【どこよりも早い!ドラフト2017】 2017年はスラッガーの年だ!清宮 幸太郎、安田 尚憲など大暴れを期待したい逸材たち
2017年は野手豊作年だ。名前を挙げるだけでも、高校通算74本塁打の清宮幸太郎(早稲田実業<関連記事>)、すでに高校通算40本以上の安田尚憲(履正社<関連記事>)、増田珠(横浜)と長打力のある打者が多い。そんな有望野手をピックアップしていきたい。
2017年を引っ張る野手3名はこの人だ!
清宮 幸太郎(早稲田実業)
今のところ3人の野手がリードしている。まず高校通算74本塁打の清宮幸太郎。長打力、ボールを捉える技術、選球眼、対応力とどれも群を抜いている。今の時点でもドラフト上位指名を受けてもおかしくない男だが、2017年は清宮がプロ志望するかしないかが一つの焦点となる。いずれにしろ夏の大会まで主役として注目されるのは間違いないだろう。そして夏の大会を終えて、プロ志望を表明すれば、来年のドラフトは今年以上に盛り上がるかもしれない。今後の動向に注目だ。
そして安田尚憲。1年秋に肉体改造に取り組み、2年春から本塁打を量産。夏には大阪屈指のスラッガーにまで成長した。最近では国体の決勝でダメ押しとなる本塁打を放ち、さらに大阪府大会準決勝の大阪桐蔭戦でも本塁打を放っており、勝負強い一面を見せている。高校通算本塁打数は40本以上を超えており、さらに量産が期待される。
安田の魅力はなんといっても芯でとらえた時の飛距離と打球速度。ジャストミートしたときの飛距離は清宮を凌ぐものがあり、強肩を生かした三塁守備にも注目だ。本人に打撃の課題について聞いた際、「打ち損じが多いのが課題です。自分でも何が課題なのかは分かります。頭でイメージしている動きができればと思っています」と語っていたが、あとはどれだけ自分のイメージ通りの打撃を常にできるか。イメージ通りの打撃が実現した時、真のスラッガーとなるだろう。
3人目は増田珠。走攻守の総合力の高さはナンバーワン。俊足で、打球が抜ければ三塁まで一気に駆け抜ける走塁技術を持っている。140キロ近い速球を投げ込む強肩を生かした外野守備、そして打撃では対応力の高さ、長打力を兼ね備え、この世代でもトップクラス。なんといっても気持ちの強さが全面に出たプレースタイルが良い。主力選手である増田が強気なプレーを見せることで、横浜の選手たちも乗せられて、気持ちがこもったプレーを連発する。今年の横浜は投手力に課題を抱えたチームだが、打線でカバーして、秋季神奈川県大会準優勝。関東大会出場を決めている。
実力そして勝負強さを兼ね備えたこの3人が、2017年の高校野球界を引っ張っていくのは間違いない。
関東では多くの逸材が集結
正木 智也(慶応義塾)
まず北から見ていくが、楽しみな野手が大勢いる。滑らかなスイング軌道で鋭い打球を飛ばす高階 成雲 (札幌第一)は神宮大会での爆発が楽しみなスラッガー。そして盛岡大附で「ラインバッティング」を学び、長打力を開花させた植田 拓。東北大会で2試合連続本塁打を放っており、来年以降、さらに本塁打量産を期待したい。
準決勝で敗れたが、聖光学院の小泉 徹平、瀬川 航騎のコンビにも注目。小泉はこの夏の甲子園のクラーク記念国際戦で逆転となる適時打を放ったように、勝負強さが光る打撃を見せる。さらに正確な打撃フォーム、スピード感溢れる内野守備、軽快な走塁技術はこの世代でもトップクラス。また瀬川も、広角に打ち分ける打撃と速球投手に振り負けない打撃が持ち味だ。また1年夏からセンス抜群の動きを見せてきた西巻 賢二(仙台育英)はここにきて打力もアップしている。東北大会優勝を決め、明治神宮大会でも成長した姿が見られそうだ。
