3月に沖縄県で開催されたエス・プランナーカップ、第7回全日本選抜中学硬式野球大会では、強豪・筑後リバーズが佐賀ビクトリーとの九州勢対決を制して優勝を手にしたが、全国大会とあって、多くの選手たちが活躍を見せた。

筑後リバーズ・福﨑 謙士、筑後リバーズ・山田幸聖、佐賀ビクトリー・竹下 翔太
特に筑後リバーズ・福﨑 謙士投手(3年)、市原ポニー・團 春樹投手(3年)、佐賀ビクトリー・竹下 翔太投手(3年)の3人は大会屈指の好投手として、今後が期待できる逸材だった。
優勝した筑後リバーズで主力投手として活躍を見せた福﨑は、直球とスライダーのコンビネーションが抜群。主にリリーフ登板で、特にピンチの場面でイニングの途中で、中堅手からマウンドに上がることが多かったが、何度もピンチを切り抜け、鍛えられた強心臓ぶりを見せた。
開きを抑えて、リリースの瞬間だけ力を入れる整った投球フォームなど、現時点での総合力の高さを感じられた。
大会ではベスト4進出となった市原ポニーの團は、セットポジションからゆったりと始動して、リリースにあわせて徐々に力を入れていく。やや独特なモーションだが、ピッチングのなかにもメリハリを付けるなど、打者の反応を見ながら投げられる冷静な投球が光った。
がっちりした体格で、パワーを生かしたバッティングも光った。これから身長が伸びてくれば、投打ともに一回り成長したプレーが見られることが期待される。伸びしろが多い投手である。
準優勝に輝いた佐賀ビクトリー・竹下は、福﨑や團に比べて体格がよく、3人の中で潜在能力はもっとも高いのではないか。
打者からは球の出どころが見にくいモーションから、右腕を振り下ろしてくる縦回転のフォームで、威力ある速球を投げる。リリースの強さも光り、登板機会は少なかったが、現時点での能力の高さは垣間見えた。
3人とも130キロに迫る直球を投げていたが、総合力の高い福﨑、伸びしろが多い團、能力の高い竹下と、三者三様に持ち味が見えた。これから高校野球での3年間でどんな投手に成長するのか。
(取材=編集部)