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ドラフト1位指名の4投手の甲子園成績から考える その投手の長所とは?

2016.10.26

ドラフト1位指名の4投手の甲子園成績から考える その投手の長所とは? | 高校野球ドットコム
左から藤平 尚真(横浜)、今井 達也(作新学院)、寺島 成輝(履正社)、堀 瑞輝(広島新庄)

成績から見える選手の長所とは?

今回、ドラフト1位指名選手を受けた高校生は 今井達也藤平尚真寺島成輝堀瑞輝の4名だ。彼らの甲子園の成績を調べると長所や不安要素が見えてきた。4名の成績を記載しながら考えていきたい。

今井達也 ※関連記事
投球回41 被安打29 奪三振44 四球13 死球4 自責点5 防御率1.10。

今井の成績を見ると、奪三振が非常に多い。今井の1試合あたりの奪三振率を見ると、9.65と三振が奪える投手であることが分かる。気になるのは四死球が多いこと。計17個というのは、1試合あたり3.73個となり、1試合で約4つという計算となる。しかしもともと四球がかなり多く、それによりこれまで登板機会が少なかった投手でもあるので、よくここまで改善できたという見方もできる。

 それでも甲子園期間中、大きく乱れることなく、防御率1.10で終えたのは高く評価できる。四死球率だけ見ると、今井は制球力が課題だとみていい。プロの環境で、四球をあまり出さない投手に成長することができるか注目をしていきたい。

藤平尚真 ※関連記事
投球回13 被安打10 奪三振20 四球5 死球0 自責点1 防御率0.69

藤平の長所は三振が奪えること。奪三振率13.84は、4人の中で一番の数字。140キロ後半のストレート、スライダー、フォーク、シンカーと1つ1つの精度が高いので、三振が奪える。ただビハインドになると四球が多くなる傾向にあり、13イニングで5四球はやや多い。それでも好調時は、ストレート、変化球のコントロールも安定しているので、いかに調子の波を少なくすることができるかが課題だろう。

寺島成輝 ※関連記事
投球回25.2 被安打10 奪三振22 四球7  死球1 自責点4 防御率1.05

寺島は大会中、ストレートの走りがいまいちだったこともあり、奪三振率7.92とあまり高くない。それでも防御率1.05にまとめたのはさすが。好不調関係なく最低限のピッチングができるのが寺島の強みだろう。プロではこれまで同様、勝てる投手となって、東京ヤクルトのエースになることを期待したい。

堀瑞輝 ※関連記事
投球回30 被安打16 奪三振19 四球3 死球1 自責点4  防御率1.20

堀の最大の長所はコントロール。登板を重ねるごとによくなった投手で、関東一戦の後の2試合は無四球だった。四死球率1.20は4投手の中では一番。コントロールの良い左腕は評価される傾向にあるが、改めて数字面で制球力の高さを印象付けた。その後、堀はU-18大会では優勝に貢献し、国体でも150キロ近い速球で奪三振を積み重ねた。外れ1位ではあるが、4投手の中で最も内容のあるピッチングを見せたのは堀ではないだろうか。

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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