第52回 関東一伝統の「1番センター」を受け継ぐ大久保翔太。大ファインプレーは師匠の教えがあった2019年08月19日

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【目次】
[1]超俊足でも盗塁と守備が苦手だった
[2]大ファインプレーに隠されたポジショニングの奥深さ

 関東一の1番センターは毎年、超俊足のセンターがいる。オコエ 瑠偉の登場によって、そのポジションは注目されるようになった。
2016年 1番センター 宮本 瑛己(東海大札幌キャンパス)
2017年・2018年 1番ライト・センター  斎藤 未来也(中央大)

 そしてその1番センターを引き継ぐのが大久保 翔太だ。50メートル走の測定では5秒7を記録。6秒0の重政 拓夢(2年)も「あの人はマジで速いです。あっという間に駆け抜けます」と語るほど。実際に一塁までの駆け抜けタイムはショートゴロで最速3秒66を記録。その後も3秒7~3.8秒台とまるで左打者のセーフティバントのタイムを大久保は打ってたたき出すのだ。今年の高校生でもナンバーワンのスピードだろう。

 取手シニア出身で、関東一の野球に憧れて入学した大久保は歴代の1番センターに負けない選手へ成長を遂げていた。

超俊足でも盗塁と守備が苦手だった



大久保翔太選手(関東一)

 「負けましたが、自分の仕事はやり切ったと思いますし、この仲間とやれたので、悔いはないです」と大久保は涙をこらえながら語った。

 野球を始めた時から足には自信があった。取手シニア時代から俊足打者として活躍した大久保。取手シニアの先輩で関東一に進んでいることが多かったこと、また関東一の野球に憧れて、入学を決めた。しかし入学当初は高校野球のレベルの高さに苦しんだ。

 足には自信がある大久保だが、盗塁、守備が苦手だった。
 「入学した時、自分は野球勘というのが全然なくて、失敗が多く、いつも監督さんやコーチの方々に考えてプレーをしろといわれていました」と振り返る。悩む大久保の良きコーチ役となっていたのが1学年上の斎藤だった。

 入学して斎藤のスピードぶりに圧倒された大久保。米澤 貴光監督も「歴代の選手のなかでも3本の指に入りますし、大久保より上だと思います」と絶賛する。大久保が斎藤からアドバイスしてもらったことはボールを見ることだ。
 「ボールをじっくり見るということ。ボールをしっかりと見ることを重要視してきました」

 そうすることで、どういうプレーをすればいいか走塁、守備でも判断しながら動くことができる。今までは勢いに任せてプレーをしていたが、まず足元を見つめて、基本的なことを実践することが大久保の上達につながった。

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関東一 【高校別データ】
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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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