SNS運営、数字で可視化。部員6人でも上達する府立校・門真西の革新的な取り組み
門真西のスタメン・ベンチ入り情報
2021年で創立45年を迎えようとしている門真西。「勤勉努力」の校訓のもとで生徒たちは日々の学校生活を送る。体育会、文化系合わせると20の部活動があり、進学決定率は9割を超えている。野球部は現在、部員6人と少人数ながら選手それぞれがレベルアップに励みつつも、TwitterやFacebook、インスタグラムなどのSNSも上手く活用するなど、様々な方法で情報発信をしている。
左から山森、林、中村選手
そんな門真西で一際輝くのは主将の山森春陽だ。厳しい練習に対しても決して手を抜くことなく、主将としてチームを牽引する努力家として背中で引っ張ってきたその山森とともにチームを引っ張るのが林大翔と中村風友の2人。林は4番・捕手と攻守の要。春以降も同様の活躍が期待される存在で、中村は1番打者として門真西の切り込み隊長を担う。昨秋は高校初本塁打を記録しており、長打力も兼ね備えるリードオフマンとして今後が楽しみな存在だ。
門真西の練習模様
■名物は全力発声タイヤ押し
門真西のグラウンドに耳を傾けると、活気に満ちている様子がすぐに思い浮かぶ。その中心にいるのは野球部だ。今年のチームの特徴はとにかく明るいことだ。全力疾走、全力発声を大事にチームは活動しているが、その象徴となるのが、冬場の名物練習でもある全力発声タイヤ押しだ。
門真西の練習模様
30メートルひたすら声を出しながらタイヤを押す。動きは単純だが、押すだけでも大変なタイヤを声を出しながらやるのだから、かなり厳しい練習だ。それを6本も取り組めば、下半身だけではなく、スタミナも自然と身につく。
左から渡邊、稲葉、仲村
■アメリカンノックも多種多様
そんな全力発声タイヤ押しと並んで、門真西の冬場の定番なのがアメリカンだ。内野だけで3球連続捕球する『内野アメリカン』があれば、内外野の前後を活かした『前後アメリカン』。そしてグラウンド一面にランダムにフライが飛ぶ『ランダムアメリカン』と多種多様だ。
どれも江籠監督によって際どいところばかり飛ぶため、「なかなか終わらずキツイ」と選手たちにとっては厳しい練習になっている。
門真西のグラウンド
■自信を胸に府大会ベスト16へ
これだけの練習をすれば自身は自然とついてくる。ただ「本当に自信のない子たちばかりなんです」と江籠監督はコメント。新チームスタート時に対戦して負けた相手に、11月に再戦した時はコールド勝ちをするなど確実に成長をしているものの、どこか自信ないように見えることがあるとのこと。
そんな選手たちのために、江籠監督はスピードガンの購入を決意。数字で可視化することで、成長を選手たちは実感することで、日に日に自信を深めることができているとのことだ。
松山北の集合写真
チームの目標は府大会ベスト16進出。昨秋はわずか2校のみが府立でベスト16まで勝ち残っていたが、その目標を実現するために、門真西は満を持して春を迎えられるか。入学してくる1年生を集め、新戦力の力を借りながら激戦区・大阪の戦いに挑む。
(文=田中 裕毅)
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