第5回 無理は禁物だが、連投できることもその投手の強みになる 槙原寛己氏【後編】2019年12月31日

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【目次】
[1]巨人とは相思相愛でプロ入り
[2]連投できることは投手の強みになり得る

 現在、大好評配信中のAmazonプライムビデオ「プロ野球そこそこ昔ばなし」は、芸人ナイツと吉田明世アナウンサー、野球解説者の金村義明氏を中心に毎回、プロ野球OBのゲストを迎え、当事者たちしか分からない当時の裏話を笑いとともに語り合う内容になっている。気になる話は本編を見ていただければと思うが、そこに第10話と第11話のゲストとして出演した槙原寛己氏が今回のお相手だ。

 1981(昭和56)年のドラフトで大府高校在籍時代に巨人から1位指名で入団した槙原投手。その後プロ野球では完全試合なども達成し、通算159勝を記録している。前編では大府高校進学のきっかけから入学当初。中編は2度の甲子園でのエピソードを中心に語ってもらった。後編ではプロ入りまでのエピソードや、球数制限に関する意見を語っていただいた。

前編はこちらから!
入学当時は甲子園出場は厳しいだろうと思っていた 槙原寛己氏【前編】

中編はこちらから!
全国のレベルを痛感しつつ、自信も深めた2年時の甲子園出場 槙原寛己氏【中編】

巨人とは相思相愛でプロ入り



槙原寛己氏

 報徳学園に5対3と快勝した大府は、5日後の雨の中の2回戦で御坊商工にわずか4安打しか奪えず0対4と敗退する。グラウンド状況も悪かった上に、チームとしても報徳学園に勝ったということもあって、「次の上宮のことばかり考えていました。正直、ちょっと相手を軽く見ていたところはありました」と、槙原投手自身も反省する内容だった。まさに、足元をすくわれたという形で敗退してしまった。

 それでも、すぐに帰って夏へ備えていったのだったが、その年の夏は工藤公康投手(西武→ダイエーなど。現ソフトバンク監督)を擁する名古屋電気が躍進して愛知大会を制する。大府は準々決勝で敗退して3季連続の甲子園出場はならなかった。

―― 夏の大会が終わって、その時の意識として進路はどう思っていらっしゃったのですか。

 センバツに出たことで、多くの人からも(プロに)行けるんじゃないか。というようなことは言われていましたし、自分でも意識はしていました。また、ある程度はやれるんじゃないかなという気持ちにはなっていました。

―― 今のように、プロ志望届というような手続きなどまだない時代でしたが、意識としてはプロ志望ということになっていたということですか。

 何球団かは学校に挨拶にも来てくれていましたし、具体的に1位で行くぞと言ってくださったところもありました。自分でも、甲子園である程度は投げられたことでプロへの自信というか、確認は出来ていました。

―― 愛知県で高校球児としてやっていらっしゃった槙原さんですが、当時好きな球団というか、ファンとしてはどこが好きだったんですか。

 あ、ボクは、巨人でしたね。

―― ということは、巨人の1位指名というのはまさに願ったり叶ったりというところだったわけですね。

 そうですね。当時は、今みたいに(ドラフトの)テレビ中継もありませんし、午前中から(ドラフト会議を)やっていたと思うんですけれども、3時間目が終わった時だったかなぁ、トイレへ行こうとしたら女の先生から『槙原君、巨人に決まったよ』と教えてくれて、それでこんな早い時間だったら1位指名かもしれないと思って、それからは何も手がつかない状態でしたね。

 4時間目はまったく覚えていません。それで、確か午後からはマスコミ対応に備えなくてはいけないということで5時間目と6時間目は出なくていいから待機ということになりました。

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愛工大名電 【高校別データ】
大府 【高校別データ】
紀央館 【高校別データ】
報徳学園 【高校別データ】

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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