第173回 ミレニアム世代のトッププロスペクト Vol.17「甲子園での大爆発が期待したい万波中正・山田健太」2018年08月01日

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【目次】
[1]万波中正 (横浜) 高校屈指の注目スラッガー
[2]山田 健太(大阪桐蔭) 大阪桐蔭でトップ打率を誇る成績

 ミレニアム世代の逸材をトッププロスペクト方式で紹介。今回もドラフト候補としてハイパフォーマンスが期待される逸材を追っていく。

万波中正 (横浜) 高校屈指の注目スラッガー


万波中正 (横浜)の3年春の瀬谷戦の打撃フォーム

 ずっと苦しんきた選手が、山を乗り越えると強い。そう感じさせたのが万波 中正だ。東練馬シニア時代からスラッガーとして騒がれ、鳴り物入りで入学し、1年春から4番打者として起用される。この時から自分の理想とする打撃フォーム探しが始まった感じがする。入学当初の万波はノーステップ。この時は高校レベルの速球に振り遅れ、空振りを繰り返していた。ここから左足を上げ始めるようになり、1年夏の神奈川大会では横浜スタジアムでバックスクリーン弾。観ていたNPBのスカウトを騒がせる当たりだったが、2年生以降も、一発は出ても、長続きがしない。昨夏の決勝戦では5打席連続三振。2年夏は打率.179となっていた。


万波中正 (横浜)の横浜創学館戦の打撃フォーム

 不調は続く。3年春の地区予選のこと。万波はノーステップになっていた。重心を低くした構えだが、始動の仕掛けが遅く、両腕が硬直した状態から振り出すので、ストレートに振り遅れる形となり、凡打を繰り返す万波。そこから足を上げたり、ノーステップにしたりと、フォームが変わり、関東大会の明秀学園日立戦では代打で3球三振。状態は深刻。一時はベンチ外となった。


万波中正 (横浜)の常総学院戦の打撃フォーム

 だが、この期間で、しっかりと見つめなおしたのだろう。この夏の万波は入学してから最も打てる構えとなっていた。少し左足を開いたオープンスタンス。グリップの位置はやや低く、重心を下げた構えとなっている。以前の万波と違うのはグリップ位置がこれまでより低いこと。少しオープンスタンス気味にしたことで懐が広くなり、今までよりも視野が広く感じるのではないだろうか。「さあ、いらっしゃい」という感じである。

 そうすることで打てるポイントが広がり、この夏、大爆発。まず立花学園戦では横浜スタジアムの電光掲示板直撃の弾丸ホームラン。そして高校野球ファンを驚かせたのが、決勝の鎌倉学園戦だ。1回表、一死一、二塁から高めに浮いたスライダーを逃さず、センターフェンス直撃の適時二塁打。そして3回表には、外角ストレートを逃さず振り抜いた打球はレフト最上段に飛び込む本塁打。7回表にはカーブを振り抜いて、レフトフェンス直撃の二塁打と3安打4打点の活躍で、3年連続の甲子園出場に貢献した。

 万波は6試合で、打率.542、2本塁打、12打点と過去最高の成績を残した。時間はかかり、とにかく苦しんだ。しかしそれを乗り越えたからこそ誰も驚く大爆発を見せた。あとは甲子園でも打てるか。

 甲子園に出てくる好投手に対しても次々と豪打を見せれば…。ネクスト中村 奨成として、甲子園のファンを熱狂させる可能性は十分にある。

【次のページ】 山田 健太(大阪桐蔭) 大阪桐蔭でトップ打率を誇る成績

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河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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