佐々木、飯塚ら史上最強投手陣の仕上がりは順調!あとは奥川恭伸の復調を期待するのみ!
侍ジャパンU-18代表の国内合宿では3試合行われたが、1勝1敗1分けに終わった。改めて投打別に分けて、選手たちの仕上がり状況を徹底レポート。現状の課題を確認していきたい。
大学生相手にも剛速球でねじ伏せた佐々木朗希
佐々木朗希(大船渡)
【投手編】
11 佐々木朗希(大船渡) 2試合 2回3奪三振無失点
状態は間違いなく上がっている。大学代表戦で平均球速は約154キロを計測したように、大学生相手にも伸びのある剛速球でねじ伏せた。かなり慎重を期して起用しているように、世界大会では限定的な起用となりそう。
佐々木は150キロ超えのストレートだけではなく、フォークの落差もすごい。国際球は、日本の公式球に比べて、フォークが落ちやすいのでそれが好影響を与えているかもしれない。結果はともかくとして、世界の強豪国の強打者たちとのガチンコ勝負が楽しみだ。
12 浅田 将汰(有明) 2試合 4打数0安打
24日の駒澤大戦の第1戦で、右ひじに死球が当たり打撲。野手としての出場が続いている。ここまでハイレベルな投手との対戦が続いたことで、まだ持ち味は発揮できていない。ただ、本人は「投球のほうが自信ある」と語るように140キロ後半の速球、縦に鋭く落ちるチェンジアップのコンビネーションが絡めば、世界で通用する投手であることは間違いない。投手としての復帰を願いたい。
13 池田陽佑(智辯和歌山) 1試合 2回 無失点
150キロを計測する池田だが、24日の駒澤大戦では2回無失点したものの、最速は140キロにとどまった。あまりコンディションは良くない様子。それでも焦ることなく、状態を高めてほしい。[stadium]甲子園[/stadium]の激闘から1週間もたたないうちに、合流して状態を挙げるのは難しい。しっかりと休養を取りつつ、全開のピッチングでねじ伏せることを期待したい。
14 前佑囲斗(津田学園) 1試合2回無失点 2奪三振
最速140キロにとどまったが、回転数の高いストレートは相変わらず抜群で、130キロ後半でも空振りが奪える。本人曰く調子は6~7割。しっかりと状態を高めれば、活躍が期待できるだろう。
15 飯塚脩人(習志野) 2試合 3回8奪三振 1失点(自責点0)
今、最も状態が良い投手。140キロ後半の速球で、大学生から次々と三振を奪ったストレートは脅威。さらに135キロ前後のフォーク、130キロ前半のスライダーの切れも素晴らしく、どの球種でも勝負ができる。
高校生でこれほど、リリーバーとして力を発揮できる投手もなかなかいない。
習志野同様、侍ジャパンU-18代表投手陣の中でも切り札的な存在になりそうだ。
西純矢、奥川恭伸の現状は?
西純矢(創志学園)
16 西純矢(創志学園) 2試合 5.1回 7奪三振 1失点
大学代表戦で最速150キロを計測するなど仕上がりは上々。西は、東京に来てから変化球の精度が上がっていると語る。最も自信に持つのは、130キロ後半のフォークだ。打者の手元で鋭く落ちて空振りを奪える。
「東京に来てからずっとフォークが良いんです。国際球が結構落ちやすくて、それが良い影響を与えていると思います」とフォークの手ごたえを実感している。
さらにチェンジアップ、横のスライダー、カーブも織り交ぜる。昨年、決め球にしていた縦スライダーはほとんど投げていないようだ。
今夏の岡山大会の西は直球は素晴らしかったが、変化球の精度に課題があった。今では直球と変化球、どちらの精度もよい。その要因として、コンディションの状態は上がってきていることだという。
「実は岡山大会の時はあまりコンディションは良くなく、肘の張りもあってあまり肘が上がりませんでしたが、夏が終わってからしっかりと休むことができたので、状態は良いです」
西の良さは打たれた経験を前向きに捉えることができること。大学代表戦で、4番・牧秀悟(中央大)に同点本塁打を打たれた場面について、
「打たれたのはカーブ。その前にスライダーを投げたので、あまりタイミングを外すことができなかったと思います。またコースも真ん中でした。高めにストレートを投げたり、もう少し緩急を意識した投球ができていれば、良かったです。
アメリカ打線はああいうイメージで打ってくるので、本大会前にこのような経験ができたのは本当に良かったです」と壮行試合後に話した。
17 宮城 大弥(興南)2試合 6回8奪三振 3失点(自責点2)
左腕から投じる140キロ後半の速球は威力があり、大学生から空振りを奪うことができていた。そのストレートは、スライド気味に動くのが特長。横に曲がるスライダーの切れもよく、チェンジアップの精度は高い。大学代表戦で、3失点したイニングは守備の乱れもあったが、うまくいかないときにどうやって投球をまとめるかが、活躍のカギになるのではないだろうか。
19 林 優樹(近江) 2試合 2.2回 1奪三振 無失点
ストレートは130キロ弱。それでもチェンジアップ、カーブ、スライダーを巧みに使って内野ゴロに打たせて取る投球術は見事。林は走者を背負っても、粘り強く抑えることができる。本大会でも緊迫した場面での登板が予想されるが、精神力の強さでピンチも凌いでくれそうだ。
まだ、登板がないのは、奥川恭伸(星稜)だ。[stadium]甲子園[/stadium]の激闘を終えたばかり。課題はコンディショニングだけというぐらい、奥川の完成度はこの投手陣の中でも抜きん出ているので、徐々に状態を高めていってほしい。
奥川は、1日のアメリカ戦、2日のチャイニーズタイペイ戦、3日のパナマ戦を抑えるキーマンとなる。それまでは、この3か国の対戦に標準を合わせる調整期間となりそうだ。
U18の投手陣メンバーのコンディショニングは全体的に良く、大学代表戦では、計16奪三振を記録したように、ピッチング面でも圧倒している。改めて、今年は「史上最強の投手陣」という呼び声に相応しい実力を渡航前の各ゲームで示してくれた。
(記事=河嶋 宗一)
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