Column

奥川恭伸(星稜)の課題はコンディショニング。焦らず最善のピッチングを

2019.08.29

  佐々木朗希とともにダブルエースとして期待される奥川恭伸。常時140キロ後半~150キロ前半のストレートは空振りが奪え、130キロ中盤のフォーク、チェンジアップ。また120キロ後半の縦スライダー、横のスライダー、カーブと球種が豊富。打者への攻め方のバリエーションも多く、さらに制球力が高いので、少ない球数で三振を奪える理想的なピッチングを甲子園でも展開した。

 通算41.1回を投げ、51奪三振、7四死球、防御率1.55、1試合平均の球数は12.39と決勝戦の履正社戦を除けばほぼ完ぺきな投球だった。特に智辯和歌山戦の23奪三振の快投は佐々木朗希をはじめ多くの代表選手が「智辯和歌山との試合は印象に残った。あのピッチングは高校生じゃない」と口をそろえる。

 また投球術の高さだけではなく、マウンド上では常に笑顔でいるのも見逃せない。奥川は自身の表情1つがチームを勇気付ける一方で、動揺を誘ってしまうことを認識している。だからこそ星稜のチームスローガンである「必笑」を体現し、ナインを安心させたことも、今年の甲子園準優勝につながったのではないだろうか。

 甲子園のような快投を見せるにはコンディショニング次第となる。25日から代表合宿の練習に参加した奥川は27日までの3日間、ノースローで、下半身強化や、理学療法士と話をしながら、疲労回復と調整に努めた。

 甲子園決勝22日から中7日で開幕する今大会。この短期間で、どれだけ調子が戻るか不透明。それでも少しずつ調子を上げて、奥川らしいピッチングを見せることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一

奥川恭伸(星稜)の課題はコンディショニング。焦らず最善のピッチングを | 高校野球ドットコム関連記事はこちら!

佐々木朗希、奥川恭伸などが選出!侍ジャパンU-18代表20名の顔ぶれ


【第101回選手権大会総括】星稜vs智辯和歌山で炙り出された今大会の象徴


2019年のU-18代表は史上最強の投手陣だ!過去5年間と比較すると?


記録にも記憶にも残る奥川恭伸のピッチング。奥川は伝説の投手になった

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】