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第22回 徳之島(鹿児島県)「闘牛打線」の本領発揮へ2020年03月01日
【目次】ページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!
[1]「島から甲子園」へ
[2]「闘牛打線」の本領発揮/「しんどいをエンジョイに!!」
「島から甲子園」へ

徳之島ナイン
■南国の新設校
鹿児島から南南西492キロ、奄美群島のほぼ中心に位置する徳之島。この島に鹿児島県立徳之島高校は校舎を構える。島の主な産業は農業で、サトウキビやバレイショ(じゃがいもの一種)の栽培が盛んである。肉用牛の飼育も有名で、闘牛大会も行われている。そんな南の島にある徳之島高校は創立15年目の新設校。「文武両道」をスローガンに部活動が活発な高校である。
■「島から甲子園」
野球部は1年生15名、2年生10名の25名の徳之島。秋季大会は鹿児島県予選3回戦で大島に4対5で敗れ、秋は4年連続で県ベスト16という成績だった。
「島から甲子園」を目標に日々野球に打ち込む徳之島ナイン。海を見渡せる野球部専用の自慢の野球場がある。土地柄を生かし、浜トレーニング(7キロ走・下半身や体幹を鍛えるメニュー)を取り入れこの冬のレベルアップを狙う。また、練習前に草刈りやゴミ拾いをおこなっている。地域に密着し、愛されるチームを目指している。
■あと一歩及ばなかった大島戦
新チームスタート時、「一人一人が絶対に『島から甲子園』を達成させるという覚悟をもって努力を惜しまない」ことを胸に刻んで練習に打ち込んできた。
その中で思い出深い試合は、秋季鹿児島県予選の3回戦で戦った大島高校との試合だ。
序盤、1回表に犠牲フライで先制するも、2回裏に自分たちのミスから5失点してしまい、劣勢の中試合が進んでいった。その後もピンチを作るが守備が踏ん張り追加点は与えず迎えた8回表、4番の元田 蓮太の3ランで4対5とし、1点差まで追い詰めた。しかしあと一歩及ばずそのまま試合終了。序盤のミスと打線のつながりに悔いが残る試合となった。「あと1mmの差」を超えることができず、紙一重の敗北であった。
■キーマンは元田蓮太
苦い敗戦を糧に冬場は「弱い自分に負けない」ことをテーマにして、厳しいトレーニングに打ち込んできた。そんな選手たちを見守り続ける永田心花さん、森田明日香さんの2年生マネージャー2人に徳之島のキーマンを紹介してもらった。
まずは捕手で4番を務める元田 蓮太選手。長打でチームと試合を変えることができる選手としてチーム内からの信頼は厚い。秋季大会では、1回戦(市来農芸・串木野戦)、3回戦(大島戦)で本塁打を放つなど、試合はもちろんチームの流れを変えられる存在だ。
県ベスト8、4には彼の存が必要不可欠であるが、1番・ショートでチームを牽引する太良瞭希の奮起にも期待を寄せる。
「走りこむ冬!」と意気込んで冬の練習を積み重ねてきた徳之島。春以降、鹿児島に新風を巻き起こす躍進を見せられるか、注目だ。