第12回 【12球団ドラフト指名予想】オリックスには何が足りない?小関氏がチーム事情を分析2020年10月26日

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 今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。

 この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。

 今回は現在パ・リーグ最下位に苦しむオリックスのドラフト指名予想を行う。

オリックス
〈順位〉6位
〈勝-敗-分〉41勝61敗7分
〈勝率〉.402
〈打率〉.249
〈防御率〉4.00

成績は10月25日時点

豊富な先発陣もなぜ最下位なのか?



佐藤 輝明(近畿大)、来田 涼斗(明石商)

ー今回は最下位に苦しむオリックスなのですが、順位の割にはいい選手が揃っているように思えるのですが、どうでしょうか?

小関:全く同じ意見です。オリックスを見ると今のパ・リーグは強いなと思いますね。山本 由伸都城出身)、山岡 泰輔瀬戸内出身)、田嶋 大樹佐野日大出身)、ディクソンなどこんなに先発投手を持っていてなぜ圧倒的にビリなのでしょうか。若干中継ぎが弱いのかなと思うぐらいで、アルバースは安定感がありますし。やっぱり野手かなと思いますね。

 吉田 正尚敦賀気比出身)が首位打者争いでトップにずっと立っていますけど。モヤがまあまあで、ジョーンズは期待したほど当たっていないのでその辺が順位になって現れているんじゃないでしょうかね。

―そうなると1位は野手の方がいいのでしょうか?

小関:野手がいいでしょうね。サードが弱いので近畿大の佐藤 輝明(仁川学院出身)がぴったり当てはまりますよね。

―去年も外れましたけど1位は石川 昂弥東邦出身)でしたよね。

小関:ずっとここは獲りに行っているのでっすが、くじ運が悪くて獲れないんですが。

―しかし1位で獲った野手がそんなにダメということではないですよね。

小関:そうですね。今故障していますが太田 椋天理出身)も出てきましたよね。例えば太田をセカンドで使ってショートで紅林 弘太郎駿河総合出身)を使うなんていう時代がいつくるかわからないですが、そうなるとなかなか面白いですよね。

―そのほかに面白い野手はいますか?

小関:そうですね。例えば明石商来田 涼斗が上位にきてもおかしくないですよね。この選手は本塁打も打てる選手ですしね。勝負強くて。中森 俊介と一緒に甲子園ベスト4に導いたバッターなので殊勲賞ですから。意外なところで本塁打を打ったり、足も速いし。ちょっと守備が盤石じゃないという意見もありますが、悪くはないですよね。

 ただ、オリックスには佐野 皓大大分高出身)とか西村 凌青森山田出身)とか同じタイプが多いんですよ。宗 佑磨横浜隼人出身)がサードを守ったりしていますけど。だからそんなに必要ないのかなとも思うのですが何か魅力を感じますよね。

 だから難しいですね。近畿大の佐藤もいますし。1位は投手ではないと思います。

―最近オリックスは育成選手の指名も多くなりましたよね。

小関:そうですね。張 奕福岡第一出身)とか神戸 文也(前橋育英出身)とか榊原 翼浦和学院出身)なんかが出てきましたよね。これはやはり舞洲に練習施設を作っていますから選手を育てる環境ができましたよね。これは12球団の流れでもあって、阪神も一生懸命ついていこうと思って2軍球場を作りますよね。2025年開設らしいですよね。これからはこれからはこれが一番重要じゃないんでしょうか。

―野手は大下 誠一郎白鷗大足利出身)が出てきましたよね。

小関:大下は長打力はあるのですが、上背がないので。オリックスは上背がない選手が多いでしょう。体で野球をやるわけではないですが、相手を圧倒させる部分もあると思うんですよね。

―魅力があるチームですが生かしきれていないという感じでしょうか?

小関:元々、社会人と小技が好きなチームで大城 滉二興南出身)、安達 了一(榛名出身)などいい選手はいっぱいいますが、そういう選手だけでチームを構成しようとしがちなので福本 豊(大鉄出身)、加藤 英司(PL学園出身)、山田 久志(能代出身)などの社会人で黄金時代を作っちゃったから、どうぢてもあそこに引き戻されてしまうんではないでしょうか。

―オリックスの黄金時代も高卒、大卒、社会人がうまく絡まっていましたもんね。

小関:イチロー(愛工大名電出身)を輩出して、松永 浩美(小倉工出身)も輩出したし、星野 伸之(旭川工出身)もですよね。高卒だってちゃんと育っているのだからそこも大事にしてほしいですよね。

 オリックス編は以上。現在最下位だが、長期的な視野を持った戦略で魅力があるチームとして、いい戦いを見せてくれることを期待したい。


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プロフィール

小関 順二
小関 順二
  • 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
  • ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
  • ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
  • ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。 
  • 小関順二公式ブログ

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