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ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.1 「柴田颯、今里凌、小幡竜平」

2018.06.09

 6月23日から始まる沖縄大会を皮切りに第100回大会がスタートする。この大会で最後の夏を迎えるミレニアム世代は多大な注目を浴びている。そんなミレニアム世代をトッププロスペクト方式で高校野球ドットコムが特集。第1回は各地区を代表する野手を特集する。

北海道ナンバーワン打者・柴田颯(札幌第一)

ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.1 「柴田颯、今里凌、小幡竜平」 | 高校野球ドットコム
柴田颯(札幌第一)

 今年の北海道を代表する強打者。中学時代から実績は抜群。小樽リトルシニア時代はジャイアンツカップ準優勝。侍ジャパンU-15代表に選出され、2015 U-15 アジアチャレンジマッチに出場。3番打者として、優勝に貢献。札幌第一入学後は2年春に選抜出場。この春、2本塁打を放ち、全道大会で優勝に貢献した。

 そんな柴田のストロングポイントである打撃に迫っていきたい。

 柴田の強打の秘密を探ると、打撃フォームにある。打撃フォームから見ると、スクエアスタンスで構え、バットを立てて構えている。グリップを持つ位置は低く、リラックスして構えることができているため、うまく始動がしやすくなっている。足の上げは小さく、軸のブレは防ぐことができており、目線の位置は安定しており、打ち損じは少ない。

 トップの動きを見ると、捕手側方向へ引いていき、バックスイングは小さい。そこから肩口から振り出すようにして、ボールを捉える。最短距離でボールを捉えることができている。踏み込んだ足もしっかりと踏ん張ることができており、態勢が崩れることなく、外角球をしっかりと叩くことができている。

 安定感が高い打撃フォーム。速球、変化球に対しても的確にボールを捉えることができている。全道大会でも活躍するのもうなづける。

 自身2度目の甲子園出場を目指し、この夏も勝負強い一打で勝利に貢献する。

[page_break千葉県一 打撃フォームが美しい今里凌(専大松戸)]

千葉県一 打撃フォームが美しい今里凌(専大松戸)

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今里凌(専大松戸)

 今里は185センチ82キロと恵まれた体躯を生かしたフルスイングが身上だ。本人は「軽く振る」ことを意識しているという。だが、豪快に体を回転させて、振り抜くフォロースルーする姿は何度見ていても飽きない。さらに本塁打が決まった時のバット投げも注目である。

 今里は自分の打撃を作り上げる上で、西川愛也花咲徳栄-埼玉西武2位)の打撃フォームを参考にした。試合前は、西川の打撃動画などを見てイメージを固めてから試合に臨む。打席に入り、構えに入るまでのルーティンがどこととなく似ている。さらに今里は「フルスイングを意識しすぎると力んでしまい打撃フォームが崩れてしまうので、軽く振るイメージでやっている」と語るように、力みを感じない。インパクトまでスムーズなスイングでボールを捉え、鋭い打球を飛ばしている。

 打撃も素晴らしい選手だが、一塁手としての能力も高く、ショートバウンドのグラブ捌きや、速い打球に対する反応も良い。中学時代は投手だったということもあり、肩も強い。攻守でチームの要となっている。

 昨夏は準々決勝の東海大市原望洋戦で敗退。相手エース・金久保優斗から安打を打つことができず、悔しい想いを味わった。この夏は勝負強さを発揮し、3年ぶりの甲子園を狙う。

[page_break相手遊撃手も羨む守備力 宮崎を代表するショートストップ・小幡竜平(延岡学園)]

相手遊撃手も羨む守備力 宮崎を代表するショートストップ・小幡竜平(延岡学園)

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小幡竜平(延岡学園)

 今年の宮崎県を代表する遊撃手として注目される小幡竜平。中学時代には源田壮亮選手(埼玉西武ライオンズ)を輩出した明野ボーイズに所属し、延岡学園では1年時からベンチ入り。本格的な活躍が始まったのは2年秋から。秋の公式戦9試合で、打率.472、1本塁打、9打点の活躍で、九州大会ベスト4入り。そして3年春の選抜では国学院栃木に敗退。自身も4打数1安打に終わった。4月に行われた九州大会・樟南戦では3安打の活躍。最終打席はエースの松本晴から二塁打を放ち、存在感を示した。

 最大の長所は高い守備力。ボーイズの先輩・源田の守備動画を見て、スピードと正確性を兼ね備えた動作を学び、自分のものにした。三遊間の打球に対してもすぐに追いつき、遠投110メートルの強肩を生かし、ダイレクトスローでアウトにできるスローイング技術。複雑なバウンドに対しても巧みなグラブ捌きでアウトにする姿は、対戦した樟南松下航太遊撃手も「肩も強くて正確だし、スピードが抜群。僕とは比べものにはならないです」と舌を巻くほど。

 また打撃も高い修正力を持ち合わせる。左投手の対応を課題にしていた小幡は、MLBで活躍する大谷翔平のノーステップ打法を取り入れた。その結果、目線が安定し、軸のブレが抑えられ、確実性が増した。左投手の松本の速球にも対応し、二塁打を放った。

 二季連続の甲子園のキーマンとして期待がかかる小幡。今年の宮崎は戸郷翔征聖心ウルスラ)を筆頭に好投手が揃う。「好投手攻略」を実現し、再び聖地に足を踏み入れる。

文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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