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本当に史上最強なのか?優勝候補・大阪桐蔭の戦力を徹底分析!

2021.02.23

本当に史上最強なのか?優勝候補・大阪桐蔭の戦力を徹底分析! | 高校野球ドットコム
池田陵真、関戸康介、松浦慶斗、宮下隼輔

【今年の大阪桐蔭の注目選手のギャラリーはこちら】

 2年連続12回目出場の大阪桐蔭。このチームほど史上最強というキャッチフレーズが使われるチームはないだろう。理由としては、ボーイズ、シニア、侍ジャパンの各代表選手が一挙入学。さらに投手では140キロ超え、打てば本塁打連発、中学生離れしたアスリート型プレイヤーと、他校が羨む選手層である。とりわけ今年のチームは史上最強という言葉をよく聞かれる。実態はどうなのか?紹介をしていきたい。

【投手陣】
松浦慶斗(旭川大雪ボーイズ)
関戸康介(長崎・佐世保市立広田中※軟式・明徳義塾中)
竹中勇登(倉敷ビガーズ)
川井泰志(桐生ボーイズ)
西川音羽(三原中央シニア)

 投手はやはり松浦慶斗が軸となる。185センチの長身から繰り出すストレートの最速は150キロ。昨秋ではやや調子を落としていたが、2年夏時に見せていた爆発力あるストレートがよりレベルアップすれば、一気に目玉投手になる可能性がある。

 明徳義塾中時代から有名だった関戸康介は150キロを超える速球を武器にする世代屈指の速球派右腕。縦回転の投球フォームから繰り出す直球は簡単に前に飛ばせない魅力がある。縦横のスライダーもキレもよいのだが、2年秋は故障などもあり、7イニングにとどまった。

 ただ、大阪桐蔭は松浦、関戸が本調子ではなくても試合を作れる投手が多いのが強み。U-15代表経験者の竹中勇登は10.2回を投げ、10奪三振。好調時で140キロ前後なのだが、何よりスライダーのキレがよく、頼もしい働きを見せている。

 桐生ボーイズから評判だった川井泰志は長身から繰り出す直球は角度があるが、秋の時点ではリリースポイントが崩れ、コントロールを乱す場面があった。そして西川音羽(三原中央シニア)も安定感抜群の好投手で、秋の時点で130キロ中盤ながらコントロールよくまとめる。春には140キロ台も見込めるだろう。

【攻撃陣の中心】
3番 三 宮下隼輔(東海中央ボーイズ)
4番 中 池田陵真(忠岡ボーイズ)
5番 一 前田健伸(山口東シニア)
6番 右 花田旭(西淀ボーイズ)

 この4人の破壊力はトップクラスだろう。宮下は4本塁打12打点、打率.417と高打率を残す。2016年の吉澤一翔を思い出させる選手で、攻守ともにキレの良い動きを魅せる。そしてU-15代表のキャプテンだった4番池田陵真は3本塁打19打点、打率.515と高打率を残し、さらにセンターの守備でも強肩が光る。

 前田は山口東シニアで通算30本塁打を記録していたスラッガーで、昨秋は2本塁打9打点と10四死球と出塁率も高いのもポイントが高い。U-15代表経験者の花田は京都国際戦で逆転満塁本塁打を放つなど、土壇場で魅せる勝負強さは必見。

【機動力野球の中心】
1番 二 繁永晟(飯塚ボーイズ)
2番 左 野間翔一郎(山口東シニア)
7番 遊 藤原夏暉(大阪和泉ボーイズ)

 今年の大阪桐蔭が一味違うのは機動力にも力を入れていること。山口東シニアから走攻守の総合力の高さを評価されていた野間は2番レフトとしてチャンスメイク。11試合で12盗塁と出塁すれば、盗塁を期待できる。安定感のある内野守備と巧打を魅せる繁永は、4割以上の打率を残しており、この1、2番が活性化すると、より得点力が増す。7番藤原も7盗塁を記録。バットコントロールも良く、安定したパフォーマンスを魅せる。7番に入る打者ではない。

[page_break:春に浮上が期待される選手/史上最強世代となるには]
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海老根優大

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【春に浮上するのは?】
 大阪桐蔭の伝統として、大会終了後から12月に入るまで近隣の学校と練習試合を組み、これまで出場がなかった選手を中心にゲームを組む。長い歴史で多くの選手たちが浮上してきた。

 控え選手だった海老根優大(京葉ボーイズ出身)はU-15代表で4番を務めたように驚異的な長打力、身体能力を持ったスラッガータイプで、正捕手として期待された坂玲真(湖南ボーイズ出身)、近畿大会では記録員だった樋上颯汰(湖南ボーイズ出身)も中学時代、140キロ前後の速球を投げ込み、U-15代表に選ばれた投手だ。
 激しいベンチ入り競争で、さらにレベルアップする可能性がある。

【史上最強になるには?】
 オフェンス、投手力、走塁面の数字を見ても、出場校の中では抜群の数字を残しており、トップクラスのチームであることは間違いない。選手のポテンシャルの高さを歴代のチームと比較しても負けていないし、それを上回るものがある。

 ただ、内容を細かく見ていくと、投手は全体に本調子ではなく、守備でも細かな連携プレー、バックアップなど大阪桐蔭らしさが欠けたプレーがあった。

 選手のポテンシャルを見れば、歴代のチームに負けていないといえるが、まだまだ荒削りなところが多い。その分、伸びしろがあり、この冬は選手の技量を伸ばしつつ、組織的なプレーを突き詰めていけば、前評判通り、史上最強チームになるのではないだろうか。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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