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第3回 【12球団ドラフト指名予想】独自路線を貫くDeNAの上位指名には高卒選手が必須?2020年10月19日
【目次】
[1]とにかく息の長い高卒選手を!
[2]お膝元・東海大相模や横浜からも6人が提出
今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。
この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。
今回は現在4位の横浜DeNAのドラフト指名予想を行う。
横浜DeNA
〈順位〉4位
〈勝-敗-分〉49勝49敗5分
〈勝率〉.500
〈打率〉.268
〈防御率〉3.79成績は10月18日時点
とにかく息の長い高卒選手を!

山下舜平大(福岡大大濠)
―DeNAの今年の戦力と戦いぶりはいかがですか?
小関:DeNAはドラフトは常に翌年のことしか考えていなくて、将来展望というのはほとんど感じられません。これは楽天にもこの傾向があるのですが。そういうチームは巨人のような2、3年後のチームを見据えて選手を整えてきているチームにはかなわないですよね。私は狙いが間違っていると思います。常に翌年のことばかりを考えているように思えます。
特に、左腕ばかり揃えて「どうだ!」というところなど。チームのためではなく、マスコミやファンに向けて「私たちは他とは違うことをやっていますよ」という変な自己主張を感じてしまいます。もう少しチームの未来展望を確立して、それに沿って指名してほしいですね。
―故障者が多いことも懸念ですね。
小関:基本的に上位指名は大学生が多いチームですけど、大学生は高校生より4年時間が短いですよね。寿命の長い選手もいますが。その点で大学生は高校生より未来戦略を描きにくいですよね。大学生を獲ったのなら、次の年は高校生、投手を獲ったのなら次の年は野手という具合でうまく混ぜ込んでいかないといけないですよね。
―そんな中でドラフト1位はどんな選手が良いでしょう?
小関:去年は高校生野手の森 敬斗(桐蔭学園出身)を獲りましたけど、早稲田大の左腕・早川 隆久(木更津総合出身)ではなく、今年は高校生投手をとるべきだと思います。福岡大大濠の山下 舜平大や中京大中京の高橋 宏斗、あるいは明石商の中森 俊介など、プロの世界で作り上げていく時間が長い高校生投手を指名してほしいです。
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- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
