【目次】
[1]三本松の空高くホームランをかっ飛ばす/「頭脳的野球」で甲子園への夢叶える
[2]「昨年センバツのリベンジ」は最後の夏に/チャイニーズ・タイペイ産のスイッチヒッター、一躍「ドラフト候補」へ
新型コロナウイルスの影響は春の高校野球にも暗い影を落としている。センバツばかりでなく、四国地区では四国大会・愛媛県・高知県大会が中止。香川県・徳島県大会では4月下旬をメドに春季県大会の代替大会を計画している状況だ。
ただ、その中でも2020年の春に光り輝こうとしている四国の高校球児たちは数多くいる。そこで今回は四国地区担当記者の寺下 友徳が冬の各校取材を通じ四国各県から1名ずつを、取材中の逸話も加え「2020春に推す4名」として選出していきたい。
三本松の空高くホームランをかっ飛ばす

森本 夢叶、多田 聖一郎
<香川県>
多田 聖一郎 ただ・せいいちろう
三本松3年・左翼手・170センチ80キロ・右投左打・東かがわリトルシニア出身
2015年の明治神宮大会準決勝・大阪桐蔭戦での緊急先発にも動じず好投。高松商大会初制覇の原動力となった多田 宗太郎(環太平洋大4年)を兄に持つ高校通算38発スラッガー。筒香 嘉智(MLBタンパベイ・レイズ)が右脚にためを作るイメージを参考にインパクトの鋭いスイングで大アーチを量産する。
同県の高校通算42本塁打・田中 大貴(観音寺一3年・遊撃手)も意識しつつ、見据えるは高校先輩・三好 大輝(現:JR四国)がマークした「高校通算53本塁打」。まずは夏秋県大会初戦敗退の悔しさを晴らすために。そして「どのタイミングでいいからいつかは目指したい」プロ入りへの扉を拓くためにも、今日も左の大砲は三本松の空高くホームランをかっ飛ばす。
「頭脳的野球」で甲子園への夢叶える
<徳島県>
森本 夢叶 もりもと・ゆうと
城東3年・二塁手・173センチ62キロ・右投左打・徳島市徳島中出身
センバツ四国地区21世紀枠候補校に選出された城東の中心選手。高校通算本塁打は「0」。50メートル走6秒3・遠投90メートル・ベースランニング14秒40とデータ的には「中の上」ながら、「ノックから足の使い方に気を遣っている」など、それをカバーして余りある試合の洞察力、中学時代から個人で「インディゴコンディショニングハウス」に通っていた野球に対する情熱にあふれ、3番打者としてポイントゲッター、走塁を利ししてのチャンスメイク両面をこなす。
春に叶わなかった夢、甲子園出場を果たすためにはチームコンセプトの熟成と共に彼の成長は不可欠。代替大会開催の暁には背番号「4」の躍動に注目してほしい。