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東北屈指の遊撃手に西東京のポテンシャルお化け シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【野手編】

2021.08.20

東北屈指の遊撃手に西東京のポテンシャルお化け シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【野手編】 | 高校野球ドットコム
吉川 勇大(青森山田シニア)、大島 健真(東北福祉仙台北シニア)、佐坂 悠登(神戸中央シニア)、濱田 大輔(東練馬シニア)、箱山 遥人(江戸川中央シニア)

 高校野球は、夏の甲子園が開催中であるが、8月が中学野球も全国規模の大会が行われた。
 8月2日~6日まで、日本リトルシニア選手権大会が宮城県、山形県内で行われ、高校野球ドットコムでも「次世代の注目高校球児」を求めて、[stadium]仙台市民球場[/stadium]での試合を3日間取材させていただいた。

 今回はその中で、活躍を見せた野手を独自に13名ピックアップ。3年後の活躍を楽しみにしながらご覧頂きたい。

東北地区からは2名の遊撃手をピックアップ

東北屈指の遊撃手に西東京のポテンシャルお化け シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【野手編】 | 高校野球ドットコム
吉川 勇大(青森山田シニア)、大島 健真(東北福祉仙台北シニア)

 まずは見事優勝した青森山田シニアからは、4番・ショートの吉川 勇大選手が目についた。
 180センチ・75キロと大型ショートである吉川選手。体の強さを活かした守備に、広角に強い打球を打ち分ける打撃力を持ち合わせた「攻守の要」と呼べる選手だ。
 1回戦の青葉緑東シニア戦では守備では好プレーを見せ、また打撃でも無安打ながらシャープなスイングを見せるなど、持ち味はしっかりと示した。体がさらに出来てくれば、攻守でさらなる活躍が期待できそうだ。

 そして同じ東北地区からは、東北福祉仙台北シニアの大島 健真選手の高いセンスに惹かれた。チームでは3番・ショート、また主将も任されている大島選手。打撃ではノーステップに近いフォームから、ミート力の高い打撃を見せて、また守備でも華麗な身のこなしと強肩が光った。
 連盟の関係者の中には東北No.1内野手と評価する声もあり、大島選手は高校野球に向けて「中学で学んだことを1年生から活かして、世代ナンバーワンのショートになりたい」と力強く語った。

 ポテンシャルの高さでは、稲城シニアの平嶋 桂知(かいち)選手が目立った。
 185センチ・88キロ、打撃は両打で、投げても130キロ中盤を記録するなど、魅力たっぷりの平嶋選手。準々決勝の東北福祉仙台北シニア戦では、右打席から中学通算7本目のソロホームランを放ち長打力の高さを見せ、また投手としても体の強さを感じさせチームのベスト4進出の大きな原動力となった。投打で今後も目が離せない選手だ。

 そして取材した選手の中でも、特にミート力の高さを感じさせたのが熊本東シニアの甲斐 煌之助選手だ。
 取材した試合ではヒットこそ出なかったが、ボールの見逃し方、カットの技術、ボールに当てる技術など、とにかく打撃センスを感じさせた。170センチ・58キロと体格面での伸びしろも大きくあり、日本代表としてオリンピックで活躍したチームのOB・村上 宗隆選手のように、ここから大きく飛躍することに期待したい。

[page_break:攻守で存在感を見せた佐坂、濱田、箱山の3人の捕手]

攻守で存在感を見せた佐坂、濱田、箱山の3人の捕手

東北屈指の遊撃手に西東京のポテンシャルお化け シニア選手権大会で見つけた逸材中学球児たち【野手編】 | 高校野球ドットコム
佐坂 悠登(神戸中央シニア)、濱田 大輔(東練馬シニア)、箱山 遥人(江戸川中央シニア)

 俊足では、青葉緑東シニアの中嶋 陸仁選手が目立った。
 チームでは1番・センターを任される中嶋選手。シュアな打撃も魅力だが、50メートル走6.4秒の俊足が大きな武器。出塁すれば盗塁でチャンス拡大し、また広い守備範囲で進塁を阻止。大会は惜しくも初戦で敗れたが、試合後には「高校ではさらに体に力をつけて、足に加えて打球の飛距離も伸ばしたい」と目標を語った。

 キャッチャーでは2名の選手を挙げたい。
 神戸中央シニアの佐坂 悠登選手は、打撃では1番打者を務めており、攻守でチームを牽引する存在だ。守備では素早いフットワークと強肩が光り、また打撃でも積極的なスイングから鋭い打球を連発。技術の高さだけで無く、強気なメンタリティも含め、大きな魅力を感じた。

 そして優秀選手賞を獲得した東練馬シニアの濱田 大輔選手も、チームの準優勝に大きく貢献した素晴らしい捕手だ。チームでは3番捕手を任され、エースの宮本恭佑投手を好リード。打撃でもパンチ力のある打撃と俊足を活かして活躍を見せた。
 春夏連続で準優勝と素晴らしい成績を残した東練馬シニアだが、まさにチームの屋台骨を支えた選手だ。

 その他にも、佐倉シニアの石塚 裕惺選手は、初戦の札幌大谷シニア戦では先制のタイムリーヒットを放つなど勝負強さを見せ、東練馬シニアの田中 陽翔選手も4番・ショートとしてチームを牽引。見事、遊撃手部門でベストナインを獲得した。

 ベスト8進出を果たした豊田シニアからは、3番・西久保 颯選手が本塁打を放つなど活躍を見せ、4番・杉浦 正悦選手もチャンスの場面でことごとく勝負強い打撃を見せた。
 二人の活躍が、豊田シニアをベスト8まで押し上げたと言っても過言ではない。

 そして最後に、紹介するのはベスト4進出を果たした江戸川中央シニアの箱山 遥人選手と森山 竜之輔選手。
 3番・捕手の箱山選手は、打撃力、守備力の高さはもちろんのこと、捕手としての判断力やチームメイトへきめ細かい指示が光り、そして森山選手も当りこそなかったが、体の強さ、スイングの強さは大舞台でしっかりと示した。彼らの今後の成長も見逃せない。

【選手一覧】

青森山田シニア    吉川 勇大選手  内野手
東北福祉仙台北シニア 大島 健真選手  内野手
稲城シニア      平嶋 桂知選手  投手・外野手
熊本東シニア     甲斐 煌之助選手 外野手
青葉緑東シニア    中嶋 陸仁選手  外野手
神戸中央シニア    佐坂 悠登選手  捕手
東練馬シニア     濱田 大輔選手  捕手
佐倉シニア      石塚 裕惺選手  内野手
東練馬シニア     田中 陽翔選手  内野手
豊田シニア      西久保 颯選手  捕手・外野手
豊田シニア      杉浦 正悦選手  内野手・捕手
江戸川中央シニア   箱山 遥人選手  捕手
江戸川中央シニア   森山 竜之輔選手 内野手

(取材=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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