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第1回 【12球団ドラフト指名予想】巨人1位は佐藤輝明(近畿大)より「ポスト菅野智之」に見合う投手を指名するべき!2020年10月16日
10月26日に迫ったドラフト会議。
今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。
この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の方針を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。
まずはセ・リーグを独走する巨人だ。
1位 巨人
〈勝-敗-分〉61勝33敗5分
〈勝率〉.649
〈打率〉.260
〈防御率〉3.31
※10月16日(金)試合前時点
なぜ近大・佐藤ではなく、投手1位なのか?

早川隆久(木更津総合出身)
― 戦力充実している印象を受けますが、小関さんはいかがでしょうか?
小関:野手は間違いなくリーグNo.1でしょう。特に岡本 和真(智辯学園出身)、坂本 勇人(光星学院出身)は100パーセントじゃないにしても安定した力を持っているし、丸佳浩(千葉経大附出身)もいいし、楽天からきたウィーラー、そして、キャッチャーに大城卓三(東海大相模出身)を固定できたことが大きいのではないでしょうか。
― そんな中で、今年のドラフトでおすすめの選手はいますか?
小関:世間では近畿大の佐藤輝明(仁川学院出身)と言われていますが、野手はそこまで緊急に必要だとは思いません。外野がいないということでしょうけど。レギュラーは丸しか固定できていなくて、後は松原 聖弥(仙台育英出身)、重信慎之介(早稲田実業出身)。亀井善行(上宮太子出身)が年齢的に上で、陽岱鋼(福岡第一出身)も厳しいということで。
でも投手陣と野手陣を比べたら投手陣の方が危機的だと思います。現在、菅野 智之(東海大相模出身)が大エースとしていますが、100勝を挙げており、他球団ならば、「メジャーへどうぞ」という数字なんですよね。実際に菅野もメジャーに行きたいと直訴しており、原監督も引き留める様子もないので、近々アメリカに行くということを前提で物を考えると、ピッチャーがいないんですよ。
現在の巨人にはポスト菅野が誰もいないんですよ。今のローテーションは、戸郷 翔征(聖心ウルスラ出身)、田口 麗斗(広島新庄出身)、あと畠世周(近大福山出身)ですかね。
この人たちがポスト菅野になるなんてちっとも思えないんですよね。なのでここはピッチャーじゃないかと思うんです。巨人が1番欲しいのはピッチャー。佐藤はそんなに緊急にいらないんですよ。球団事情に1番あっているのはピッチャーだと思うんですよね。
ではピッチャーだと誰かという話になると、やっぱり早稲田の早川 隆久(木更津総合出身)とか、高校生の山下 舜平大(福岡大大濠)とかスケールの大きい、5年後にはチームの主軸になるようなピッチャーという判断で臨むべきだと思います。
佐藤を表明してから、佐藤以外に選手を指名するのは厳しいんでしょうけど、やっぱり球団の未来ですからね。佐藤以外でピッチャーだと思います。
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- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
