第1回 球児の親必見!文武両道を実現するための家庭でのコミュニケーション術2020年09月18日

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 高校に入学し、野球部に入部してから、毎日練習で疲れて帰ってきて、勉強どころではない球児も多いはず。しかし、今この瞬間だけ良ければいいのでなく、将来のことをもっと考えて、生きていける力をつけるために、もう少し「勉強」と向き合ってほしい!そう考えている親御さんも多いのではないでしょうか。
 今回は、そんな親御さんに向けて、小中高の球児に向けたオンライン学習サービス「Baseball Study」を運営する須合啓さん(株式会社Educe Japan代表)にお話をうかがいました。

母親と交わした勉強でのたった1つの約束


須合啓さん: 僕は秋田県内の公立校出身ですが、小学3年生から野球部に入り、野球だけやっていたような学生時代でした。成績は学年で下から2番目が定位置。テスト前に一生懸命暗記して、物事の原理原則なんて考えずに、ただ頭に詰め込むだけの勉強法でした。
だけど、母親から高校野球をやる前に1つだけ約束したことがありました。
「1教科だけでもいいから自慢できる教科を作りなさい。他の教科は頑張らなくていいから」と言われたんです。僕はその約束通り、成績は学年で下から2番目でしたが、日本史だけは常に県内で100番以内に入るほど、頑張って勉強しました。


須合啓さん

――須合さんは、大学を卒業後、埼玉県の高校教諭となり、野球部の監督も経験。
現在は秋田県で学習塾を立ち上げ、今年から、小中高の球児たち専用のオンライン学習として、東京六大学の野球部員たちが球児の学習をサポートする「Baseball Study」のサービスも開始するなど、今もなお、球児たちのそばに寄り添い学習支援をし続けている。
 そんな須合さんは、球児が文武両道を実現するためには、『親子の対話』が欠かせないと語る。

親が家庭で出来る子どもとの対話法


須合啓さん:どの親御さんも文武両道を目指されていますが、高校球児の親御さんが家でできることは、「最高の環境を整えること」だと考えています。
親御さん自身も、中学生や高校生の頃に、思春期の時期はあって、当時は親から話しかけてもらいたくない時期もあったと思います。その時、親からどうしてもらったらよかったのかな?と親御さん自身が振り返ってみることも大事だと思っています。その上で、自分と、子どもは違うので、まずはお子さんと対話をして話しを聞いてみること。

「あなたが練習から帰ってきてすぐにお母さんが声を掛けるのは正直どう?」とか、単刀直入にお子さんと対話することでより良い関係を築くことができると思います。

今、塾に通っているサッカー部の生徒さんは、「うちのかあちゃん、めっちゃ美人です!」というんです。しかも「かあちゃんのこと、尊敬してます!」って、僕に自慢してくるんですよね。
そのご家庭は、親子の中で色んなルールを決めていて、「ユニフォームは自分で必ず洗う」とか、「ソックスだけはお母さんが手洗いする」とか。親子で役割分担を明確にしているんです。それだけ家庭内で対話をしっかりしている証拠ですが、そういうご家庭は、文武両道が実現できているケースが多いですね。

――それだけ、そのご家庭では親と子の信頼関係が築けているのですね。具体的に子どもと、どんな対話をすることで、文武両道につながっていくのか、イメージが中々わきづらいですが、どのような声掛けが良いのでしょうか?

須合啓さん:例えば、成績の話しを家でしていて、親御さんが、
「あなたが忙しいのは分かるよ。全部の教科で満点を取れとは言わないから、今の状況であなたは何ができるかな?」と子供自身に決めさせてあげる。そして親は、それを見届けるのが良いかなと思います。

例えば、お子さんが進学校に入って、野球の練習もしっかりするチームで、親御さんからしたら期待の星ですが、実際入部したら、練習がきつくて帰ってきてバタンキューというケースはよくあります。
そんな時こそ対話が必要です。

「お母さん、正直がっかりだな。でも実際はどうなの?」と聞いて、子どもが「練習きついんだ」と答える。そこから始まって、言語によって、感情をぶつけながら、お互いの妥協点と協力し合う点を見つけていくと、各家庭における「文武両道」の形が見つかっていくのではないでしょうか。

――なるほど。ただ、いきなりそのような関係が築けないような、対話がしづらい関係の親子の場合は?

須合啓さん:最近はLINEもできるので、LINEでも良いと思います!
「お母さん、正直こう思ってるけど、〇〇君ならもっと上手くできると思うけど、今、つらいの?」とか、最後に相手を思いやる言葉で締める。

「最近食欲ないみたいだけど、つかれてる?」「勉強はぶっちゃけどう?ついていけてる?」とか。やっぱり、親であっても聞かないと相手の状況はわからないじゃないですか。

 寮に入っている場合も、一緒です。たまに帰ってきた時ももちろんそうですが、一番大事なのは、「入寮する前」です。入寮前に親子で約束をするのが良いと思います。
どんなことでも、最初の入り口というのは大事なので、「入寮の時は野球一色になるかもしれないけど、これだけはやろう」とか、親子で対話をして決めて送り出すのができると良いですね。
野球部員でありながら、野球が全てになってしまうのではなく、親子で決めた約束も守りながら生活をすること。そして親も、子どもと決めた約束以上のことは望まないこと。そうすることで、「文武両道」が少しずつ実現していくのではないかなと思います。

――須合さん、ありがとうございました!次回は「勉強と野球の意外な共通点」をお届けします!

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