目次

[1]東日本は関東を中心に好打者が目白押し
[2]関西では左腕の前田悠伍、九州ではスラッガー・百崎蒼生に注目!


 2020年はコロナウイルスの感染拡大により、野球界も大きく試合の開催を日数を減らした。中学野球も例外ではなく、選手にとってのアピールの機会は大きく減少したが、それでも限られた試合数のなかでも高いパフォーマンスを見せた選手は多くいた。

 今回はその中からこの春から高校野球の舞台に飛び込む、注目の選手をピックアップした。今年は時間が限られた中での取材となったが、1年後、2年後の活躍に期待を込めながらご覧いただきたい。まずは東日本から見ていこう。

東日本は関東を中心に好打者が目白押し



山内教輔(武蔵狭山ボーイズ)、緒方漣(オセアン横浜ヤング)

 まず東北地区では秋田北シニアの快速右腕・小玉 湧斗投手の名前を挙げたい。177センチ・60キロと体は細身だが、130キロ後半のキレのある直球を投げ込み、変化球の精度も高い。牽制やフィールディングなど身のこなしも良く、体の強さが加われば本格派右腕として大きな注目を浴びるだろう。

 また近藤 悠人(宮城仙北ボーイズ)も力のある投手だ。175センチ、体重80キロのガッチリとした体格から130キロ後半の直球を投げ込み、ピンチになるほどギアが上がる強気な性格も大きな持ち味だ。

 関東地区では、好打者が目白押しだ。
TV番組でも高い長打力を披露した小野勝利(狭山西武ボーイズ)に松本ジョセフ(戸塚シニア)、全国選抜大会で本塁打を放った青山 達史(世田谷西シニア)や、奥戸球場のライト照明直撃の本塁打を放った齋藤 敏哉(修徳中)などスラッガーとして期待の選手が並ぶ。

 中でも特に注目なのは、武蔵狭山ボーイズの山内 教輔だ。スイングの柔らかさ、変化球への対応、アグレッシブなメンタリティ、すべてにおいて高いレベルにあり、怪我さえなければ早い段階から試合に出場できるだろう。投手としても実戦力があり、後々はチームの象徴のような存在になるのではないだろうか。

 また緒方 漣(オセアン横浜ヤング)や小川 大地(中本牧シニア)といった守備力にも定評のある選手もおり、投手でも142キロ右腕のハッブス 大起(上尾シニア)や144キロ右腕の盛永 智也(小山城南中)、190センチサウスポーの針金 侑良(東練馬シニア)など速球派投手の活躍も目立った。捕手でも、本田凌太(浦和シニア)や及川 将吾(佐倉シニア)といった実戦力の高い選手がおり、コロナ渦でも全体的に好選手が揃った印象だ。

 そして中部地区では、右腕の渡邉 聡之介(千曲ボーイズ)が注目だ。切れのある直球は140キロを計測し、ボディバランスも良くまだまだ伸びしろを感じさせる。ここからの成長が非常に楽しみだ。また瀬戸シニアの萩 宗久は、抜群の身体能力が持ち味のアスリート型の野手だ。身長は184センチに達し、50メートル走6秒台前半の俊足と強肩が大きな魅力。スイングの強さもさることながら、内野も外野も守れるユーティリティ性も光り、スケールの大きさを感じるまさに原石だ。