肉体改造増量プログラム/コア(体幹)トレーニング編
第51回 肉体改造増量プログラム/コア(体幹)トレーニング編2011年12月16日
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※詳しい動画での解説はPCからご覧いただけます。
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トップアスリートから注目されている、コア(体幹)トレーニングについて解説!
こんにちは。(有)ベースボールトレーナーズの殖栗正登です。肉体改造増量プログラム、今回はコア(体幹)トレーニングについて解説していきます。今、さまざまなスポーツでコアトレーニングが注目されているので、コアという言葉を聞いたことのある球児も多いかと思います。ところで、このコアがどこのことを指すのかわかりますか?
※一部動画はHD画質にてアップしております。動画下部[CC]の右隣の数値から1080pをお選びください。
コア(体幹)の定義
それではコアが体のどこかと言うと、
1:脊柱(椎間板と椎間関節)
2:胸部
3:骨盤
の関節のことを言います。
野球におけるコア(体幹)の役割
野球においてコアを考えてみますと、
・胸椎が脊椎の(頚椎除く)70%の回旋可動域【コアの可動性とパワー発揮】
・重心移動の際、筋のトルクパワーと床作力を使うが、この時コアが固定されて下肢のパワーが発揮されない【3D面】
の主に2つだと思います。
胸椎は回旋を30~35度で70%の可動、腰椎は5~15度、側屈はともに20度ほど。屈曲は胸椎が30~40度、伸展が20~25度、全体で50~65度、腰椎は屈曲が40~50度、伸展が15~20度、全体で55~70度となり、腰椎は構造上から回旋運動はできにくく、関節が大きく一番下にあり荷重が大きいため、中間位での固定がメインとなります。
軟部組織でとらえれば、
上:横隔膜
下:骨盤底筋群
後:脊柱起立筋群+胸腰筋膜
前:腹筋群(腹直筋など)
横:内・外腹斜筋
さらに、細かく分類すると、
A:パワーを生み出す(トルク)グローバルモビライザー筋
B:安定、固定に関与するローカルスタビライザー筋
になります。
コア(体幹)の構造
特に大切なのは、
■腹横筋
ローカルスタビライザー筋で、コアの安定性に最も関与し、胸腰筋膜と結びつき、コルセットの役目をして骨盤をしめる働きをしています。
■胸腰筋膜
この組織には30種の筋がついており、特に大腰筋、広背筋、腹横筋、内腹斜筋を同時に収縮させるとまさに下、前、横とコアを全体からしめつけられます。
■脊柱起立筋群
最長筋(外側)、腸助筋(中側)、棘筋(最内側)はグローバルモビライザー筋として脊柱の伸展させる働きがあります。
■多裂筋などの横突棘間筋群
ローカルスタビライザーで、固有受容器が発達しており、関節の安定性を高めています。
■外腹斜筋と内腹斜筋
抗伸展、抗回旋に働き、また筋膜が菱形筋、前鋸筋につながっており、上肢の固定にも関与します。
コア(体幹)トレーニングのポイント
このように多くの筋、組織がコアにかかわり、これらの【1:可動性】、【2:固定性】を高めつつ、【3:筋出力を高め】、【4:連動性を高めていく】トレーニングを総括してコアトレーニングといいます。
今回はトレーニングの実践としてコア(体幹)トレーニングを紹介しました。次回も実践的なトレーニング方法を解説していきます!残りのオフシーズンも頑張りましょう!