【12球団ドラフト指名予想】佐々木朗、藤原、安田など近年ドラフト戦略に成功している千葉ロッテは2年後には黄金期に入る!?
今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。
この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。
今回は1位ソフトバンクと優勝争いを繰り広げる千葉ロッテのドラフト指名予想を行う。
〈順位〉2位
〈勝-敗-分〉55勝48敗2分
〈勝率〉.534
〈打率〉.237
〈防御率〉3.89
*成績は10月23日試合前時点
2年後には黄金期到来!?
早川 隆久(早稲田大)
ーここまでに戦いぶりを見ていると、近年のドラフト戦略がうまくいっている印象はありますか?
小関:12球団で一番うまくいっていると思います。中村 奨吾(天理出身、2014年1位)あたりからちゃんと戦略も立てて、投手ばかり指名していた頃とはガラッと変わって野手をまず持ってくるという感じがあります。今江 敏晃(PL学園、2001年3位)、西岡 剛(大阪桐蔭、2002年1位)を獲ったあたりと近い線があるけど、もっと徹底している感じですよね。2年後に黄金時代が来ると思っていいます。球団もそのつもりでいるでしょう。
(1位指名を公表している)早稲田大の早川 隆久(木更津総合出身)が取れなかった場合は、今年の6月にトミー・ジョン手術を行った東海大の山崎 伊織(明石商出身)が来年は無理でも2年後に出てくる可能性があるじゃないですか。同じように種市 篤暉(八戸工大一出身)も2年後ですよね。そして佐々木 朗希(大船渡出身)もそのくらいに出てくると。
2年後には安田 尚憲(履正社出身)、藤原 恭大(大阪桐蔭出身)も本格化して和田 康士朗(小川出身)もいると。ものすごいなと思います。ロッテのことを考えるとワクワクしますよ。3、4年前とはまるっきり状況が違いますよね。
ー特に藤原選手の成長には感動されたと。
小関:そうですね。スタメン初出場した試合(10月7日vsオリックス)では、1打席目は見逃しの三振、2打席目は変な体勢で打ってピッチャーゴロだったのですが3打席目では好球必打でライト前にものすごいヒットを打ちましたよね。1日で成長を目の当たりにしてこんな風に選手はものになっていくのだなと感動しました。
ー石川 歩(滑川出身)がFAの可能性がある中で、やはり山崎投手のようなスケールの大きい選手の指名を優先した方がいいという感じでしょうか?
小関:難しいところですね。早川は将来性もあるので来年だけみたいな感じじゃなんですよね。5年後もエースになれる人材で、千葉出身ですし、ここはやはり行ってほしいです。ただ取れない可能性もあるので、その場合は2年後、3年後を見据えた指名をしてほしいです。
ー早川投手は横芝中出身で木更津総合に進んだということでまさに地元のスターですよね。そんな選手が入ってくれればロッテはいい球団になりますよね。
小関:今でも人気は高いですよね。まあロッテが2年後には1番上にいる気がしますね。だってすごいメンバーですよ。まず井上 晴哉(崇徳出身)がいるでしょう、中村もまだ成熟しているわけではないし、安田が本格化して、ショートには藤岡 裕大(岡山理大附出身)もいるけど茶谷 健太(帝京三出身)もよくなっているし。藤原、和田がいて、マーティンはソフトバンクにいくかもわからないけど、角中 勝也(日本航空二出身)、荻野 貴司(奈良郡山出身)、清田 育宏(市立柏出身)もいる。外国人に頼らなくてもチームが構成できる。
むしろ投手に外国人を入れた方がいいんじゃないかなとは思います。チェン・ウェインは入れましたけど。もう少し頼りになる先発メンバーがいてもいいんじゃないかと思います。
ー10年前と比べるとほんとにワクワクするようなチーム構成になってきたのでこのドラフトを機にさらにステップアップできるような指名ができることを期待しています。
千葉ロッテ編は以上。今年も1位指名を表明している早川を獲得することができるのか。そして直近に迫る黄金時代の到来を期待したい。