U-15代表4番、142キロ右腕など高校野球の世界に飛び込んだ12人のスーパー中学生たち
コロナウイルス感染拡大が収束の気配を見せないが、4月に入り中学3年生だった選手たちは暦上は高校生となる。
高校野球ドットコムでは、これまで28名の中学3年生にインタビューをしてきたが、今回はその中から12名をピックアップして、選手としての特徴を紹介していきたい。
身体能力の高さ、スイングの強さのある8名の野手
京葉ボーイズ出身の海老根優大選手
まず最初に紹介するのは、京葉ボーイズ出身の海老根優大選手だ。中学2年の10月に初めて取材をさせていただき、その後もジャイアンツカップ、U-15日本代表と3度取材をさせていただいた。
パワーは中学野球トップクラスのものを持っており、走力、肩力も申し分ない。高校生へのボールへの対応力を身に着けて、身体能力の高さを実戦で活かせる選手になって欲しい。
京田辺ボーイズ出身の谷口勇人選手は、4番・エースとしてチームを牽引。投手としての能力も高いが、ここでは野手として紹介していきたい。
決して力任せではないシャープなスイングが特徴の谷口だが、小力のあるタイプで飛距離も出る。これからさらに体に力がついてくれば、中距離打者として上のレベルでも活躍が期待できるだろう。
また、同じ二刀流選手では福岡志免ボーイズ出身の高山維月選手が一押しだ。
細身ながら高いミート力を持っており、タイミングの取り方にもセンスを感じさせる。投手としても、バランスの取れたフォームから130キロ前後の直球を投げ込み、肩の強さは野手とてもいきてくる。高校では投手と野手、どちらでいくのか注目だ。
2年連続でU-15日本代表に選出された安仁屋ヤングスピリッツ出身の福原聖矢選手は、小柄ながらセンスが際立つ職人肌タイプ。U-15アジアチャレンジマッチでは1番・セカンドとしてチームを牽引し、飛びぬけたセンスを発揮したが、実はキャッチャーも出来る選手。高校ではどのポジションで勝負するのか気になるところだ。
また俊足部門でピックアップしたいのは、東京城南ボーイズ出身の今井海斗選手だ。
東京城南ボーイズの大枝茂明監督が「歴代でもNo.1のセンター」と話すように、守備範囲がとにかく広く、チームでは好守を連発。べースランニングの技術も高く、リードオフマンとしての活躍が期待される。
そして、最後に強肩強打が魅力の3名の捕手を紹介する。
草津シニア出身の伊藤愛都選手はリトルシニア日本選手権で優秀選手賞を獲得し、一気に注目を集めた選手だ。打撃は力強く高い対応力を持っており、セカンド送球は1.9秒と捕手としての能力も高い。
また筑後サザンホークス出身の角田蒼汰選手も、2年生からレギュラーとして活躍した実戦派捕手で、セカンド送球が2秒台を切る強肩が魅力。打撃にも力強さがあり、NOMOジャパンに選出された。
そして秦野シニア出身の平岡大和選手も、関東のリトルシニアを代表する強肩強打の捕手。懐の深い打撃で長打を連発し、関東地区の高校野球指導者からはよく名前が挙がる存在であった。
本格派から技巧派まで多士済々の投手陣
大津瀬田ボーイズ出身の山田陽翔選手
ここからは投手陣を見ていく。投手は4名をピックアップさせて頂いた。
最速142キロの直球が魅力で、テレビ番組でも紹介された大津瀬田ボーイズ出身の山田陽翔選手は、体の強さだけではなくフォームの完成度も高い投手。
性格も非常に明るいムードメーカータイプで、プレーでもキャラクターでもチームを盛り上げることが出来る選手だ。
そして同じ滋賀県からは、関西屈指のサウスポー・湖東シニア出身の南琉人投手も紹介したい。
130キロ台後半の直球を武器にシニア日本代表にも選出されたが、牽制やバント処理など投球以外の面もそつなくこなす。体もまだ出来ておらず将来性も非常に高いので、スケールの大きなピッチャーを目指して鍛えてほしい。
武蔵府中シニア出身の安藤岳投手も、130キロ台後半の直球を投げ込む速球派右腕だ。
フォームのバランスも良く、変化球にもキレがあり、中学生としては高い総合力を持っていた。このまま順調にスケールアップしていけば、本格派右腕としての道も開けてくるはずだ。
最後に紹介するのは、糸島ボーイズ出身の香西一希選手だ。
130キロ前後のキレのある直球と多彩なが持ち味の香西投手。決して速球派ではないが、フォームの「間」のつくり方が上手く、バッターは球速以上の速さを感じるはずだ。
その投球センスが認められ、NOMOジャパンに選出されるなど経験も豊富。高校野球でも持ち味を活かして、実績を作っていきたい。
以上が、ピックアップした12名の選手だ。
コロナウイルス感染拡大の影響で前途多難の高校野球生活のスタートとなっただろうが、少なからず希望も抱いてるに違いない。
入学式を迎えるまでは入学生徒の公開を控える高校も多いため、現段階では進路は明かさない形をとっているが、ピックアップした12名の選手たちはいずれも全国屈指の名門校へ進学の予定だ。彼らが甲子園球場を沸かせる日が、今からとても楽しみだ。
(取材=栗崎 祐太朗)
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