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二刀流・阪上筆頭に豊富な投手陣築く神戸国際大附のキーマンは?

2021.03.19

昨秋の兵庫王者として近畿大会出場。初戦で近江との投手戦を制すも、準々決勝・京都国際戦では序盤のビハインドを追いつけずベスト8。選抜のボーダーラインにいたが、何とか切符を掴み、4年ぶり5度目の選抜出場を決めた神戸国際大附。数多くのプロ野球選手を輩出する近畿屈指の強豪の戦力を今回は見ていきたい。

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阪上 翔也(神戸国際大附)

【投手陣の中心】
阪上 翔也(打田タイガース)
加門 虎太朗(神戸市立友が丘中)
中辻 優斗(忠岡ボーイズ)
岡田 悠作(兵庫伊丹ボーイズ)

大黒柱を担ったのは世代屈指の二刀流として、プロからも注目が集められる阪上だ。投げては最速145キロを計測する速球を軸に、切れ味抜群のスライダーなど多様な変化球を使いこなす本格派右腕だ。

新チーム結成時前までは投手はメインでなかったが、「お前が投げられないと厳しい」と指揮官・青木 尚龍監督からの一言で、投手を中心にしながら新チームから奮闘。公式戦では41回3分の1を投げて防御率0.87と抜群の安定感。さらに投球回を上回る奪三振57という高い奪三振能力も発揮しており、投手としての高いポテンシャルをいかんなく発揮した。

秋季大会終盤は肘の違和感で登板を回避し、秋季大会終了後も登板せずにいたが、8日の仏教大、10日の関西国際大との練習試合では登板。球数制限をしながらではあるが、力強いボールを投げ込み、関西国際大相手に3回途中無失点と仕上がりの良さをアピールした。

その阪上の次を担いそうなのが下級生・中辻。秋は練習試合を含めると最多の登板イニングとなっており、首脳陣から高い期待がかけられている。実際に打者に向かっていくメンタルが評価されており、その強みを選抜でも発揮できるのか。

さらに、変化球を巧みに使う左腕・加門に、もう1人の二刀流・岡田や武本。そして140キロを計測する楠本 晴紀も練習試合では好投しており、複数投手を上手く起用して全国舞台でも結果を残せるか。


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西川 侑志(神戸国際大附)

【打撃陣の中心】
1番 左 能登原 健生(福知山市立日新中)
4番 捕 西川 侑志(神戸市立舞子中)
5番 一 武本 琉聖(東加古川レッドアローズ)
6番 遊 栗原 琉晟(神戸中央シニア)
7番 中 夜久 彪真(氷上ボーイズ)

エースの阪上は同校OB・坂口 智隆を凌ぐポテンシャルがあると指導者の中からは評価する声も出てくるほど。練習試合まで含めると打率.382だったが、打点35と高い数字を残している。ここまで高校通算20本塁打をマークしており、バッターとしても選抜での活躍が楽しみだ。

その阪上以上に打点を稼いだのが主将・西川。打点52は堂々のチームトップでチームの4番として活躍を発揮していることになる。大きく身体を捻って軸足にぐっとタメを作ったフォームから快音を響かせてきたが、選抜の舞台でも同様のバッティングできるのか。

また秋の大会では警戒された武本も阪上、西川とともに打線の中心を担う。旧チームから試合を経験しており、練習試合を含めると29打点とチャンスで結果を残している。リストを利かせたシャープなスイングから鋭い打球を飛ばす。3月の練習試合ではピッチャーとしての登板もあり、阪上同様に二刀流での活躍も期待される強打者だ。

この3人に加えて、秋季大会では打率3割後半と好調だった栗原、夜久、能登原の3選手の活躍がセンバツでもポイントになるのではないだろうか。

【走塁の中心】
2番 右 関 悠人(三田ヤング)
8番 三 坂本 陽飛(打田タイガース)

公式戦10試合で15盗塁とチーム全体としては決して多いわけではないが、関と坂本はそれぞれ3つ盗塁を成功。特に関は50メートル6.2秒と俊足を持ち合わせており、外野の一角として攻守にわたって重要なポイントを担う形になる。

【春浮上のために】
昨年末の取材の段階で「とにかく誰か出てこい」と青木監督は語っていた。チーム内競争を促しつつ、全体の底上げと危機感を募らせたが、それをクリアして、投打で阪上の負担を軽減させることが浮上のポイントとなってくるのではないだろうか。

3月からの練習試合では解禁してまもなく大学生との3連戦を戦うなかで、エース・阪上も球数制限を設けながら先発マウンドに上がり、2番手以降の投手陣も好投を見せた。さらに野手陣では板垣 翔馬らが台頭してきたが、台頭してきた選手がどれだけ公式戦の場で普段の通りのパフォーマンスを発揮できるのか。

「一目で強い、隙のないチームを作りたい」と西川主将は以前語っていたが、それを実現することが出来たのか。その証明は開幕戦・北海戦で確認したい。

(文=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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