[1]スパルタ塾にも通った文武両道の中学時代
[2]地元で一番の進学校へ入学。高校野球から学んだ「赤点を作らない意識」
[3]最後の夏は4回戦敗退。「後悔は1ミリもなかった」
[4]神戸大学に入学。我流で到達した最速147キロ
[5]読売テレビに入社。一流タレントから感じた「プロの技」
[6]「トクサンTV」が人気チャンネルに。野球界への問題提起を大事に
[7]野球には人生の教えが凝縮されている
読売テレビに入社。一流タレントから感じた「プロの技」

高校時代の平山勝雄さん
平山さんの活躍に興味を示す社会人野球チームもあったが、就職氷河期だったこともあり、現役を引退して一般企業への就職を選択する。
現役選手としてはやりきった気持ちがあり、就職活動を行う中で読売テレビから内定をもらい入社を決めた。
「テレビ業界だけを志望していたわけではありませんでした。テレビ局自体は素晴らしい会社なので、できることなら合格したらいいなと思ってましたが、まさか本当に内定をいただけると思ってなかったので嬉しかったですね」
2003年4月、平山さんは読売テレビに入社する。
まずは編成局に配属され、ここで2年間テレビの基礎を学び、2005年からは東京支社の制作部に移動。人気番組「どっちの料理ショー」を担当すると、その後「秘密のケンミンSHOW」のディレクターを担当。2011年からは「ダウンタウンDX」のディレクターに就任し、2018年11月からはプロデューサーも兼務するなど、人気番組を次々と任され、テレビマンとして活躍を見せた。
そしてディレクターやプロデューサーとして番組作りを行う中で、多くのタレントと仕事を行ってきたが、一流の仕事を肌で感じる瞬間が非常に多くあったと語る。
「野球では自分がやりたいプレーとチームとしてやってほしいプレーとがあるかと思いますが、優秀なタレントさんは求められているプレーを瞬時に嗅ぎ取って実現しますよね。野球と似ている部分があると感じました。笑いが欲しい場面では笑いを取って、専門家の真剣な答えが欲しい時はあえて一歩引いたり、番組の流れをすごく読んでくれます。
その中でも特に優秀なタレントさんになると、想像を超えるホームランを打つこともありますね」
数あるタレントの中で、平山さんが特に「すごかった」と名前を上げるのがダウンタウンの二人だ。
「多くの方はご存じだと思いますが、松本人志さんはスーパーホームランバッターです。数え切れないほどのホームランを打っていますが、その一方でチームバッティングに徹して、後のバッターにつなぐこともできます。ホームランはいつでも打てるけど、チームにとってその時その時で大事なことを常に考えてらっしゃって、本当にすごいです。
浜田雅功さんの場合は総指揮官、監督の立場なので、それぞれの打者にどんなチャンスの場面を与えるかを全部考えてらっしゃいます。他にも、素晴らしいタレントさんが多くいらっしゃいましたが、やっぱりダウンタウンのお二人がすごすぎましたね」
業界トップレベルの技術に触れながら、長年にわたりバラエティ番組を作り続けた平山さん。その経験は、意外な形で展開を見せることになる。