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2020.10.24

 今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。

 この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。

 今回は現在4位の東北楽天のドラフト指名予想を行う。

東北楽天
〈順位〉4位
〈勝-敗-分〉50勝51敗6分
〈勝率〉.495
〈打率〉.257
〈防御率〉4.21


成績は10月23日時点

生え抜きで球団の顔になる選手を!

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中森俊介(明石商)、山下舜平大(福岡大大濠)

ー楽天といえば石井一久氏がGMに就任してから今までにない戦略をとるチームになってきているのですが小関さんから見て近年の東北楽天はどんな印象を持ちますか?

小関:次の年だけを見ている。弱点補強だけですね。ドラフトっていいうのはそもそも、「ここが弱いからこの選手を当てよう」というものではありません。もっと先のことを見据えるのが本筋だと思うのですよね。弱いところを補強するのはファームから、あるいはトレードとかそいう手段もあります。

 去年も鈴木 大地(桐蔭学園出身)を獲ったのですが、鈴木は一塁、二塁、三塁ですよね。ここには銀次(盛岡中央出身)とか茂木 栄五郎(桐蔭学園出身)とか小深田 大翔(神戸国際大附出身)とかとポジションがかぶるんですよね。果たして鈴木 大地は必要だったのかなと首を傾げるような戦略が多いですね。じゃあ小深田じゃなくてよかったんじゃないのとも思いますし。

 弱点だとすればまだわかりますが、いなくはないので。ポジションがかぶったら力のある奴が出でこいよというのは昔の巨人なんかでありましたけど、今の楽天にそんな余裕があるのかなと思います。

ーそんな中で今年はどんな戦略を行った方がいいですか?

小関:ここは本当に生え抜きの高校生が育たないチームなんですよ。銀次、田中 将大(駒大苫小牧出身)ぐらいで後はちょっと思い浮かばないんですよ。あと、松井 裕樹(桐光学園出身)もそうですか。大体、大学とか社会人からいた選手ばかりですよね。あっという間に彼らは年取るんですよ。ちょっとでも元気ならば全然問題ないんだけれども、長期戦略、中期戦略を考えようとすると、いろんな欠落した部分が出てくるはずなんですよね。その度に自転車操業でドラフトで1位、2位枠を使って即戦力を取るとかFAを使うということになっていくんですよね。

 だから頂点に立てないのです。シーズン前半はいいですよね。でも年齢的に若さがないですからどっかで必ず息切れしてしまいます。ロッテの安田みたいに我慢して使おうということもないですし、藤原みたいに出てくる選手もいない。基本的に何かが足りない。戦略が足りないところですよね。

ーそういう中でどういう選手を1位にすればいいんでしょうか?

小関:難しいですね。野手も投手もここが弱いというところはないんですよ。投手だって岸 孝之(名取北出身)と則本 昂大(八幡商出身)と涌井 秀章(横浜出身)がいるわけでしょう?全然悪くはないけど彼らは若くはない。30代いってるわけだから。なので投手かなと思いますね。投手でも早稲田大の早川 隆久というよりかは、福岡大大濠の山下 舜平大とか明石商の中森 俊介とかに行ってもいいと思います。

ー育成枠の指名も増えてきているので、底上げができればいいんでしょうけどね。

小関:捕手もいないですし。いないって言っても嶋 基宏(中京大中京出身)を出しちゃってね。何かちぐはぐなんですよね。

ー今年も有望な選手は多いのでそういう選手を指名して、数年後には楽しみな選手が出てきたなというチームになることを期待して締めたいと思います。

 楽天編は以上。今年のドラフトでは適材適所な指名ができるか注目だ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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