目次
【目次】
[1]近畿大会の敗戦が池田陽佑を飛躍させた
[2]ライバル・奥川恭伸に投げ勝ち、日本一へ

 奥川 恭伸の154キロで沸く中、智辯和歌山池田 陽佑も150キロに達した。この2試合で、12回を投げて1失点、11奪三振、2四死球と抜群の安定感を発揮している。

近畿大会の敗戦が池田陽佑を飛躍させた


 夏でヒーローになる選手というのは、春から爆発的に伸びる投手だと思うが、池田 陽佑はまさにそんな投手だろう。

 センバツから夏にかけての成長が素晴らしい。近畿大会初戦の智辯学園戦では最速146キロ・平均球速142.6キロと、高校生としてはトップクラスの数字を残していた。ただ打ち込まれた反省を生かし、池田は左手の位置(参考記事)を改め、また体重移動の際も軸足から左足にしっかりと体重が乗る感覚で投げることを心掛け、夏でも継続的にトレーニングに力を入れた結果、全力を入れなくても、140キロ後半のストレートをコントロールできるようになった。183センチ84キロと恵まれた体格を生かす技術を身に付けたのである。

 また近畿大会後は、制球力重視の投球にシフトチェンジし、夏の和歌山大会では13イニングを投げて15奪三振、無失点と躍動。甲子園出場に大きく貢献した。

 今大会の池田は、他校の投手と比べてもワンランク上の投球を見せた。先発時でも常時140キロ前半~140キロ中盤を計測し、リリーフとなれば、145キロ~150キロを投げる。池田がすごいのは全力で投げ込むのではなく、コントロール重視で効率的な体の使い方をして、140キロ後半のストレートを投げていることだ。

 この日の明徳義塾戦でも、7回裏。7番・服部 遼馬の場面で150キロを出したことについては、
 「非常に指がかかっていてよい感じで投げられたと思います。ただ力んで投げたのではなく、コントロール重視で投げられたのは良かったと思います」と語った。

 ストレートが良ければ、変化球も生きる。130キロ台のカットボールは縦スライダーのように落ちて、120キロ後半のフォーク、130キロ前後の曲がりの大きいスライダーもしっかりとコントロールされ、低めに決まる。速球、変化球も投げ分けができる池田陽佑の投球は巧打者揃いの明徳義塾打線も圧倒し、1安打に抑えた。