目次

[1]明大中野八王子・江口に何かが起きる八王子球場
[2]チームのテーマはジャイアントキリング/気迫が呼び込んだ2度の幸運

明大中野八王子・江口に何かが起きる八王子球場


 秋季都大会は、優勝候補が偏ったため、序盤から強豪同士の潰し合いが多く、番狂わせというのは、それほど目立たなかった。それでも、大方の予想を覆すような試合は、いくつかあった。

 その一つが、都立国立岩倉を破った試合だ。部員11人の国立が、岩倉の猛烈な追い上げを退け、序盤のリードを守り切った粘りは見事であった。ただ岩倉は投手陣が整備されておらず、秋に起こり得る波乱であった。

 優勝候補の初戦敗退でという点では、10月15日に行われた、二松学舎大附明大中野八王子に敗れた試合はインパクトがあった。もちろん明大中野八王子も力のあるチームであり、波乱というのは失礼な面もある。それでも二松学舎大附は、この夏こそ初戦で敗退したものの、その前の2年は続けて夏の甲子園大会に出場している。

 この大会では、強豪が集まるブロックを避けることができたため、有力な優勝候補になっていた。実際試合前のノックなどを観ていても、主将で捕手の山田 将義を中心に守りもしっかりしており、レベルの高さを感じさせた。

 それでも明大中野八王子、とりわけ主将でエースの江口陽太とダイワハウススタジアム八王子の関係から、何かが起こりそうな予感がなかったわけではない。

 昨年の夏、この球場で行われた5回戦の日大鶴ヶ丘戦に、1年生ながら制球の良さを買われた江口は、先発のマウンドに立った。しかし3安打、4四球で、初回で降板。試合時間4時間で、19-15で日大鶴ヶ丘が勝つという、記録的な乱戦の導火線になった。

 この夏、やはりダイワハウススタジアム八王子で行われた都立田無との1回戦では、6回までに5-2とリードを許した7回表から江口が登板。江口は3回を被安打1の無失点に抑えると、打線も爆発して、9回裏6-5でサヨナラ勝ちをした。

 舞台はまたもダイワハウススタジアム八王子。明大中野八王子にとっては、何かを起こす舞台は整っていた。