愛知県の高校野球は中京大中京愛工大名電東邦享栄の「私学4強」だけでなく実力のある公立校も多い。その一つに挙げられるのが偏差値70を超える公立校・刈谷だ。愛知県屈指の進学校としても有名で、野球部も2018年夏、東愛知大会ベスト4、2019年、2021年は4回戦進出と着々と実力をつけている。

 野球部は勉強と野球の両立を実践しており、毎年、地元・名古屋大をはじめとする国公立大志望の部員も多いという。「7番・二塁手」を務め、この夏に引退した樋口耕平内野手も、ここまで「文武両道」に全力で取り組んできた。

 自主性を尊重しているため、全体練習のあとは自主練をしてもOK、帰ってもOKというルールで日々の練習を行っている。自主練は強制参加とせず、多くの部員が自分が補いたい部分の練習を行い、疲労度を踏まえ、その時間は休養に当てるなど、リスク管理も自己判断で行う。さらに勉強のために全体練習が終わると塾へ行く、という選択も自由だ。

 やらされる練習ではなく、自分で決めたことを行うことで、常に「短い時間で集中して取り組むことを意識しています」と制約が多い公立校の「量」のハンディを「質」で乗り越えようとしている。

 「文武両道」。口に出すのは簡単だが実践するのは難しい。樋口も「朝も昼も夜も練習だったので、一般生徒より勉強する時間が少なかった。夏までは野球に徹していました」と苦笑い。朝は5時過ぎに起床し、8時40分のホームルームまで朝練。昼休みも練習に充て、授業後は自主練含め20時までは野球の時間だった。同じ境遇にある高校球児も少なくないだろう。しかしそんな中でも「授業はしっかり聞いて、基本だけは押さえようと思っていました」と最低限のことはしっかり行っていた。

 その中で最も心がけていたことは「分からないことはその日中に解決することだ」と樋口は語った。その日の授業ででた単語や、小テストで解けなかった問題などは「その日のうちに」スマートフォンを使ってネットで調べたり、授業動画の無料配信ツールのスタディサプリなどを使い、一度見た問題は必ず取りこぼさないよう、管理を行っている。

 引退後は平日は放課後、4、5時間、休日は10時間以上。受験に向けてラストスパートをかけている。勉強漬けの日々も「野球が終わってからも濃い一日を過ごしています」と前向きな表情で語った。将来は「野球はできる限り続けたい。スポーツ用品開発の仕事に就けたら」と野球愛の熱は冷めていない。夢実現に向け、日進月歩の日々を送っている。

(記事:編集部)

■樋口耕平(刈谷
163センチ・57キロ。右投げ左打ち。今夏は「7番・セカンド」のレギュラーとして活躍。憧れの選手は常葉菊川OBの町田 友潤選手。得意科目は数学。


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