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【小関順二のドラフト指名予想】中日ドラゴンズ編 「超高校級選手の獲得が必須」

2017.10.07

中日ドラゴンズ 今季戦績

 142試合 59勝 78敗 勝率.431 セ・リーグ5位(10月6日現在)

投手陣は次世代の備えが そして清宮への期待値

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小笠原慎之介(中日)

■中日 投手陣来季へ期待

 球団ワースト記録を更新する5年連続Bクラスに沈んだ中日。得失点差-127はヤクルトの-176、ロッテの-169に次いで12球団中10位。投手力も攻撃力も課題が山積している状態はヤクルトに酷似している。それでも投手陣に関しては小笠原 慎之介(来季21歳)、鈴木 翔太(同23歳)が揃って5勝を挙げ、次代の備えができている。

 その反面、エース格の大野 雄大が7勝8敗と低迷し、若松 駿太が15年以降、10勝→7勝→1勝とじり貧傾向にある。リリーフ兼務の又吉 克樹が唯一人安定した成績を残しているが、先発で行くのかリリーフで行くのかベンチが決めかねている様子がうかがえる。先発優先が基本的な考えなので来季は又吉をローテーションの中心で起用してほしい。

■清宮の1軍起用への勇気

 投手全体で見ると、63死球が目につく。この分野は外国人の独壇場で中日もバルデスの7が最多だが、大野、新人の笠原 祥太郎、ジョーダン、三ツ間 卓也が6で続き、鈴木 翔太も5と多い。私は死球をマイナス要素と見ない。打者に向かっていくバロメータだと思うので、これはいい変化である。

 攻撃陣はどうだろう。10月2日の清宮家との面談に臨んだ中田 宗男スカウト部長は「どうしても必要な選手。清宮君に対する思い、必要な選手であるということを伝えました」と熱い思いを口にしたが、よく言われるのが11年に3球団との競合の末に獲得した高橋 周平(東海大甲府高卒)を育て切れていない育成能力の乏しさ。「育成」と「抜擢」はイコールだと私は思うので、中日首脳陣に足りないのは勇気だと断言できる。清宮くらい知名度のある選手は起用しないとマスコミもファンも大騒ぎするので、ファームで生き腐りする心配はない。ナゴヤドームに連日観客を動員する起爆剤になり得る選手なので、是非獲得に向かってほしい。

[page_break:清宮・中村をはじめとする「超高校級」野手の獲得がポイント]

清宮・中村をはじめとする「超高校級」野手の獲得がポイント

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中村 奨成(広陵)

 ただ、最も必要な選手は誰なのか冷静に変えると超高校級キャッチャー、中村 奨成広陵)しか思い浮かばない。中日のBクラス低迷の原因に主力キャッチャーの不在が挙げられているが、私はそれが低迷する最大要因だと思う。超高校級キャッチャーの先輩、城島 健司(元ダイエーなど)の一軍定着がプロ3年目なので、中村もそのくらいには戦力になっているはず。23年ぶりに出現した大物キャッチャーに向うか、破格の人気を備える清宮に向かうのか難しい選択である。

 中日は他のポジションも弱い。10月2日現在、100試合以上出場している野手は新人王候補、京田 陽太の135試合を筆頭に、ゲレーロの130試合、大島 洋平の119試合以外いない。そしてゲレーロの来季の去就が定かでなく、マスコミ情報によれば球団残留の可能性が低いようである。つまり、捕手、一塁、二塁、三塁、左翼、右翼が手薄。この不在感を1回のドラフトで埋めることはできない。

 これまで社会人主体の指名で結果が出ていないので、今年は高校生に偏った指名をしたらどうだろう。野手は高校卒で下位指名でもプロで活躍する、という流れは今、パ・リーグ各球団によって形作られている。今年なら比嘉 賢伸(盛岡大付・遊撃手)、増田 珠(横浜高・外野手)、西川 愛也花咲徳栄・外野手)がそれに当てはまる。

 在籍選手では高校卒新人の石垣 雅海がファームで遊撃手として30試合出場し、10月には一軍に昇格している。6年目になる高橋 周平は一軍の三塁手として33試合、他ポジションも含め39試合に出場し、打率.238(安打29安打)、本塁打2を記録している。「超高校級」の看板を引っ提げて清宮ないしは中村が入団すれば激烈な化学反応が起こる可能性がある。それを是非見てみたい。

(文・小関 順二

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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