偏差値70以上に進学校・市川（千葉）に聞いた文武両道のイロハ
全国の中でも有数の激戦区で、高校野球ファンからは『戦国千葉』とも呼ばれるほどの熾烈な戦いが毎年繰り広げられる千葉県。このなかでも文武両道を貫きながら上位進出へ研鑽を重ねているのが市川だ。
昨秋は地区予選を勝ち抜いて県大会まで出場。1回戦の千葉敬愛に敗れたものの、2019年の夏の大会ではベスト8まで勝ち上がった実績がある。そして勉強に目を向ければ偏差値は70以上という高いハードルがあり入学するだけでも一苦労だが、2020年は東大に現役で11名、早稲田大には107名輩出するなど、3年間の授業も大変だ。
そんな市川で勉強と野球を両立させながら日々を過ごしている2年生・熊本圭悟、1年生・高田莉玖の2人に普段の授業について話を聞かせてもらった。
授業中に集中できるように考えられたスケジュール
高田莉玖（左）と熊本圭悟（右）
早速ですが、偏差値の高い市川で部活動と両立させるために毎日どういった過ごし方をされるのでしょうか。
熊本圭悟選手（以下、熊本） 部活動は365日あるわけではなく、週1日でオフもありますし、うちは朝練がないです。だから僕の場合は朝5時45分くらいには起床して、7時くらいには学校に行きます。そこからホームルームまでの1時間くらいを自習に充てています。
高田莉玖選手（以下、高田） 僕も朝は5時30分から6時くらいまでには起床して、学校に7時30分くらいには到着して、ホームルームまで自習をしています。
おふたりとも朝早くから勉強をする形なんですね！でもどうして朝から勉強するスタイルを採用しているんでしょうか。
熊本 僕の場合は夜の間にきちんと寝ておかないと、日中の授業など勉強する時間に眠気を感じてしまって効率が落ちると思うんです。だから夜は大体23時くらいを目安に早く寝て睡眠時間を確保する代わりに、朝から勉強をやるようにしています。
高田 僕も睡眠時間はしっかりと取りたいと思っているので、どんなに遅くても23時30分くらいには寝るようにしています。夜集中するよりも、朝と学校の授業中に大事なことを覚えるくらいの気持ちで話を聞いたり、勉強をするようにしています。
それでも疲れていると眠くなってしまうこととかはないんでしょうか。
熊本 眠くならないように早めに寝ているので、僕はそこまでならないです！
高田 たまに眠くなってしまうことがありますが、その時は10分休憩の時に少しだけ寝て、次の授業からもう1回集中できるようにしています！
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高田莉玖の授業ノート
やっぱり疲れていると眠くなりますよね。ただおふたりとも授業中の過ごし方を大事にされているようですが、どんなことに注意しながら過ごされていますか。
熊本 周りの友達と比べると部活は忙しいので、勉強時間が減っているのが現状です。だから授業を聞きながら、「少しでも吸収するぞ」と思いながら話を聞くようにしています。
あとはノートを書く時は自習しても、その単元がわかるように自分の言葉でまとめるなど、考えながら書くことを大事にしています。またノートは授業用と自習用の2つを使い分けています。自習用は問題集を解くとどんどん変わるので、授業用と一緒にすると見返したい内容をすぐに確認できないので。
高田 黒板の内容をしっかり書くことはもちろんなんですが、先生の話もしっかり聞いて、口頭で説明したこともノートにメモをするようにしています。先生からすれば些細な説明かもしれないですが、僕にとっては今までなかった考えなので、大事だと思って書いています。
ただノートを書く時は出来るだけ早くきれいに。あとから見返してもしっかりわかるようにメモ書きもしっかりとわかりやすく書くようにしています。
熊本圭悟選手のスケジュール
ノート1つにしてもそれぞれ工夫をされているんですね。では試験前の過ごし方も聞かせてもらいたいのですが、どのようなスケジュールになりますか。
熊本 試験前でも同じで、5時45分に起床して、学校には7時までに行きます。それから1時間ほど自習をして授業を受けます。放課後は学校で勉強する時は18時まで過ごして、家に帰っても30分から1時間くらいやって23時には就寝です。
部活動があれば20時には帰宅できるので、食事等を22時に済ましても30分から1時間くらい時間があるので勉強をして寝ます。
高田 僕も朝は同じで、7時30分までに学校に行って自習。そこから授業を聞いたら放課後は17時まで学校で自習。それで18時には帰宅すると食事などを21時までに終わらせて、勉強を再開。23時30分までには寝ます。
部活があるとどうしても疲れがあるので、大丈夫なら21時くらいから1時間30分。難しければ30分だけでもやるようにしています。
高田莉玖選手のスケジュール
出来るだけ学校で勉強をするようにしているんですね。ただ現在は自宅学習の日も増えたりして、1人で長時間勉強することもあったと思いますが、どのように過ごされていますか。
熊本 自宅近くには友達がいたので、変らず朝から勉強はするんですが、午前中に少し練習とかをして、午後からもう1回スイッチを入れて勉強をします。ただどうしても集中が続かないことがあるので、その時は無理に続けないで素振りをしたりしてリフレッシュしてもう1回机に戻ります。
高田 僕も同じなんですが、ずっと勉強をするのは続かないので、公園で1時間くらい素振りをして気分転換をしてから、勉強をもう1回やります。なので、集中力が持続していないなら、素振りに行くようにしています。
気分転換もかねて練習する。まさに一石二鳥ですね！では最後になるのですが、現時点で勉強に不安はありますか。
熊本 特に数学は授業のペースが速いので、1年生の時に習った内容を忘れていないか不安です。だから復習をしっかりやって次に進みたいとは思っています。
高田 1年生が終わりますが、科目数が多かった分、勉強量も多くなりました。ただこれからはどんどん授業の内容が難しくなるので、その時についていけるか不安はあります。
わかりました！今回はありがとうございました！
今回お話を聞かせてもらった熊本、高田の両選手ともに自宅での勉強時間は、驚くほど多いというわけではない。ただ日中の授業中の過ごし方など、いかに学校で効率よく勉強をできるのか。そこに焦点を当てて睡眠時間も逆算して毎日を送っていた。
特別な取り組みや難しいことではなく、シンプルかつ単純だが、高い意識をもって毎日の学校生活を過ごすことが文武両道への第一歩なのではないだろうか。
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