目次
[1]1.鹿児島城西、秋の九州で初の4強入り/2.神村学園が抜群の安定感
[2]3.大会運営などで様々な改革が

1.鹿児島城西、秋の九州で初の4強入り



八方悠介

 鹿児島城西が秋の第145回九州地区高校野球大会で初の4強入りを果たした。

 鹿児島大会は決勝で鹿児島実に敗れて2位代表で臨んだ九州大会だったが、初戦で佐賀学園(佐賀1位)にコールド勝ち、準々決勝で城北(熊本2位)に完封勝ちし、準決勝に勝ち進んだ。

 準決勝では大分商(大分2位)に先制しながらも逆転負けを喫し、決勝進出は逃したが、来春のセンバツ甲子園出場に大きく前進した。
 来年1月に「吉報」が届けば、春夏通じて初の甲子園出場となる。

 夏からエース格で活躍した八方 悠介前野 将輝、県下でも屈指の安定感がある2枚看板を擁し、乗田 元気長 隆稀板敷 政吾ら粋のいい1年生野手もいる。元プロ野球選手の佐々木誠監督の就任も話題になった。

 日本代表・大迫勇也を輩出したサッカー部は全国区の強豪だが、来春、野球部も全国の舞台に躍り出ることになるだろう。鹿児島代表は3年連続でセンバツ出場を逃していたが、鹿児島城西が新たな風を巻き起こすことを期待したい。

2.神村学園が抜群の安定感



神村学園

 春、そして夏の甲子園予選と3年生のチームに関しては神村学園が抜群の安定感を誇った。

 昨秋の新チーム結成以降、県内チームとの公式戦で敗れたのはNHK旗の鹿児島城西戦のみ。夏の甲子園予選は文句なしの第1シードだった。

 初戦から順当に勝ち上がった中で、準々決勝・大島戦は9回表まで0対3のビハインド。そこから集中力を発揮し4点を返して見事な逆転サヨナラ勝ちを収めた。

 準決勝・国分中央戦、決勝・鹿屋中央戦、いずれも相手に先制される展開だったが慌てることなく逆転勝ち。選手層の厚さ、投手を中心にした守備をベースに、持ち味の攻撃力も遺憾なく発揮し、101回目の夏の甲子園代表を手にした。

 チームの主力は2年生も多かったが、松尾 将太主将、リードオフマンの森口 修矢ら3年生のリーダーシップも見事だった。

 甲子園では佐賀北との「九州対決」を制し、2回戦へ。高岡商(富山)には1点差で敗れ、上位進出は逃したが、3点ビハインドの9回表に1点差まで追い上げ、県大会・大島戦の逆転劇を彷彿とさせる粘りを見せた。

 エース田中 瞬太朗、主砲・桑原 秀侍田中 大陸ら3年生のチームでも主力を担った2年生が多く残っており、秋も優勝候補の大本命だったが、3回戦で同じ南薩地区のライバル・鹿児島城西に敗れて、センバツ出場の可能性はなくなった。
 来夏の捲土重来に期待したい。