Column

私学優位の風潮を切り裂く 香椎(福岡)が目指すナンバーワン

2020.02.18

「ナンバーワン」になる!香椎の挑戦が始まる!


吉野巧基(香椎)

 [stadium]甲子園[/stadium]に初出場して初優勝をするという目標を子供たちとは掲げています福岡県でナンバーワンになると」杉野弘英監督が力強く話してくれた言葉である。

 もちろん、この言葉の意味は選手たちも理解している。杉野監督が人間性がピカイチ!と評価する主将の吉村南杜

「今年のチームはナンバーワンという目標のもと魅力的なチームを作るというのをやっていて投手が良いチームです」と、ナンバーワンと目標を明確に口にする。

 この香椎の選手が使用する「ナンバーワン」という言葉だが、その意味は野球だけでなく日常の生活にまで及ぶ。野球を通してのナンバーワンだけでなく、普段の生活からもナンバーワンを目指す!という意味が込められているからである。

 吉野巧基は、「一つ一つの所で香椎生としての見本を見せられるよというところでナンバーワンを心がけている」と香椎生としての行動について話してくれた。

 松尾厚輝も、「試合だけじゃなく試合入る前の挨拶も自分たちは意識していて、学校生活も全部が野球に繋がっていると思うので、あと第三者を香椎の味方につけて仲間を多くして勝ち上がっていくそこがいいところだと思います」・「学校生活・クラスの中でも挨拶から引っ張って、応援したくなるチームになると思うので、愛されるチームになるために意識しています」

 このような考え方がベースにあるため、練習は非常に活気がありイキイキとしているのも香椎の特徴である。やらされていると言うよりは、自分たちで考え行動しているのである。

[page_break:ナンバーワンのために「魅力」を磨く!/杉野監督の熱気!]

ナンバーワンのために「魅力」を磨く!


左から宮本悠仁 松尾厚輝 大石翔太(香椎)

 ここでもう1つの香椎のキーワードを伝えたい。「魅力を持つ」だ。

 チームとして多くの人を巻き込み、味方につける「魅力」でもあり、個人でも自身で考えてポジティブに行動できる「魅力」という意味も含む。

 バッテリーリーダーの宮本悠仁は、「チームの雰囲気を上げるために一人一人が魅力を持った選手になる。一人一人の個性というのが練習中に見えてくると思うのでそういうのは見て欲しいです」と話すように、個々の部分にスポットを当てた言葉が出てくる。

 魅力的な選手が多いからこそ練習も盛り上がる。

「テンションの上がり具合とか練習の盛り上がりとかそういうところは見てほしいです」大石翔太の言葉である。「魅力」ある選手がいることでが練習に好影響を与えているのがよく分かる。

 では、この事を念頭に一番はじめの吉村主将の言葉に戻りたい。

「今年のチームはナンバーワンという目標のもと魅力的なチームを作るというのをやっていて 投手が良いチームです」

 ナンバーワンという目標が有り、そしてそのためにも魅力的なチームになる。

 香椎のこのシンプルな目標はチーム全体に浸透している。これこそ香椎の強さの秘訣である。

[page_break:杉野監督の熱気!]

杉野監督の熱気!


杉野弘英監督(香椎)

 このように魅力的なチームを作り上げているのは、杉野弘英監督の熱量といってもよいだろう。

 投手の柱として期待される、山下雄太郎は、杉野監督について

「指導してもらっていて熱い方だと思います。常に[stadium]甲子園[/stadium]ということを考えています」と話す。

 サイドハンドの右腕・大石翔太

「厳しいところもあるけど選手のことを想ってくれている監督です」と山下同様厳しさもあるが、熱い思いがある監督という思いを持っている。

 では、杉野監督の熱源は何なのであろうか?

 それは、現状への反骨心と言ってよいだろう。高校野球界の私学優位の風潮を香椎が先頭を切って壊していきたい!公立の新しい可能性を切り開く、まさに新しい潮流を作るイノベーターである。

「福岡県からも毎年私学さんが甲子園に行く状況で、なんとかその構図を変えていきたい。福岡は南北と基本的分かれるんですけども、南部の先生達と色んな情報交換をしてですね。お互い切磋琢磨しながら ここ数年本当に力を入れてやらせてもらっているんですよ。僕はこの構造を変えたくてその最先端をうち(香椎)が先頭に立って走っていくことで、他の高校も地力をつけて、(レベルが)上がってくることで、野球界全体の構造をなんとか変えて行きたいと思っています」

 この熱い思いはインタビュー中もビシビシと伝わってくる。

「野球人口が非常に減っているという現状もありますので、小さな子たちを巻き込みながらですね、一緒に野球教室なども開きながらなど(色々な可能性を)模索していて。 全ての力を借りて福岡県の高校野球の構図を変えて、旋風を私たちが巻き起こしたいなと。これは子供たちにも常々話しています。野球の常識を変えるぞ!というのは話しています。誰も見たことのないステージに立ったらまた人生変わるよ、という話は子供たちにしています。香椎高校がその担い手としてですね他の公立校にも利益を与えながら、福岡県全体のレベルアップを図ってですね」

 この新しい潮流を作る!現状を壊す!この思いこそが杉野監督の熱源なのだろう。

「ナンバーワン」になる!香椎の挑戦が始まる。

文=田中 実

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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