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沖縄担当・當山雅通が選ぶ、2019年沖縄県高校野球3大ニュース!

2019.12.24

1.西原高校創部初の選手権沖縄大会ベスト4!

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西原・宮城選手

 夏の選手権沖縄大会。注目を浴びるのは、興南高校宮城大弥だったがその裏で、もう一つの注目を集めていたのが西原高校だった。

 一回戦、春季沖縄県大会で戦った八重山商工高校と再び対戦するも9対0の7回コールド勝ち。二回戦の普天間高校には近年負け続けていたが、この日は打線が爆発。佐久川や坂井が3安打をマークするなど6対1で快勝。秋の8強普天間高校を下すとますます波に乗る。

 三回戦、春8強の知念高校戦では1回に比嘉がセンターオーバーの2点タイムリー二塁打を放つ。新垣琉も、スクイズや内野安打タイムリーを記録。佐久川にもタイムリーが生まれると5回を終えて10安打をマークした。投げてはエースの坂井が二桁奪三振。9対4で勝利。

 振り返れば約一年前、新チームがスタートして望んだ新人大会。那覇北地区の予選で全敗だったのが西原高校。それがなんと、27年振りの夏ベスト8進出を決めたのだった。

 準々決勝の相手は沖縄宮古高校。点を取ると奪われていくシーソーゲームの展開。5回に三度目の勝ち越し点を加えるが、8回に同点にされる。そして迎えた9回。「ケガをしている後輩が三塁まで進んでくれた。ここで打たなくてどうする!」と4番宮城がタイムリー。
 2点を勝ち越すと、最後は不調のエースをリリーフした末吉が締め勝利。野球部創部初の選手権沖縄大会ベスト4進出を果たしたのだった。

2.八重山農林高校創部初の準優勝!

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八重山農林・親里大翔

 去った秋で優勝したのは沖縄尚学高校だが、主役は間違いなく令和版24の瞳である八重山農林高校だった。

 一回戦、12安打を集め11対0の5回コールドで勝利した八重山農林高校。二回戦は試合巧者の前原高校が相手だったが、格の違いを見せつける。1回に先制すると2回、2番大浜の二塁打や、5番岡本の三塁打などで5点を奪い主導権を握る。3回にも4点を加え10対0の5回コールド勝ちを収めた。

 三回戦の沖縄工業高校戦でも打線が二桁安打。投げてはエース親里と垣花のリレーで無失点に抑え快勝。八重山農林高校初のベスト8進出を果たした。

 準々決勝の相手は宜野湾高校。5回に砂川の2点タイムリー。6回には9番宮良にタイムリー三塁打が飛び出すなど、6対3とリードを広げた。だが7回に2点を奪われると8回には3点を失い逆転。しかしその裏、3番上江洲に3点タイムリー三塁打が生まれ9対8。9回には再びマウンドに上がった親里が三者凡退で締めベスト4進出を決めた。

 準決勝は同じく初めてのベスト4進出を果たした具志川高校が相手。2回に1点を失うが3回、上江洲に同点タイムリーが生まれる。1対2のビハインドで迎えた7回、エラーと四球で二死満塁として砂川が値千金の逆転タイムリー。5回2失点の先発垣本の後を継いだ親里が3安打無失点に抑え、1点差ゲームを制し決勝へコマを進めたのだった。

 決勝の相手は名門沖縄尚学高校。主軸の與谷に三塁打を含む3打席連続安打を浴びるなど、8回を終えて2対7だった。誰もが過ぎる完敗。しかし、八重山農林高校本当の伝説はここからだった。

 9回表、1、2番が連続四球を選ぶ。次打者はファーストライナーで併殺。万事休すと思われたが、これまでの試合でチームを救ってきた砂川のバットからタイムリーが生まれる。四球とヒットで満塁となり、7番上田の打球はライト前へ。二者が生還し2点差に詰め寄る。

 さらに四球を選んで9番宮良。力のないピッチャーゴロ。これで終わりと思いきや、まさかの悪送球。二塁走者が生還し、土壇場で同点に追い付いたのだ。

 タイブレークとなった10回にサヨナラ負けを喫したものの、僅か部員12名(マネージャー除く)が生んだ9回の同点劇は、後世のファンにも深く刻まれるものとなっていくだろう。

[page_break: 3.興南高校宮城大弥がオリックスバファローズから1位指名! ]

3.興南高校宮城大弥がオリックスバファローズから1位指名!

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宮城大弥(興南)

 U-15に続きU-18でも侍JAPANの代表入りを果たした興南高校宮城大弥。最後の夏こそ聖地甲子園への出場を逃したが、近年稀に見る最強左腕の元には、TBSを筆頭に全国からマスコミが駆けつけた。

 大船渡高校の佐々木、星稜高校の奥川が数球団から指名を受ける中、オリックスバファローズが外れ1位で宮城大弥を指名。

 「自分の指名のことより、佐々木や奥川がどこにいくのか。それが一番の興味でした。」と語った宮城大弥。「沖縄の子どもたちがプロ野球選手になりたいと、自分を見て思うような選手になりたい。」

 興南高校の我喜屋監督も「成功体験を通して継続性のあるピッチャーになってほしい。子どもたちに夢を与える投手になってほしい。」と激励した。

 ちなみに、沖縄県出身の選手がドラフト1位で指名されるのは、多和田真三郎(西武ライオンズ)以来4年振り。高卒に絞ると川上竜平光星学院−ヤクルト)以来8年振り。

 県内高校に絞ると、新垣渚沖縄水産−ダイエー)以来21年振り。興南高校にまで絞ると、友利結デニー友利)以来、33年振りとなった。

4.3大ニュース(plus1)沖縄県高等学校野球連盟創立初の女性監督勝利!

 4大ニュース、とまではいかないが、プラス1を載せることをご了承願いたい。第101回全国高等学校野球選手権沖縄大会で、沖縄県高等学校野球連盟創立初の女性監督がナインと共にグラウンドに立ち、勝利を手にした。

 彼女の名は東佳奈子先生。去った夏、沖縄石川高校の監督としてベンチ入りし、采配を奮った。初回、2番嘉手納が二塁打を放つと次打者もヒットで続く。ここで東監督はスクイズのサイン。キッチリ決めて先制点をもぎ取ると、6番徳田にも3点タイムリー三塁打が飛び出して一挙4点を奪った。

 7回裏にも3点を刻みコールドゲーム。見事、初戦突破を果たしたのだった。

(文=當山 雅通

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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