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ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.7「直江大輔、梶田蓮、斎藤大輝」

2018.07.03

  第100回大会の主役となる「ミレニアム世代」。全国各地の逸材をトッププロスペクト方式で紹介。今度は甲子園出場に期待がかかるキーマン3名を紹介。

直江大輔(松商学園)「昨年は親子で甲子園登板を実現。今度はエースとして甲子園に導く」

ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.7「直江大輔、梶田蓮、斎藤大輝」 | 高校野球ドットコム
直江大輔(松商学園)

 親子通じて名門・松商学園のマウンドを踏んできた。父・晃さんも松商学園のエースとして3度の甲子園出場。晃さんから投球を教わってきたという大輔のピッチングやマウンド上の雰囲気を見て、「お父さんにそっくりだな!」と驚いたオールドの高校野球ファンも多いことだろう。

 直江が細身の体型をうまく回転させて投げ込むストレートは、好調時には常時140キロ前半を計測。さらに曲がりの大きいスライダー、カーブを器用に投げ分けて打たせて取るピッチングを見せる。しっかりと体ができて本格化すればどんなボールを投げ込むのか、楽しみにさせられる投手である。

 昨夏は7試合中、6試合に登板し、甲子園出場に貢献。盛岡大附戦で登板し、親子での甲子園登板を果たした。しかし思うようなピッチングができず2回戦で敗退。昨秋は北信越大会に出場したものの選抜を逃し、春の大会では直江の登板は少なく、じっくりと夏へ向けて調整をしてきた。

 それでも侍ジャパンU-18代表の一次候補入り。この夏の活躍にも期待がかかる。2年連続の夏の甲子園出場へ、自分が目指すピッチングを完成させ、今度はエースとして甲子園のマウンドに登る。

[page_break:千葉でも一番キャラが立ったスラッガー・野尻幸輝(木更津総合)]

梶田蓮(三重)「希代のアベレージヒッター 夏連続出場のキーマン」

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梶田蓮(三重)※共同通信

 次々と好投手を攻略し、さらにハイレベルな複数投手を擁し、日大三乙訓星稜を破り、ベスト4進出した三重三重。その先頭を引っ張るのが梶田蓮である。

 梶田は昨秋の県大会・菰野の150キロ右腕・田中法彦から3安打を打つなど、好投手に対しても実力を発揮できる選手だ。

 その打撃技術は特筆すべきものがある。バックスイングを取ってから最短距離で速いヘッドスピードでボールをとらえる。どのコースにきても芯でとらえてしまうバットコントロールの良さ。内角に対しても引っ張るだけではなく、逆方向へ打ち返したりと打撃の幅が広い。打撃の引き出しが広いということはそれだけ投手からすれば、打ち取りにくいということ。まさに厄介な左打者である。

選抜ではその打撃技術をいかんなく発揮。準々決勝の星稜戦で本塁打を打つなど、20打数8安打を記録し、選抜4強入りに貢献。そして侍ジャパンU-18代表の一次候補に選出された。夏の大会へ向けて総合力を高め、二季連続の甲子園出場を導く一打を多く打っていきたい。

[page_break:斎藤大輝(横浜)「今年の横浜ナンバーワンプレイヤー」]

斎藤大輝(横浜)「今年の横浜ナンバーワンプレイヤー」

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斎藤大輝(横浜)

 彼を評価する多くの人々がこう口をそろえる。
「一番名前が上がらないけれど、横浜の中で一番良い選手だよね」
 横浜 斎藤大輝。戸塚リトルシニアから横浜に入学し、1年春の決勝戦では万波中正長南有航とともにスタメン起用されるなど期待は高かった。ただドラフト候補としては万波、長南のほうが注目度が高かった。報道されるのは2人の結果、活躍。斎藤が取り上げられることは少なかった。だが、1年生からセンターラインである二遊間を守れる選手は強かった。

 着実に走攻守を磨き上げ、1年夏、2年夏と二度の甲子園出場を経験。そして2年秋、主将に就任した。だが、秋季大会で鎌倉学園にコールド負けを喫し、屈辱的な経験を味わう。

 しかしその悔しさをバネに春の県大会では優勝。そして関東大会初戦の明秀日立戦では0対1と1点ビハインドの9回表に、反撃ののろしを上げる三塁打を放ち、その後の大逆転につなげた。

 斎藤は走攻守ともに超高校級の技量を持つ二塁手。打撃では無駄のないスイング軌道から豪快に振り抜き、バックスクリーンに打ち込むパワーと技術があれば、内角をきれいに裁き、外角をあっさりと右中間に打ち返すこともできる。二塁守備はまさに流れるような動きでスナップスロー、ジャンピングスローをこなし、走塁では少しでも先の塁を狙う姿勢と走塁技術がある。

 かつて横浜には2006年の選抜優勝に貢献した白井史弥(元JX-ENEOS)というプロにも注目された大型二塁手がいた。その白井に並ぶ二塁手が現れたといっていいだろう。

 集大成を見せたい最後の夏。夏の甲子園3年連続出場は斎藤の活躍にかかっている。

文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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