関東を見ていくと、常磐大高のワラス 開智は身体能力抜群の大型外野手。台湾人の留学生・楊 笑虎(鹿島学園)も楽しみな大型右打ち内野手だ。1年秋、活躍を見せた宮里 豊汰(常総学院)はもう少し迫力ある打撃を見せていきたいところ。作新学院の鈴木 萌斗は強肩強打の大型外野手。打撃面でさらに迫力が出ると面白いだろう。
埼玉県では、甲子園で快打を連発し、秋季埼玉県大会でも勝負強い打撃を見せた西川 愛也(花咲徳栄)。走攻守すべてでワンランクレベルアップを求めたい。千葉県では1年春から出場してきた峯村貴希(木更津総合<関連記事>)がどれだけ打撃面で復調させることができるか。
また強打の習志野を引っ張る吉野 海都は強打強肩が光る大型外野手。そして神奈川では、夏、秋で本塁打を連発した正木 智也(慶応義塾)は強肩であり、ガッツあるプレーにも注目だ。1年秋から実績十分の大型捕手・亀田 啓太(東海大甲府)のパフォーマンスにも注目だ。
東海地区では、185センチ90キロのスラッガー・中田 悠人(藤枝明誠)、北信越では寺西 建(星稜)に注目。191センチの恵まれた体格を生かし、豪快な本塁打を見せる。まだ通算本塁打数は少なく、春以降に本塁打を量産できる選手になれるか。
強打者が多い近畿地区、九州地区に注目
村上 宗隆(九州学院)
近畿地区は履正社の安田をはじめスラッガーが多い。まず安田と共にクリーンナップを打つ若林 将平も長打力抜群の大型右打ちスラッガー。守備力も一定以上のレベルにあり、チームの勝利に貢献する一打を打ち続けることで、スカウトの評価を上げていきたい。
また二年連続の選抜優勝を目指し、近畿大会に臨む智辯学園では2人のスラッガーに注目。奈良県大会決勝戦で高校通算34本塁打を放った福元悠真、そして甲子園の出雲戦(試合レポート)で豪快な本塁打を放った太田英毅は華やかなプレーを見せる強打の右打ち野手だ。この2人は近畿大会で勝負強い一打を見せることができるか。
また1年秋から騒がれてきたのが岡田 悠希(龍谷大平安)。長打力、スラッガーとしての素質は十分だが、取り組み面に甘さがあり、名将・原田 英彦監督に野球に対する姿勢を厳しく叩きこまれているところだ。守備面など打撃以外のところが伸びれば野球選手として一歩成長したということになるだろう。
中国地区では1年から活躍してきた大型捕手・中村 奨成(広島広陵)、四国地区では甲子園で大活躍を見せた大型外野手・西浦 颯大(明徳義塾)がリードしているが、中国・四国からどれだけのドラフト候補が出てくるか。
九州地区では187センチの大型捕手・村上 宗隆(九州学院)は長打力抜群。さらに1.9秒台の強肩、統率力が光る捕手で、数少ない捕手のドラフト候補なので、人気になりそうだ。熊本県では三季連続の甲子園出場を目指す秀岳館、古豪・熊本工とライバルが多い中、どれだけ一打を打つことができるか。さらには九州屈指の大型スラッガー・渡邊 大海 (西日本短大附)、また打撃技術の高さが下級生の時から光っていた木本凌雅と本塁打を打てる大型三塁手・廣部就平の秀岳館コンビに注目だ。
さらには沖縄を代表するスラッガーであり、最速145キロ右腕の平良 海馬(八重山商工)の飛躍に期待したい。吉田 正尚(オリックス)を彷彿とさせるような豪快なスイングで長打を量産し、春季大会では投打でパワフルな姿を見せて、ドラフト候補に名乗り挙げたい。
(文・河嶋 宗一)
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