荒れのピッチングだった。それでも、今年の高校生左腕の中でも力強い速球を投げる投手。文句付けないようのない投手に成長して最上位に指名される投手となってほしい。

 また甲子園のピッチングで自信をつけてプロ志望届を出した鶴田 克樹(下関国際)も指名漏れ。ただ140キロ中盤の速球、高速スライダー、フォークを投げ分け打たせて取る投球はハイレベル。大学、社会人に進んでも十分に活躍できる素養を持った投手だ。

 投手では140キロ中盤の速球、フォークで勝負する細川 拓哉(明秀日立)、キレのある快速球を投げ込む松江 優作(れいめい)、140キロ後半の速球を投げ込む小江 光樹(朝倉)、145キロ左腕・大畑 功士郎(筑陽学園)。野手では、スローイングが優れた新保 利於(瀬戸内)、強打の遊撃手・中山 瞬(創志学園)も指名漏れした。

 残念ではあるが、本気で甲子園、プロを追う彼らに感化され応援する人が無数にもいて、同じように悔しがっている人もいる。そういう人たちを忘れず、ぜひ次のステージに向かってほしい。

 2019年度も投打に逸材が集まるが、高卒プロでいくということは想像以上にシビアな世界であると実感させた。上位指名となった選手は、やはり最後の夏でアピールできている選手が多い。

 最後の夏。どれだけのパフォーマンスができるかを注力に置いて、取り組んでほしい。


■ドラフト指名漏れ選手一覧
西舘 洸希盛岡三
中村 泰成土浦日大
細川 拓哉明秀日立
川崎 皇翔水戸葵陵
金子 知生新田暁
髙橋 優太尾瀬
高瀬 蒼汰前橋西
米倉 貫太埼玉栄
松岡 洸希桶川西
荘司 宏太駿台甲府
星野 健太山梨学院
濱 将乃介東海大甲府
坂内 誠治市立船橋
行木 俊横芝敬愛
相川 亮太館山総合
大比良 知哉郁文館
宮野 結希堀越
松山 真之都立四商
辻 翔也 茅ヶ崎西浜
渡部 悠介相模田名
カレオン・ジョニル・マラリ武相
矢澤 宏太藤嶺藤沢
赤羽 由紘(ウェルネス筑北)
髙井 ジュリウス地球環境
小林 翔太松本国際
阿部 裕二朗北越
坂井 翔太中越
岩渕 夏夢開志学園
竹林 楓也加茂暁星
佐々木 愛輝高朋
酒井 啓佑魚津工
坂本 竜三郎鯖江
水野 喬日湖西
蘇 珀漢オイスカ浜松国際
宮下 凌浜松開誠館
白石 祐人
野口 泰司栄徳
横田 龍也豊田工科
伊加利 夏生岐阜第一
三浦 賢斗岐阜各務野
井野 海翔麗澤瑞浪
上下 大地津田学園
横辻 海紀南
山田 竜明近江
金城 登耶近江
藤田 希和福知山成美
池田 将也京都国際
新谷 恵右奈良情報商
田川 涼太箕島
宇佐美 真太大阪偕星学園
羽田野 温生汎愛
村上 泰士相生学院
石川 翔神戸国際大附
中山 瞬創志学園
糸賀 海翔関西
新保 利於瀬戸内
靏 仁石見智翠館
鶴田 克樹下関国際
田神 翔阿南工
髙岡 玄地新野
服部 虎鳴門渦潮
安藝 龍馬板野
岡本 布武希高知中央
大畑 功士郎筑陽学園
小江 光樹朝倉
上村 晟翔福岡工大城東
野元 由翼佐世保工
上原 敦己秀岳館
上間 永遠柳ヶ浦
中園 大樹柳ヶ浦
松田 政大柳ヶ浦
林田 昂也日章学園
角 颯真神村学園
宮脇 廉(鹿児島城西
松江 優作れいめい
國仲 祐太宜野湾
知念 侑輝中部商


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