第35回 「浜風を利用する」甲子園観戦術2019年08月12日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

浜風も使い方によっては観戦の心強い味方に!



 

 全国高等学校野球選手権大会が開催される甲子園、正式名称「阪神甲子園球場」には特有のワードがいくつかあります。たとえば一塁側内野席のライトポール、三塁側内野席のレフトポール際にあり、高校野球では出場校の応援団が陣取る「アルプススタンド」。1924年(大正15年)開設の5年後、1929年(昭和4年)の改修によって威容を現した際、当時としては日本最大級の高さと勾配を擁するスタンドを見て新聞記者が「これはアルプススタンドだ」と記したのが起源とされています。

 その中で代表的なのは「浜風」。これは晴天時を中心に常にライト側からレフト側へ吹く風のこと。これが右打者の外野フライがスタンドまで届き、左打者によるホームラン性の当たりが押し戻される要因となっています。もうお分かりの方もいらっしゃるでしょうが、レフトが最初からセンター・ライトより深めに位置を取っているのは正に浜風対策なのです。

 ちなみに両ポール際にはさらに複雑な風が吹いているのは知る人ぞ知る事実。昨年・済美vs星稜の延長13回タイブレークで起こった大会史上初の逆転満塁ホームラン(済美矢野 功一郎二塁手<現:環太平洋大1年>)がファウルゾーン上空を舞いながら最後に右翼ポールを直撃したのも、この「浜風のいたずら」が一因にありました。(試合レポートはこちら

 そんな浜風ですが、観る側も利用すれば酷暑でも快適に観戦することができます。事実、外野席の一番上は爽やかな風が吹き抜け、体感気温は実気温よりかなり低いものに、スタンドも鉄格子通じての吹き抜けになっていますので、大阪湾を望む景色も楽しめます。また、ネット裏内野席も記者席の上部にある場所は風の通り道にある快適スポット。試合が遠めになってしまう反面、内外野のフォーメーションも俯瞰できる利点も有しています。

 8月12日(月・祝)の大会7日目で49代表校もでそろい、いよいよ頂点への熱も増していく「第101回全国高等学校野球選手権大会」。観戦されるみなさんも、くれぐれも水分・塩分補給は忘れずに、健康に留意して熱戦を見守って頂けたらと思います。

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」【高校野球コラム】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「ピンチをチャンスに」思える発想を! 私が考える「代替案」【高校野球コラム】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「休養日を有効に活用しての特別試合を実施!」【高校野球コラム】
第108回 島袋洋奨(興南出身)、今井達也(作新学院出身)などの現在地。過去10年間の甲子園優勝投手の歩み【高校野球コラム】
第108回 履正社初優勝で幕が閉じた2019年の甲子園。注目15校の逸材の進路を公開【高校野球コラム】
第1030回 岸 潤一郎(明徳義塾出身)高校野球は「必死にやる楽しみを味わえる3年間」 【2019年インタビュー】
第1029回 甲子園練習に参加した女子マネージャー首藤桃奈さん 当時の心境と将来の夢 【2019年インタビュー】
第1026回 プロ注目の遊撃手・韮澤雄也(花咲徳栄)が語る春から打撃、守備の意識の変化 【2019年インタビュー】
第1025回 奥川恭伸(星稜)高校最後の甲子園へ想いを語る 「今までやってきたことを全て出し切る」 【2019年インタビュー】
第887回 中国地区屈指の速球派・三奈木亜星(山口東リトルシニア)。高校でもスターの道へ 【2019年インタビュー】
浦和学院vs済美 part2 寺下友徳の済美観戦記【2013年春の大会 第85回記念選抜高校野球大会】
遠軽高校甲子園壮行交流戦【2013年 第85回選抜高校野球 大会前強化練習試合】
関東大会特別観戦記【2012年春の大会 第64回春季関東地区高等学校野球大会】
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム