大学日本代表4番・牧秀悟(中央大)が始めた意識改革は“先手”だった
牧秀悟(中央大)
高校日本代表vs大学日本代表の壮行試合は5対5の引き分けとなった。高校日本代表の投手陣が凄いと口をそろえたのが、大学代表の4番に座る牧秀悟(中央大)だ。
松本第一出身で大学3年生の牧は、1年生からレギュラー。2年生秋と3年生の春にベストナイン受賞し、大学代表に選出。中軸に座り、16打数4安打5打点の活躍で優勝に貢献。高校日本代表との試合でも4打数2安打2打点、6回には西純矢から同点の本塁打を放った。
打撃で活躍を見せた牧は試合後、「(4回に回ってきた打席について)無得点できていて、追い込まれていましたがチャンスだったので右方向を意識しました。本塁打に関してはびっくりしています。ただ負けている状態であの打席は出塁するつもりで打って、結果として同点にできたのは嬉しいです」とあくまで謙虚な振り返りだ。
8回の第4打席でもセンターフライだったが素晴らしい当たりを放つなどバッティングで活躍した牧選手。好調の要因は、とにかく様々な選手のバッティングを見て観察してきたことがあった。
「打つべきボールをどうやって打つのか。そこを見ています。特に先月のアメリカ戦の時は柳町さんや宇草さんに打席での意識などを聞いて取り入れました」
そこで牧選手は先手を打っていくように意識改革をした。
「前は後手というか、自分が待っている球が来たら振っていましたが、振っていく中でタイミングを合わせるようにしました。『どんどん振っていった方が良い』というアドバイスを取り入れてから上向きになりました」
牧自身の中で打撃においてタイミングに重きを置いている。そのうえでも自分のタイミングで後手に回るのではなく、ピッチャーの動き出しとともに自身もタイミングを取り始めて先手の意識をもって打席に入ることで結果に繋げてきた。
また意識改革は打撃だけではない。守備ではショートを守る小川龍成からスプリットステップを教わった。
「それまでは守備は上手くなかったですが、小川は守備が上手いので、どのタイミングでどうやって飛んでいるのか。話を聞いたりして、取り入れたら一歩目の速さや反応は良くなりました」
今秋のリーグ戦へ向けて牧は、「まだ優勝したことがないので、優勝をしていきたいです」と戦国東都の頂点へ決意をあらわにした。
代表に選ばれ多くの経験を蓄積した牧。「貴重な経験ができたので、今後に活かしていきたいです」と振り返ったが、その集大成を東都リーグ制覇という形で証明したい。
記事=田中 裕毅