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練習自粛続く 不安募る都立小平(東京)の現在

2021.03.02

練習自粛続く 不安募る都立小平(東京)の現在 | 高校野球ドットコム

練習自粛続く 不安募る都立小平(東京)の現在 | 高校野球ドットコム

都立小平のスタメン・ベンチ入り情報

 東京都小平市に学校を構えてまもなく創立60周年を迎えようとしている都立小平。普通科に加えて外国語コースがあるだけではなく、平成27年度から都内でも10校しか選ばれていない東京グローバル10というものに指定されており、外国語授業やグローバル人材の育成に積極的な学校としても知られている。

 そんな都立小平の野球部は現在2学年合わせて20名で活動中。昨秋、都大会まで勝ち進み1回戦で早大学院の前に敗れたが、夏の独自大会ではベスト16まで勝ち上がるという実績を残している。そのベスト16を超える、ベスト8進出を目標に春以降は巻き返しをかけた戦いとなるが、なかでも活躍が期待されるのが2人いる。

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 1人が4番として打線を牽引する大江映である。早大学院との一戦ではヒットこそ出せなかったが、「新チームスタートから勝負強いバッティングでチームに勢いを与えてくれた」とチームメイトからの信頼の厚いスラッガーである。

 指揮官の佐々木監督も「インパクトには強さがあるので、ジャストミートした時の打球はかなり速いですね」と主砲・大江を評価。フォロースルーがしっかりとした大きなスイングが特徴的ではあるが、一方で「ミート力が課題ですね」と佐々木監督は指摘する。

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 まだまだ確率を上げていく必要があるが、「ミート力が上がってくれば面白いですね」と一冬超えての成長に期待を寄せている。

 一方で守備の中心にいるのは、1年生左腕・酒井尊である。まだ1年生の酒井だが、都立小平投手陣の中で唯一のサウスポーであり、「腕の位置が違うので、角度が他の投手と変わるので、目先を変えられる」という佐々木監督の考えから、多くの先発機会を与えられた。

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 左のスリークォーターの酒井は、打たせて取るピッチングが光る。球速やコントロールはスバ抜けたものがあるわけではないが、「ストライクゾーン内で暴れるので、的を絞らせない」というピッチングで相手打者を翻弄する。

 余計な四死球を出さず、なおかつマウンド上で魅せる冷静な佇まいなど、「試合を重ねるごとに成長を感じられました」と選手間からも酒井の成長を感じ取っていた。一冬超えてさらに成長した酒井が、春以降も投手陣を牽引してくれることが期待される。



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■全体練習ができない現状

 大江、酒井に続いて、川崎汐音有間智治らの活躍も春以降に期待が寄せられるが、新型コロナウイルスの影響で、1月から再び練習が出来ない期間に入っている。「昨年の春先3ヶ月で体力を付けることが出来なかったので、しっかりやりたかったですが、こればかりは何ともです」と佐々木監督はコメントする。

 本来であれば、1、2月は追い込みをしつつも実戦をこなして春季大会への準備を進める予定だったが、全体での練習が出来ない現状では「できる範囲で練習をやるように」としか伝えられないという。

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 「モチベーションも不安ですし、どこまでやっているのかわからないです。栄養講習は開いたりしましたが、練習そのものはリモートでは伝えにくい部分もあるので、選手たちに任せています」(佐々木監督)

 選手たちには質問があれば連絡するように指示をしているそうで、実際に選手からアドバイスを求められることもあるそうだ。各自が自宅で出来る範囲で練習をしていることに「頼もしく感じますし、早く全体練習が出来るようになることを願っています」と佐々木監督は心からの願いを語った。

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 選手からも「限られた時間の中で、自分たちで考えて行動してきた1日は思い出深いですが、早く日常が戻ってきて欲しいです」という声が聞こえてきた。秋の都大会まで勝ち上がったことで、都立小平は4月からの春季都大会から公式戦を迎えることになる。

 公式戦までは1ヵ月弱の厳しいスケジュールだが、目標のベスト8進出へ、各自のレベルアップは続いていく。

(文=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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