甲子園で最高のピッチング!履正社のシンデレラボーイ・岩崎 峻典の活躍はまだ終わらない
初の決勝進出を果たした履正社のシンデレラボーイとなったのが、2年生右腕・岩崎 峻典だ。岩崎は、この日の明石商業との準決勝で、期待を大きく上回るピッチングを見せた。この夏の大阪大会から台頭し、エース・清水大成と交互に投げあって活躍を遂げた本格派右腕。投球フォームのバランスも素晴らしい期待の2年はようやく[stadium]甲子園[/stadium]の舞台で覚醒を遂げた。
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第101回全国高等学校野球選手権大会
エースからもらった変化球と言葉を胸に
岩崎 峻典(履正社) 写真:共同通信
試合後のお立ち台で、岡田監督は、「まさか岩崎がここまでのピッチングを見せてくれるとは夢にも思いませんでした。7回まで行ってくれれば上出来でした」と話した。
指揮官を驚かせるほどの今夏一番の素晴らしいピッチングを見せた岩崎。これまで、[stadium]甲子園[/stadium]では防御率3.86と、らしくないピッチングが続き、大阪大会で見せた140キロ中盤の速球をコントロール良く投げ分ける岩崎の姿ではなかった。
岩崎は、これまでの甲子園でのピッチングについてこう分析する。
「力みすぎでした。ブルペンでは、いいボールが投げられるんですが、どうもマウンドに立ってしまうと、力んでしまい、どうすれば力まずに投げられるかをずっと考えてきました」
休養日となった19日は、ノースロー調整で準決勝に臨んだ。その立ち上がり、明石商業の来田涼斗に先頭打者本塁打を打たれるも、ストレートの勢い自体は手ごたえがあった。その中でも自信があったのが、130キロ前半のカットボール。
「今日はカットボールが良かったです」と、打者の手元で横に曲がったり、縦に鋭く落ちる軌道で次々と明石商打線から三振を奪う。このカットボールは、実はエースの清水大成から教わったものだ。
「今年の冬にあまり調子が上がらなくて、清水さんに握りを教わりました。投げるポイントは、指に引っ掛けることです」
清水のカットボールも打者の手元で落ちるが、岩崎のカットボールも尋常なく落ちる。この日、岩崎は、最速145キロのストレート、カットボール、カーブを投げ分け、5回まで1失点の好投を見せる。
「グラウンド整備中に清水さんから、『今日、俺は投げないぞ』と言われたのが嬉しかったですね」
「この試合はお前に任せた」という清水からのメッセージと受け取った岩崎は、6回以降も明石商業打線をピシャリと抑え、完投勝利。チームを初の決勝戦進出へと導いた。
「絶対に清水さんの負担を減らしたいと思っていたので、それができてうれしいです」と笑顔を見せた岩崎。
[stadium]甲子園[/stadium]の舞台で最高のピッチングをみせることができたのは、大きな自信となった。
決勝戦の舞台でも、登板する機会は訪れるのか。シンデレラボーイの活躍は、まだ終わらない。
(記事=河嶋 宗一)
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