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愛媛県高校野球3大ニュース 混沌の先に見える一筋の光

2019.12.30

1.春の松山聖陵、夏の宇和島東、悔しい甲子園初戦敗退

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宇和島東

 昨年は県大会3位から秋季四国大会準優勝まで駆け上がり、2年連続2度目のセンバツ出場を果たした松山聖陵大分(大分)に1対4。夏の愛媛大会決勝戦でその松山聖陵を破ってノーシードから9年ぶり9度目の夏甲子園出場を決めた宇和島東も初戦で宇部鴻城(山口)に3対7。愛媛県勢は2014年の今治西(春)小松(夏)以来5年ぶりとなる悔しい春夏連続初戦敗退に終わった。

 2校が敗戦に至ったにはそれぞれ様々な要素が絡み合っているため、一概にまとめるのは難しいが、1つ共通項をあげれば「相手を見た準備の不足」がある。

 松山聖陵は中本 恭平監督(当時・現:副部長)は大分のチーム状況を把握するも、選手たちへの落とし込みと選手個々の対応力には課題が残る内容に。宇和島東は9年前より練習の質は高まっていたが、相手打者・投手への「読み不足」が後手を踏む一因となった。

 甲子園に出場することはそれ自体が価値があることは間違いないが、勝利への最善を尽くした上で目標を達成できれば、チームと個々にさらなる収穫が得られることも確か。2校以外の各校も2019年の悔しさを他山の石として「甲子園勝利のために何が必要か」を常に頭に置いて頂ければ幸いである。

[page_break: 2.済美・山田 響・前人未到の坊っちゃんスタジアム高校生公式戦5本塁打!/3.県勢2年生右腕に「140キロ超」続出!]

2.済美・山田 響・前人未到の坊っちゃんスタジアム高校生公式戦5本塁打!

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済美・山田 響 2019年10月12日小松戦より

1本目:2018年7月26日(木)第100回選手権愛媛大会準決勝 vs今治西
2本目:2019年7月17日(水)第101回選手権愛媛大会1回戦 vs宇和
3本目:2019年7月23日(火)第101回選手権愛媛大会2回戦 vs松山工
4本目:2019年8月20日(火)中予地区新人大会2回戦 vs東温
5本目:2019年10月12日(土)秋季愛媛県大会決勝戦 vs小松

 これが済美入学からここまで山田 響(2年)が[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]での公式戦で積み上げた本塁打の数々である。両翼99.1メートル・センター122メートルのプロ野球仕様に加え、フェンスの高さも4.9メートルとプロ選手でも柵越えが困難な球場で高校球児の公式戦5本塁打は前人未到である。

 丹原時代に高校通算47本塁打を放ち、その後も明治大・日本生命と4番を張り続ける越智 達矢ですら[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]での本塁打は1年秋の1本のみ。高校通算29本中5本塁打を叩き込んでいる勝負強さは特筆に値する。

 2020年へ向けては「高校通算50本塁打は打ちたい」と意気込む山田 響。そのうち、[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]での本塁打をどこまで伸ばせるかにも注目だ。

3.県勢2年生右腕に「140キロ超」続出!

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平安山 陽(松山聖陵)

 最速142キロが平安山 陽松山聖陵)、141キロが和田 真虎宇和島東)、140キロが舩田 清志宇和島東)に伊吹 聖矢帝京第五)、髙橋 晟士朗西条)。しかもこれは2年夏時点の数字。

 過去には済美2年夏に最速157キロを出した安樂 智大(東北楽天ゴールデンイーグルス)を筆頭に140キロ超の投手が複数出る年もあった愛媛県にだが、5名の140キロ超2年生右腕が出現した年は、過去に記憶がない。

はたして彼らのうち誰が3年春に抜きん出た存在になるのか。それとも、その他の投手、ないしは左腕が飛躍を遂げるのか?「ドラフト」を見据える上でも彼らの冬を楽しみにしたい。

(文=寺下 友徳

愛媛県高校野球3大ニュース 混沌の先に見える一筋の光 | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから!
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選手11人・部員15人で秋季四国大会に出場 川島(徳島)の「ONE TEAM」
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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