第139回 野村大樹、中川卓也、増田陸の大阪福島シニアトリオに注目!高校野球をリードする存在となるか??2017年12月13日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

いずれも攻守の総合力が高い強打者へ成長 来年はどれだけアピールできるか? 



左から中川卓也、野村大樹、増田陸

 来年、ドラフト候補の野手として注目される野村 大樹早稲田実業)、中川 卓也大阪桐蔭)、増田 陸(明秀日立)がいる。この3人、ある共通点がある。それは3人とも同じ大阪福島シニア出身。そしてチームの主将であることだ。彼らは中学3年生の時、ミズノ杯第44回日本選手権 関西大会で優勝、ジャイアンツカップでベスト16入りするなど全国クラスの活躍を見せてきた。来年にかけて注目度が上がりそうなトリオに、ここまでの歩みを振り返る。

 この3人の中で最も早く台頭したのは野村だろう。春季大会後の非公式の試合では、4番打者として起用された野村。1年夏から4番打者として2試合連続本塁打。さらには、秋では4本塁打、18打点、打率.459と高い打撃成績を残し、そのうち1本都大会優勝を決めるサヨナラホームランと圧巻の勝負強さを見せてきた。野村の特徴といえば右方向への本塁打を打てることだが、1年生の時に、500本の素振りを繰り返し、さらにロングティーを試したところ、一気に長打力が出てきた。2年春には選抜を経験したものの、2年夏には決勝で敗退。2年秋は3回戦敗退に終わり、二季連続で甲子園出場を逃した。

 それでも、2018年度の右打者で野村以上の技術力、長打力を持った打者はいない。タイプ的には中村紀洋を彷彿とさせる打者だろう。捕手としてのリードセンスが高く、あとはスローイング技術を高めることができるか?世代をリードする打撃を来春から見せていきたい。

 そして中川は八戸学院光星で活躍した中川 優(大阪体育大学)の弟。デビューしたのは1年秋の近畿大会から。近畿大会初戦から3ランを放つ、鮮烈なデビュー。選抜、選手権では3番ファーストとして出場し、選抜優勝、選手権ベスト16入りに貢献。また国体では高校通算8号本塁打を放ったが、これは打撃フォームを見直したのが一因だ。まず中川はスタンスの幅を狭め、さらにスイング軌道を見直し、打球を捉えることを意識した。三塁手としても堅実な守備を見せるが、根尾 昂がマウンドに登ると、遊撃手へ。遊撃手としての動きも悪くない。比較対象としては2014年の甲子園優勝メンバーの香月 一也(現・千葉ロッテ)となるだろう。2年生までの香月を比較すると、大舞台での経験が優れ、さらに打撃技術も高く、そして守備力もスピード性がある。そのためぜひ高卒プロを目指して取り組んでほしい選手である。

 増田陸は中学時代は堅守の遊撃手として知られた逸材。1年秋から正ショートとして活躍を見せた増田が本格化したのは2年秋からの関東大会だ。関東大会準決勝の慶應義塾戦ではだめ押しの本塁打。さらに、決勝の中央学院戦では、3回裏に逆転2ラン。試合には敗れたが、火を噴くような打球速度、長打力。さらに三遊間の深いところからアウトにする強肩。まだ攻守に粗削りなところがあるとはいえ、魅力たっぷりな遊撃手といえるだろう。注目は、打席で左足を高々と上げてから構えるルーティン。これは増田自身、股関節が硬いと自覚し、行っているという。来春の選抜では出場が確実な明秀学園日立。増田のルーティンは話題を呼ぶだろう。

 こうしてみると、同じシニアの選手から、3名、超高校級の野手に成長しているのは改めて凄さを感じる。この3人だけではなく、東海大甲府の5番レフト・濱将乃介がいる。多くの選手が強豪校に進んでおり、来年になれば活躍する声が聞かれるようになるだろう。その先頭を走る野村・増田・中川の3人には、次のステージでは、より高い舞台でプレーできるよう、大舞台で活躍を見せていきたい。

(文・河嶋 宗一

注目記事
どこよりも早いドラフト2018!ミレニアム世代ドラフトガイドブック(東日本編)

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
早稲田実業vs聖パウロ学園【東京都 2018年秋の大会 東京都大会 一次予選】
第778回 2019年はリベンジへ。アジア大会で出た課題を検証 「ルールへの対応」【大会展望・総括コラム】
第19回 俳優・吉村卓也が夏の甲子園を総括!そしてU18侍ジャパンの見どころは?!【俳優・吉村卓也連載コラム!スターを見つけ出せ!】
第758回 冷静な自己分析能力とメンタルコントロール 藤原恭大(大阪桐蔭)の真価が見られるのはこれからだ! 【2018年インタビュー】
第12回 2018夏・四国地区「ピックアップゲーム」3選【四国発】
第770回 いよいよ3日アジア大会開幕!野手、投手の仕上がり状況を分析!【大会展望・総括コラム】
第758回 好投手、好捕手、好遊撃手で沸いた平成最後の甲子園!【大会展望・総括コラム】
大阪桐蔭vs金足農【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
第746回 早実の3年間は社会で生きる力を身に付けてくれた 及川龍之介さん(早稲田実業出身)【後編】 【2018年インタビュー】
第745回 記録員として斎藤佑樹とともに甲子園優勝 及川龍之介さん(早稲田実業出身)が語る"過酷な下級生時代"【前編】 【2018年インタビュー】
大阪桐蔭vs済美【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
大阪桐蔭vs浦和学院【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
第733回 選抜連覇のPL学園を破るために取り組んだ練習の日々 MIZUNO 斎藤真一部長 (大阪・春日丘出身)VOL.1 【2018年インタビュー】
大阪桐蔭vs高岡商【第100回全国高等学校野球選手権記念大会】
第736回 関東最速右腕・勝又温史「試行錯誤が生んだ150キロ。夏は3年間の集大成を」【後編】 【2018年インタビュー】
中川 卓也(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
野村 大樹(早稲田実業) 【選手名鑑】
増田 陸(上尾) 【選手名鑑】
増田 陸(明秀学園日立) 【選手名鑑】
大阪桐蔭 【高校別データ】
明秀学園日立 【高校別データ】
早稲田実業 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム