肉体改造増量プログラム/栄養編
第46回 肉体改造増量プログラム/栄養編2011年11月18日
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まもなくオフシーズン到来!体重増量のために必要な知識とトレーニング方法を動画で解説!!
こんにちは。(有)ベースボールトレーナーズの殖栗です。今回から体の増量方法について解説していきます。増量ということは、基本的な考え方は「消費カロリーより摂取カロリーの方が多い」ことが大原則です。そしてポイントは
1:栄養
2:休養
3:トレーニング
4:サプリメント
です。今回は最も基本で一番大切な1:栄養について解説します。
※一部動画はHD画質にてアップしております。動画下部[CC]の右隣の数値から1080pをお選びください。
炭水化物の摂り方
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■消化の良いものを食べる
具体的な栄養素の解説に入る前に基本的なことの確認として、体重が増えにくい人はまず、胃腸が弱い人が多いです。なるべく消化の良いものを食べましょう。消化の良いものはインスリンを出しやすく、筋肉の合成を促します。
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■炭水化物について
筋肉をつけるというと、プロテインやアミノ酸のサプリメントの話にすぐなりますが、一番大切なのはまずは「炭水化物」です。炭水化物は単に炭素と水を含む化合物のことで、要するに糖分です。ブドウ糖といって甘みがあります。なぜ、食のメインが炭水化物というと、胃腸に対する刺激も少なく、一時的に大量摂取もできて、余計な老廃物も出しにくいからです。
■炭水化物の特徴
炭水化物は元々植物の中で作られ、太陽エネルギーから二酸化炭素と水からブドウ糖を作ります。炭水化物の中で一番小さいのが単糖類です。1ブドウ糖、2果糖、3ガラクトースがあります。三糖類として、
1ショ糖(スクロース)、ブドウ糖 1分子+果糖1分子
2乳頭(ラクトース) ガラクトース+ブドウ糖
3麦芽糖(マルトース)
多糖類は単糖類が多く合わさってできるもので、デンプンなどがあります。
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■炭水化物を取る理由
炭水化物は筋を収縮させる時のエネルギーATPを生み出す時に使います。いくら増量しようと思ってトレーニングをしようとしても、体内に炭水化物がなければトレーニング自体が出来きません。(炭水化物はだ液のアミラーゼで分解→十二指腸のすい液でマルトース、グルコースに分解→小腸で単糖に分解し吸収→肝臓でグルコースに変換され、グリコーゲンとして全て蓄えられる)
なおかつ、新糖生が起きて、筋が分解されアミノ酸が取り出されるため、トレーニングをすることで逆に筋が細くなるというマイナス効果がでてしまいます。
★ポイント
・筋肉や肝臓に蓄えて、スタミナをあげるため
・新糖生を防ぎ、筋の分解を防ぐため
・トレーニング後すばやく炭水化物をとることで、インスリンを多く出して、細胞に栄養を与え、筋肉をつけるため
■炭水化物の摂取のタイミング
Q.どれくらい必要?
体重×6グラムが目安で、カーボローディング時には2、3日を×3グラムに、試合前は×9グラムにしていきます。
Q.トレーニング前は?
90分前にパスタ、そば、ライ麦パン、オートミールなどをとりましょう。時間がなければバナナ2本でもOKです。
Q.トレーニング中は?
水分は体重の20分の1をとるようにしましょう。運動30分前に250ml~500ml、運動中は1000mlが目安です。1000mlの内訳は、500mlの水に500mlの100%フルーツジュース+塩1グラム+BCAA5グラムがおすすめです。
Q.トレーニング後は?
トレーニング後はインスリンの感受性が高まり栄養素を吸収しやすいのと、筋収縮でGLNT4と呼ばれるたんぱく質が細胞の表面上にあらわれて炭水化物を取り込みやすくなります。ここでは体重×1グラムの糖とプロテイン30グラムを摂取しましょう。
Q.夕食は?
夕食の後に大切な睡眠があるので、トレーニング後の夕食でグリセミック指数が高いものをとると消化が早く、睡眠中に新糖生が起こってしまう可能性があります。なので、そば、オートミール、胚芽米、パスタ、玄米をメインに、たんぱく質、野菜などの食物繊維を入れることで消化をゆっくりさせ、食をコントロールしてきましょう。
■食物繊維について
「水溶性」食物繊維は果物や野菜のペクチン、こんにゃくや山芋のグルコマンナンなど、消化器中でゲル状になり消化をゆっくりして、インスリンをゆっくりと出すので、ダイエットにも効果があります。一方、「不溶性」食物繊維は、水には溶けずに、水を吸って何倍にもふくれるため、満腹感を出します腸を刺激して便秘にも良いです。野菜、豆、雑穀に含まれるセルロースが代表的で、他にはココアのリグニンにも含まれます。
たんぱく質の摂り方
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■たんぱく質とは?
炭水化物は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)でCHOでできています。たんぱく質はこれに窒素(N)が加わりCHONです。硫黄(S)がつけばCNONSです。炭水化物はCHOでできているので、分解されると二酸化炭素(CO2)と水(H2O)ができますが、たんぱく質は窒素や硫黄の老廃物がでてきます。ちなみに窒素はアンモニアに変わります。
■たんぱく質の摂取量:体重1キログラムあたり2グラム
筋力トレーニング=プロテイン=たんぱく質というイメージの方が多いと思いますが、筋は収縮タンパクのミオシンとアクチンできており、酸素を運ぶヘモグロビン、腱、筋膜、靭帯のコラーゲン、関節や骨など、運動をイメージさせる身体の要素はたんぱく質です。もう一つとしてたんぱく質は、新糖生を起こさせないため、バリン、ロイシン、イソロイシンなどエネルギー元として使われます。なのでトレーニングをハードにするほど、たんぱく質は大切です。摂取量としては、厚生省の示す栄養所要量では体重1キログラムに対し1.5グラム倍としていますが、多くのトレーニングに関する文献では1キログラムあたり2.2~2.5グラムとあり、2グラムほどが目安かと思います。
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■たんぱく質の摂取のタイミング
Q.朝食は?
寝ている間は栄養摂取ができず、新糖生できないので、朝起きてBCAAをまず5グラム、次に半熟卵です。消化にかかる時間を考えると、半熟卵で1時間半、ゆで卵で2時間半、生卵で2時間45分ほどなので、消化のよい半熟卵が良いでしょう。卵には1個あたり5-7グラムのたんぱく質が含まれるので、3つ食べれば約20グラムとれます。例えば朝食では、ご飯、納豆、卵3つ又は魚、野菜、海藻類、果物(バナナ1本)で、食後にマルチビタミンでOKでしょう。
Q.昼食は?
昼食には肉類でもOKです。肉は脂肪も多いため、昼食ならトレーニング前まで消化時間があるので問題ありません。特にたんぱく質の多いものをとりましょう。食後にはマルチビタミンです。
Q.トレーニング前後は?
ここでプロテインです。
Q.夕食は?
トレーニング後の夕食ではN-3系脂肪酸の多い青魚(イワシ、サバ、サンマなど)をとりましょう。これらは炎症を抑える効果もあり、筋肉痛を軽減くします。
Q.寝る前は?
ここでもプロテインを取るようにしましょう。プロテインについては次のページで詳しく解説します。
プロテインについて
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プロテインは多く出ていますが、アミノスコアが100であることと、消化吸収の早いことからホエイプロテインがベストです。ホエイはBCAA、グルタミンも多く含んでいます。時々、お腹を下す人もいますがこれば製法に問題があるので、WPIという製法を選んで下さい。
脂肪の摂り方
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脂肪と聞くだけで悪いもの扱いされがちですが、そんなことはありません。脂肪は、脂肪酸3分子にグリセロール1分子がついた中性で、これを脂肪と呼びます。また、脂肪は炭素の4鎖がすべてついていないものがあるのを不飽和脂肪酸と呼び、これを液状の脂肪と呼びます。例えばサラダオイルなどです。
■脂肪の役割
・細胞膜を作る
・男性ホルモンの材料
・エネルギー源になる
・微調整ホルモンエイコサイドの材料
などの役割をもっているので、1日の食事の20~25%は脂肪が必要です。
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■脂肪の摂取法とタイミング
・運動前3時間(朝食は卵から、昼食は飽和の多い肉類を)
・運動後は胃の消化を早めたいので、炭水化物+プロテインにして、90分後に脂質のある食事、青魚のEPAで炎症を抑える。
栄養摂取ポイントのまとめ
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お疲れ様でした!次回からも引き続き体重増加のための方法について解説していきます。